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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー1 第一次βテスト
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第四話:ジョブとコトダマ

 言葉には、力が宿る。

『次は、ジョブとスキルを決めるぞ』


 ジョブとは? ゲームによって扱いが全然違うから、説明ぷりーず。そして、なにか着るものぷりーず。


『ジョブは、プレイスタイルを決める重要な要素だ。物理、魔法、バランス、特殊、生産など色々あるが、βテストの今選べるのは物理、魔法、バランスの三種だけ。ジョブを選ぶと初期装備が配布、自動で装備される。あ、ジョブにすっぴんやノービスや紳士なんてのは無いからな? そら、選べ』


 目の前に、半透明のウィンドウが現れ、各ジョブが表示される。


◯物理職

 ・戦士

 ・格闘家

 ・狩人


◯魔法職

 ・魔術師

 ・僧侶

 ・付与士


◯バランス職

 ・魔法戦士

 ・斥候

 ・調教師


◯特殊職

 ・巫



 ……うん? 無いって言ってたのに、特殊職があるぞ? しかも、何て読むの?


『ぶふっ!? お、お前? なんでいきなり特殊職が解放されてんだよ!?』


「何て読むの?」


『……かんなぎ。その言葉に込められた意味は、言えない』


「へぇー。……じゃあ、それにする」


『おま、少しは悩めよ!?』


「羽虫うるさい」

(レア職みたいだし、選ばない手はないんじゃない? 今はβテストなんだし、問題があれば正式サービス開始の時に変えればいいんだし)


『……お前ぇ……本音と建前逆になってるぞ……?』


 もぅ、そろそろいいよね?

 ウザい羽虫に指を突きつけて、宣言する。


「お前言うな。僕にはミコトって言う、親からもらった名前がある。それに、名乗りもしないウザい羽付きは、羽虫で十分だろ?」


『……そうかい……』


 僕は名乗ったのに、何て思っていると、なぜか羽虫の様子がおかしくなった。

 ……なんか、落ち込んでる?


『……オレ……羽虫か……はは……羽虫……』


 あ、もしかして……


「名前、無いのか?」


『羽虫……オレ……羽虫……』


 どんよりうつうつ。

 ああ、もう、鬱陶しい。


「ガイド妖精。ナビゲーター、先導、先触れ、賢者、じゃなくて識者、羽を持つもの。……うーん、色が気に入らないけど、羽を持つ先触れ……それは、ヤタガラス。神の遣わした偉大なる先触れ。神格を持つ存在。……ヤタ。きみの名前はヤタ」


 連想ゲームのように、思い付く限りの特徴を上げて、繋いで、導きだしたのが、この名前だった。


「うん。これで、名前で呼び合えるね。僕はミコト。きみは、ヤタ。間違えるんじゃないよ?」


『ヤタ……ヤタ……オレの名前……ミコトが、つけてくれた……』


 光の消えた目に、再び光が点っていく。


『うわーーーん、ミコトーーー!』


 ガイド妖精、ヤタが僕の胸に飛び込んでくる。

 わんわん泣くその様子をみて、言いたいことを飲み込む羽目になった。



 一応さ、僕、リアルでは男なんだよ……?

 そろそろ、寒くなってきた……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 巫、いいですね! ヤタガラスのヤタ。 素敵な名前です(*´꒳`*)
2022/02/01 20:14 退会済み
管理
[一言] なにか着るものぷりーず。 →もうこの最初の一言に心を持って行かれて頭に何も入りませんでしたw ナビが主人公に泣きつく、は中々お目にかかれないと思うのでやはり特殊なストーリーが気になって仕方…
[良い点] メリーさんを読み終わったので、 こちらを拝読しております。 まだ触りですが、既存のVRMMOものにはない、 丁寧な描写と独創的な雰囲気に引き込まれますね。 [一言] メリーさん同様、こちら…
2020/04/20 20:31 退会済み
管理
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