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第三十四話:目を覚ます。

《クエスト:装備品の作製》 crear!

　先触れ:ヤタに対しクエストを依頼。

　パートナーたるプレイヤー:ミコトと共に、装備品を作製せよ。

　評価 : S

　報酬 : ミスリルインゴット×4

　＋追加報酬

　・シルクスパイダーの糸×30

　・コットンワームの糸×200

　・サンダーシープの羊毛×30

　・ケツァールの羽×10

　・鬼の反物×100

　・鬼の腰布×300

《クエスト:衣類の作成》 new!

　初期装備の服が、ゴワゴワで着心地が悪い。シルクとは言わないけれど、せめてコットンの服が欲しい。

　・作製対象

　・・コットンのインナーシャツ×30。

　・・コットンの下着(男性用)×20。

　・・コットンの下着(女性用・上下セット)×10。

(注)コットン必要数、100。

　・・丈夫な上着×30。

　・・グレーのジーンズ×30。

(注)鬼の腰布必要数、120。

　・報酬:ゴーレム・コア×2 + 成果品次第。

　・特記事項:納品した成果品の性能、数により追加報酬。

　・特記事項:クエスト受諾時、前報酬として拠点用設備チケット(酪農)×1、家畜チケット×4を支給。

　日付の変わった真夜中。

　一度寝ると、朝までなかなか起きないのがこのミコトなのだけれど、危険と隣り合わせの開拓村では、どんなに疲れていてもわずかな音で起きて、危険に備えるか、あるいは逃げるか決断しなければならない。

　だから、《私》にとって、起きるということ自体はなんら苦にはならないのだけれど、このミコトの体はそうはいかないようだ。

「……あふ……」

　大きなあくびが出る。ああ、このまま眠ってしまいたい。

　ここは絶対安全な拠点。開拓村とは違うのだから。

　……だからといって、《私》が目を覚ましたのには、なにか理由があるのだろう。

　ベッドから降りて、大きく伸びをしたら、まずはログを確認しよう。……ああ、これかぁ。

　神(運営)からの依頼、《クエスト》。

　あまり手間はかからないけれど、今の(・・)ミコトなら、嫌がるかもしれない。

『……ふふ』

　ミコトとトールの関係を、ミコトの中から見ていれば、なんとも微笑ましい気持ちになる。

　ちょっとしたことですぐ顔を赤くするミコトと、

　家族でもあまりやらないようなことを、自然とやらかすトール。

　早く結ばれればいいのに。そうしたら、《私》も……。

　……いやいや、今は、やることをやってしまおう。

　※コットンワームの糸×100と鬼の腰布×120を消費して、

　・コットンのインナーシャツ×30。

　・コットンの下着(男性用)×20。

　・コットンの下着(女性用・上下セット)×10。

　・丈夫な上着×30。

　・グレーのジーンズ×30。

　を生産。

　※オークの革(小)×90を消費して、

　・革の手袋×30

　・革のブーツ×30

　を生産。

　※リザードマンの革(小)×30を消費して、

　・防水マント×30

　を生産。

　……ミコトはあまり気にしていなかったようだけれど、オークなんかよりよほど強いといわれるリザードマンの革が大量にあるのはなぜだろう？

　妖精のヤタを介してやり取りされるトレードは、ミコトのログには表示されないので、たぶんきっと、妖精さんの仕業だろう。

　……こんなにたくさんの素材、誰と何を交換したんだろう？

　※各種生産品に、スキル《装備付与》を実行。

　・装備強化を付与。

　・自己修復を付与。

　この辺でいいだろう。クエストを達成できたなら、十分。あとは……。

　ああ、そうか。今回は、これが本命。

《粗末な鉄の剣+2(霊)》

　未熟な鍛冶師によって造られた粗末な鉄の剣。

　しかし、丁寧に手入れされ、長く使い込まれるうちにスピリットが宿るに至っている。

　トールが、愛情込めて手入れして使い続けた剣。

これと……。

　※粗末な鉄の剣+2(霊)とミスリルインゴット×2を消費して、

　・スピリットソード

　を生産。

　すぐに付与も済ませてしまう。

　……正直、やりすぎかなとも思うけれど。

　○スピリットソード (剣／金属／長剣)

　:レア度7

　・最大MP＋60

　・魔防＋30

　・霊体斬り

　・特攻:霊体8

　・特攻:不死5

　・特攻:悪魔3

　・付与・装備強化

　・付与・自己修復

　・付与・自動回復

　・付与・体力

　・付与・活力

　基本性能がこちら。

　○スピリットソード (剣／金属／長剣)

　:レア度7

　・最大MP＋30

　・魔防＋15

　・霊体斬り

　・特攻:霊体6

　・特攻:不死4

　・特攻:悪魔2

　……《私》、どれだけ詰め込んだんだろう……。でもこれも、トールと、トールが気になって仕方がないミコトのため。

『また、お前か』

　ため息をひとつ吐けば、妖精さんのお出まし。

　少し不機嫌なのは、ミコトのことを心配しているから。ふふ、いい子。

『あまり頻繁に出てくるんじゃねぇよ。ミコトの負担になる』

『ええ、分かってる。今回は、ちょうど終わったところ』

　生産品の数々を示してやれば、妖精さんは顔をひきつらせていた。

『ごめんなさいね？　妖精さんの大切なミコトのこと、すぐ返してあげるから』

　妖精さんの小さな鼻をちょんとつついて、ベッドに潜り込む。

　ああ、柔らかくて、気持ちのいいベッド。

　まるで、お姫様にでもなった気分。

『おやすみなさい、妖精さん。あなたも、いい夢を』

※※※

『……オレには、お前が残留思念とは思えないんだがな……』

　ヤタの呟きは、誰の耳にも届かなかった。

　リザルト

《クエスト:装備品の作製》 crear!

　○納入:

　・コットンのインナーシャツ +2《付与・装備強化、自己修復》×30

　・コットンの下着(男性用) +2《付与・装備強化、自己修復》×20

　・コットンの下着(女性用・上下セット)+2《付与・装備強化、自己修復》 ×10。

　・丈夫な上着 +2《付与・装備強化、自己修復》×30

　・グレーのジーンズ +2《付与・装備強化、自己修復》×30。

　・革の手袋+2《付与・装備強化、自己修復》×30

　・革のブーツ+2《付与・装備強化、自己修復》×30

　・防水マント+2《付与・装備強化、自己修復》×30

　評価 : S

　報酬 : ゴーレム・コア×4 + 追加報酬(選定中)

　・生産LV1 → LV2

　・最大MP上昇LV1 → LV2

　・消費MP軽減LV1 → LV2