第二十七話:四日目、朝
《クエスト:装備品の作製》
先触れ:ヤタに対しクエストを依頼。
パートナーたるプレイヤー:ミコトと共に、装備品を作製せよ。
・作製対象
・・鋼の剣 ×1 強化+3以上。
・・鋼の盾 ×1 強化+3以上。
・・鋼の軽鎧×1 or 鋼の鎖帷子 ×1 強化+3以上。
・・鉄板入り革ブーツ×1 or 鋼のレガース ×1 強化+3以上。
・・腕輪 (素材不問) ×1 付与+3以上。
・報酬:ミスリルインゴット×2 + 成果品次第。
・制限時間:12:00まで。あと6時間。
・特記事項:強化は付与で代用可能。
・特記事項:納品した成果品の性能、数により追加報酬。
・特記事項:クエスト受諾時、前報酬として新鮮食材セット×3を支給。
「……ふぁ……うーん……」
目覚めはまあまあ、あくび一つして、大きく伸びをする。
時間を確認してみれば、まだ6時前。朝日は上っているけど、まだまだ起きる時間には……って、この拠点の水回りは魔道具で揃えられていて、ほんの少しだけ魔力を使えば、全部済んでしまう。
井戸から水を汲むことも、火打ち石を打ち付けて火を起こすこともない。
一般家庭はどうなのかな?
スキル《洗浄》を使えば、寝ている時にかいた汗なんかも無くなるので、とても便利。
身支度を整えて……巫女服以外も作れないかなぁ? ……頬を軽くぺしぺしはたいてしっかり目を覚ます。
そんなふうに起きたばかりの時間を過ごしていると、なにやら空を切る音が聞こえてくる。
なんだろうと外を見てみれば、
「……ふわ……」
気の抜けた声が漏れて、自然と見入ってしまった。
振り下ろし、横薙ぎ、切り上げ、唐竹割り。
一歩引いてからの、突き。
切り上げ、振り下ろし、横薙ぎ、切り上げ……と見せかけて、一歩踏み込んで柄尻でかち上げ。からの、回転斬り。
新しい剣に慣れるためか、汗が飛び散るほど続けているみたい。……まだ、朝も早い時間なのに。
いつからやってるんだろう?
どこかの流派の剣術とかかな?
あんなに汗かいて、疲れてないのかな?
あ、喉乾いてるだろうね。お水持っていこうかな?
それとも、邪魔しないように先にご飯作った方がいいのかな?
「んー?」
ちょっと悩んで、結論。両方。
ご飯作って、お水とタオル、お風呂も沸かしとこうかな。
朝からやることたくさんだ。
「ふふっ」
トールくんの喜ぶ顔を想像して、朝からちょっといい気分。
「ごちそうさまでした」
今朝も食いしん坊たちは朝からたくさん食べていた。
今朝は、アイテムボックス内に何故かあった卵を使ったオムレツと、パンモドキと野菜スープ。
オーク肉……ううん、高級豚肉を挽き肉にして、拠点に無限供給される玉ねぎをみじん切りにして、同じく、アイテムボックスにあったトマトを使って、オムレツに挑戦。
調味料とか全然足りないと思っていたけど、トマトから直接ソースを作れたので、まだらくちんだったけど。
……うーん、胡椒とケチャップが欲しいね。
パンは……うーん? お水加えて捏ねて焼いただけ。
酵母が欲しいよ。
野菜スープに入れてすいとんにすれば良かったかな?
うん。今朝も、用意したご飯は完売。お昼は何を作ろうかな?
果物で酵母作れれば、白パン作れるかな?
うなれ、僕の料理スキル!
『朝イチでクエストが出されてな。それやるぞ。報酬が美味い。昼までに終わらせなきゃならんから、最優先でな。反論は聞くが譲らんぞ? 今日は生産の日だ』
あれー?
新鮮食材セットの内容
・新鮮な鶏肉
・新鮮な卵
・新鮮な牛乳
・作りたてバター
・新鮮な鮎
・新鮮な鮭
・新鮮なトマト
・新鮮なレタス
・新鮮なキュウリ
・新鮮なオリーブオイル
(注)魚と野菜はランダム