第百九十三話:二十五日目
・ロックスライムから送られてきました。
・レッドストーン×10
・ブルーストーン×10
・グリーンストーン×10
・イエローストーン×10
・ホワイトストーン×10
・ブラックストーン×10
・魔鉄インゴット×10
・魔鋼インゴット×10
・鋼インゴット×20
・鉄インゴット×30
・銅インゴット×40
・金インゴット×5
・銀インゴット×20
・プラチナインゴット×5
・ミスリルインゴット×5
・石炭×100
・火燃石×20
元奴隷のちびっ子たちが新たに加わり、一緒に夕飯を食べてお風呂に入ってみんな一緒の部屋でお布団に入ったのを確認して、消灯。
幼すぎて添い寝が必要な子はいないので、お休みと声をかける。あとはちびっ子たちと同じ部屋で眠るライラさんに任せて僕も自室に。
翌朝。
顔を洗って、鏡で寝癖とか巫女服の乱れとかないか確認してから台所へ。
お米をといで水を吸わせたら、竜人型スケルトンゴーレムというホネホネなゴスケさんたちが朝イチで収穫してくれた、にんじんやたまねぎ、しいたけなどを細かく刻んで、家畜枠の魔物たちが住む水辺で捕れるようになった川魚は、ウロコとワタを取り除いて、大きな鍋で一緒に煮る。
川魚は出汁用なので出汁が出たら取り出し、身と骨を分けて身をほぐしておく。
お米を炊きながら、野菜はどうしよっかなと考えてたところで、おばあちゃんエルフのライラさんが台所に姿を現す。
ライラさんは遅れてきたことを謝るけれど、僕は全然気にしてないので気にしないように言っておく。
むしろ、いつもお昼ごはんを任せてるし、僕もたまに朝寝坊することもあるから、感謝感謝なんだよね。
野菜は、《拠点》に無限供給されるベーコンを刻んで炒める方向でライラさんにお願いしちゃう。
料理スキルの影響か、凄まじい速さで包丁が閃き、あっという間に刻み野菜と刻みベーコンができあがる。
なんだか、また速くなってないかな? 僕もこれくらいやれるようになりたいものだよ。
ライラさんがベーコン野菜炒めを作ってる間にお米が炊けたので、お鍋のだし汁とほぐした川魚の身を合わせて、ニワトリたちが産んだ薬草卵の溶き卵を回し入れて軽く煮立てれば卵雑炊の完成。
汁ものは、オーク肉のひき肉、トマト、たまねぎ、小松菜に、香草だという臭み取りの葉っぱを入れて煮込んでいると、慌てた様子でエルフの里から来た母エルフのリラさんが台所に入ってくる。
朝食完成間近なときに来てしまって、申し訳ないと謝ってくるけれど、僕もライラさんも大丈夫と笑って応じる。
あとはほうれん草があるので、リラさんにおひたしを作ってもらう。
味付け込みでお任せすると、ちょっと濃いめのご飯が進みそうな味に仕上げてくれた。
そんなわけで、朝食が完成したからまだ起きてないちびっ子たちや朝の鍛錬をしているトールくんにリンドくんにステラを呼んで、みんなでいただきます。
お肉が好きだけどわりとなんでも食べるコボルトのジョンとメグ、オークのお肉1体分を丸々食べてしまうワイバーンのぐれ太、テイムした岩ヤギや岩トカゲたち、家畜として購入した他の魔物たちは、ゴスケさんたちや蟻人型のゴーレムたちが手分けしてごはんを出してくれてる。
……むしろ、本物の家畜なニワトリ、豚、牛なんかは、各畜舎に自動で供給される配合飼料には目もくれず、畜舎の周りに自生という名の異常繁茂している薬草をもりもり食べていて、ごはんのお世話はあまり必要なかったり。
ときおり、家畜や農作物を狙った魔物の襲撃があるみたいだけど、野犬や武器さえ持てば牛も襲って仕留めてしまうというゴブリンも、なぜかニワトリたちにつつかれ追い立てられ、豚や牛たちに体当たりされて蹴散らされるんだって。
そんな牛たちでも歯が立たない強力な魔物でも、好戦的なバジリスクやコカトリス、気は優しくてのんびり屋なカトブレパス、ちびっ子たちには優しくても外敵には恐ろしいユニコーンやバイコーン、ナーガやケルピーが出撃して、あっという間に倒してしまうそう。
陸や水中の魔物では手が出ない空飛ぶ魔物は、バーさんことヤギ頭の自称邪神バフォメットが魔法で撃ち落としてしまうそう。
そのたびに、ちびっ子たちの拍手と歓声で迎えられる魔物たちは、誇らしげで。
平和でいいなあと、ちびっ子たちの話を聞きながら、微笑むのだった。まる。
「……ねえ、ヤタ? 僕らの《拠点》は、外から魔物が入ってこれないんじゃなかったかな?」
『……結界が張られているプレイヤーの《拠点》であっても、農作物や家畜の略奪を目的とした襲撃は、神の意思により、認められている。ただし、拠点内の人間などは襲撃の対象から外すという制約が課される。それができない魔物はなんであろうと侵入できないが、作物等を目的とした魔物なら侵入できる』
「…………農作物…………」
『おい待てなんだあれは? 草原オオカミが薬草食ってくつろいでるぞ? しかも群れで。おいガキども、あれはなんなんだ?』
「バーさんがねー、夜はいなくなるからほうっておきなさいってー」
「なんかねー、昼間は日陰でお休みしたいんだってー」
「水場でお水飲んでるよー」
「お魚獲ろうとして、水に落っこちちゃってー、ナーさんが助けてあげたんだよー」
「野菜を食べちゃうネズミやウサギをやっつけてくれるから、ほっといていいんだってー」
「…………まもの…………」
『エサ場になってるな』




