第百四十二話:ドワーフ
フック付きワイヤー を入手。
※《蟲剣インセクトキラー》を入手。
※《蟻鎚アントメイス》を入手。
※《蟻戦鎚アントハンマー》を入手。
※《蟻斧鎚アントマトック》を入手。
※《蟻鎖鎚アントフレイル》を入手。
※《蟻鎌アントシックル》を入手。
※《蟻大鎌アントサイズ》を入手。
※《腐食鎚アントピック》を入手。
※《蟻甲鎧アントアーマー》を入手。
※《機動鎧アンツアーマー》を入手。
※《女王蟻の姫冠》を入手。
※《蟻掘鎚アントツルハシ》を入手。
※《蟻鍬アントホウ》を入手。
《虫針の矢 : 毒》を入手。
《虫針の矢 : 麻痺》を入手。
《虫針の矢 : 酸》を入手。
《魔物の卵 (未鑑定)》を入手。
《契約の結晶 (ジャイアントアント)》を入手。
《契約の結晶 (ヒールアント)》を入手。
《契約の結晶 (ハニーアント)》を入手。
《契約の結晶 (ジェネラルアント)》を入手。
《契約の結晶 (クイーンアント)》を入手。
他各種アリ素材を大量入手。
土の塔を倒壊させ、アントたちを撃滅して、残ったクイーンも倒し、土の塔の残骸を確認してアントの幼体や卵も残さず仕留めたあと、アントたちに運ばれてきた犠牲者……ほとんどが別の魔物……のごく一部に、まだ生きている人を見つけた。
……人というか、なんか、ドワーフ?
背が低くて横幅が広くて前後もぶ厚くて樽みたいなお腹周りにヒゲもじゃ姿。
その動けなくなって《ネスト》へ運ばれていたヒゲもじゃを助けて、状態異常を解除してあげると、即座に大音量の罵声が飛んできた。
要約すると、
「エルフに助けられるくらいなら、死んだ方がマシだった」
だそう。
トールくんとリンドくんは、苦笑している。
これだとたぶん、《街》にもドワーフがいて、普段からこんな感じでエルフを毛嫌いしている人たちなんだろう。
……ただ、《街》のことにもドワーフのことにも詳しくない僕とミナトとステラは、ドワーフのことを、
『命を助けたにも関わらず、礼も言わずに罵声を浴びせてくる信じられないほど失礼なヤツら』
という認識になっていた。
恩を着せるつもりはないけれど、本当に、コレはなんなんだろう?
「……じゃ、《ネスト》も潰したし、今日はもう疲れたから帰ろっか。……ぐれ太ー。帰るよー」
目の前の、騒音を発する樽は放置して、《拠点》に帰ることに。
なんか、騒音樽が信じられないものを見た表情になっているのだけれど。
でも、僕らからすれば、この騒音樽の方が信じられないよ。
鉄のケージにステラとリンドくんが乗り込んだのを見て、僕とミナトもぐれ太に乗り込む。
トールくんだけは、最後まで樽をなだめようと声をかけていたけれど、
「……きみは、命の恩人にまで汚い言葉を掛けるのか。恥を知れ」
……ぅわ、ビクッてなった。
※ワールドパラメーター(非公開)
・ドワーフ → 人間 への好感度 + 1、エルフ への好感度 + 1。
・人間 → ドワーフへの好感度 - 6。
・エルフ → ドワーフへの好感度 - 1。
あまりに失礼な樽のせいでむしゃくしゃしていたけれど、ぐれ太に乗って空を飛んでいるとある程度は落ち着いてくるもので。
結局あの樽はどうするんだろう? と気になってしまう。
『気にすることはない。あの《鉱山》の一部がドワーフの領域だ。あれだけ元気なら歩いて帰れるだろ』
むしろ僕よりも不機嫌そうなヤタが、突き放すように言う。
「ドワーフは頑丈なのが取り柄だからね。2、3日でたどり着く距離なら、本当に歩いて帰るよ。……あの場で餓死したくないのなら、ね」
……ぅわ、ゾクッてなったよ……。
僕の前に乗ってるミナトも、ぷるぷる震えてるし。
よーしよしよし。
枯れ木とか軟弱とか言われてた、ステラやリンドくんは大丈夫かな……?
「ミコト」
あや? ステラの声が聞こえるね?
「なーにー? ステラー?」
「リンド兄さんと少し話したのだけれど」
「うん」
「エルフとドワーフは、根本的な問題として、本質が違うのだと教わって育った」
「うん? うん」
「エルフの本質は、木。細身で感情の起伏に乏しく、力は弱いが魔法関係が強い。肉食は苦手とするが、木工や革加工、植物の育成管理を得意とする」
「うん、うん」
「ドワーフの本質は、火と鉄。声が大きく手足が太く体は頑丈で火に強い。酒と金属を愛し、力が強く魔法は苦手だが金属の加工に長ける」
「うん」
「鉄は木を伐り倒し、火は森を焼き払う。本能的に、どうしても反目してしまうものだと」
「うーん……」
「《街》にいるドワーフは、基本的に誰に対しても似たような態度で、エルフだからと頑なな態度になることはないと」
「ふーん? そうなんだ?」
「ああ。なにも知らないのに決めつけるのは、愚かなことだと知った。そして、体験した。ドワーフは、本音を言えずに反発した物言いになってしまうものなのだと」
「……あれは、素だと思うんだけど……」
「だから、というか、なんというか。いずれはドワーフの里に行ってみたいと思った。……いずれは、な」
「うーん……」
リンドくんになに言われたかは分からないけれど、僕としては行きたくないなあ。
なんか、すっごいうるさそうだし。
『ドワーフは声がでかくてやかましいぞ。それだけでも、正直オレは行きたくないんだが』
ほらー。ヤタもこういってるし。