第百三十九話:深夜に
深夜に目を覚ます。
子どもたちも大人も、みんな静かに眠っているのを確認してから、以前ミコトが少しだけ使った作業部屋にこもる。
本当にもう。
子どもたちのことを優先してしまうミコトに、ため息が漏れてしまう。
それでいて、自身も微笑んでいることを自覚する。
ミコトはすごい。子どもたちとあっという間に仲良くなってしまった。
それは、《街》の孤児院に案内したトールのおかげかもしれないけれど。
その孤児たちのために即行動したのは、紛れもなくミコトの意思だ。
……『外』の人に対して、表面上は笑顔を貼り付けてはいたけれど、内心では恐れを抱いていた《私》とは、全然違う。
……ミコトは、本当に《私》の影響を受けているのかな?
ミコトはもう、《私》の助けなんてなくてもいいとは思うけれど。
……今回目を覚ましたのは、今のうちにやっておかなきゃいけないことが残っているからなのね。
・契約しました。
・ラクシャーサ × 1
・オニ × 2
・オーガ × 4
・甜災大根ヤクシャ × 3
・大根ヤクシャ × 9
ミコトたちが以前に倒したゴブリン上位種の骨や皮を、虹色に煌めく黄金の竈《万能錬金炉》に放り込む。
『スキル《生産》』
・ゴブリン上位種の骨 × 10=オーガの骨 × 1
・ゴブリン上位種の皮 × 10=オーガの皮 × 1
・ゴブリン上位種の角 × 10=オーガの角 × 1
・ゴブリン上位種の内臓 × 10=オーガの内臓 × 1
・オーガの骨 × 2=鬼の骨 × 1
・オーガの皮 × 2=鬼の皮 × 1
・オーガの角 × 2=鬼の角 × 1
・オーガの内臓 × 4=鬼の血 × 1
『……ふう……。せっかく良いものをもらったのだから、ミコトも活用すれば良いのに』
スキル《生産》と錬金壺ばかり使っている気がする。それも、料理に関してばかり。
みんなが喜ぶことをしているのだから、誰も注意することなんかできないんだろうけれどね。
『…………また、お前か』
このミコトの相棒の妖精さんみたいに。
『こんばんは。妖精さん』
なんだかんだいって、結構心配性な妖精さんは、《私》が出てくるとすぐに様子を見にきてくれるね。
本当にミコトは大事にされている。
『大丈夫。ミコトに負担はかけないから。明日に疲れは残さないよ』
『……そこは、心配していない』
言葉とは裏腹に、ムスッとした感じの妖精さんに、首をかしげる。
『……うーん? ミコトが心配だから来たんじゃないの?』
『…………心配なのはむしろ……いや、いい』
もしかしてこの子、《私》を心配しているのかしら?
本当に優しい妖精さんね。
それはそうと、あまり時間をかけるとミコトの負担になってしまうから、続きをやらないと。
『スキル《生産》』
・鬼の骨 × 4=ラクシャーサの骨 × 1
・鬼の皮 × 4=ラクシャーサの皮 × 1
・鬼の角 × 4=ラクシャーサの角 × 1
・鬼の血 × 4=ラクシャーサの血 × 1
・小鬼の甲冑=ゴブリンの皮 × 4 + ゴブリンの骨 × 4 + ゴブリンの血 × 4
・鬼の甲冑=オーガの皮 × 3 + オーガの骨 × 3 + オーガの血 × 3
・鬼武者の甲冑=鬼の皮 × 2 + 鬼の角 × 2 + 鬼の角 × 2 + 鬼の血 × 2 + 鋼インゴット × 4
・レシピが解放されました。
・鬼の手甲
・鬼の脚甲
・鬼の兜
・鬼武者の手甲
・鬼武者の脚甲
・鬼武者の兜
『あら? ……後でこれも作りましょうか。スキル《生産》』
・妖刀 : 鬼切 = 鬼の蛮刀 × 10 + ヤクシャの剣鉈 × 4 + 鬼の角 × 10 + 鬼の骨 × 10 + 鬼の血 × 10 + ミスリルインゴット × 4
・鬼神刀 : 夜叉 = ヤクシャの大鉈 × 4 + ヤクシャの剣鉈 × 4 + ラクシャーサの角 × 4 + ラクシャーサの血 × 4 + ミスリルインゴット × 4
・鎧具足 : 天駆 = 鬼武者の甲冑 × 4 + ラクシャーサの皮 × 6 + ラクシャーサの骨 × 6 + ラクシャーサの角 × 6 + ミスリルインゴット × 4
・鬼の手甲=オーガの皮×2+オーガの骨×2+オーガの血×1
・鬼の脚甲=オーガの皮×2+オーガの骨×2+オーガの血×2
・鬼の兜=オーガの皮×1+オーガの骨×1+オーガの角×2+オーガの血×1
・鬼武者の手甲=鬼の皮×2+鬼の骨×2+鬼の血×2+鉄インゴット×2
・鬼武者の脚甲=鬼の皮×2+鬼の骨×2+鬼の血×2+鉄インゴット×4
・鬼武者の兜=鬼の皮×1+鬼の骨×2+鬼の角×2+鬼の血×2+鋼インゴット×2
『…………ふぅ…………』
『もう十分だろう。休め』
今できることが大体終わったところで、ヤタから声がかけられる。
だいぶMPを使ってしまったので、これ以上は明日に疲れが残ってしまうだろうから、切り上げよう。
『じゃあ、お休み。妖精さん』
『…………おう』
このぶっきらぼうだけど優しい妖精さんのことが、トールやミナトのように愛おしく思う。
満足感を胸に、ミコトの部屋で眠りについた。
・リザルト
・契約しました。
・ラクシャーサ × 1
・オニ × 2
・オーガ × 4
・甜災大根ヤクシャ × 3
・大根ヤクシャ × 9
ラクシャーサ (鬼一)
妖刀 : 鬼切、鬼神刀 : 夜叉、鎧具足 : 天駆を装備。
オニ (次郎、三郎)
ヤクシャの大鉈、ヤクシャの剣鉈、鬼武者の甲冑、鬼武者の手甲、鬼武者の脚甲、鬼武者の兜を装備。
オーガ (一太郎、二太郎、三太郎、四太郎)
鬼の金棒、鬼の甲冑、鬼の手甲、鬼の脚甲、鬼の兜を装備。