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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
2 第二次βテスト
132/186

第百三十二話:十七日目

 日が出る前の薄暗い時間に目を覚ます。


 ベッドが全然足りないので、広めの部屋に男女で分かれて、毛布を敷いた上で雑魚寝という、よくない環境のためか、ちょっと体が痛い。


 せめて、人数分のお布団があればなーと思いつつ、冬場の寒さをこれまではどう(しの)いできたのだろうと思いを()せる。


 まだ薄暗い部屋の中でできるだけ音を出さないように立ち上がって伸びをする。


 ……あ、ちょっと体のどこかがバキッて鳴ったけれど……。


 ふと、まだ夢の世界にいるちびっこたちを見てみると、引っ付かれているレトリーバー似のコボルトのメグが片目だけ開けて僕を見た。


 さすがに、ちょっと迷惑そう。


(ごめんね、もうちょっと我慢できる?)


 子どもたちを起こさないように小さな声でそう問えば、


(平気ですワン)


 しっぽ振って見せてる様子から、強がりとか仕方なくとかではなさそう。

 メグも子どもたちのことは好きみたいだし。


 じゃあ、みんなが起きる前に朝ご飯を作ろう。



 (かまど)に火をくべて火力を調節するのはまだ慣れないけれど、まずはパンを焼こうか。


 小麦粉と砂糖と塩と、水の代わりの薬草牛乳と、その薬草牛乳からスキル《生産》で作ったバター、イースト菌代わりのちぎって取り分けておいた発酵生地。


 それらをまぜまぜしてこねこねして……の行程は、スキルで時短。あっという間に生地の完成。


 生地を、またスキルで発酵の行程を一瞬で完了。

 焼く前の生地からまた少しちぎってアイテムボックスへ取り分けておく。


 ここにオーブンというものはないので、アイテムボックス内で鉄インゴットをフライパンに……丸い普通のやつじゃなくて、大きく四角くして高さもつけて、食パンを焼くフライパンにしよう。

 生地を入れたら弱火の位置にセット。焼き加減には気を配らないとね。


 次は野菜スープにしようか。

 じゃあ野菜を切ろう、というところで、厨房に誰か入ってきた。


「あら、ミコトさん、おはよう。ずいぶん早起きなのね」


「うん、ライラさん、おはよう。なんだか今日は、いつもより早く目が覚めちゃって」


 申し訳なさそうな顔をしているライラさんが、野菜スープを手伝ってくれたので、あっという間にスープが完成しちゃった。


 料理スキルがあると、野菜を切ったり皮をむいたりといった行動速度に補正がかかるみたいで、トントントン、じゃなく、トトトトトって感じで、すごく速くて正確な包丁(さば)きで驚いちゃったよ。


 あ、パンはどうなったかな? ……ん~、まだもうちょっと。

 なら次は、朝のメインのオーク肉。これをライラさんに薄切りにしてもらって、お味噌をお酒とみりんで溶いてお肉を漬け込んじゃおう。


 漬け込んでる時間で、パンを仕上げようか。

 上手に焼き上がったのを確認して、フライパンからまな板へ。

 焼き上がった四角いパンを見て、ライラさん驚いちゃってる。

 こっちのパンって、丸いもんね。


 両端を切り落とすと、真っ白でふわふわな中身が見える。

 うーん、いい匂い。

 ライラさんも興味津々なので、切り落とした両端をちょこっとちぎって熱々を味見。

 うん、これだけでもじゅうぶん美味しい。


 でも、今回はもっと贅沢にいこうか。


 食パンを均等な厚さにスライスして、普通のフライパンでふたをして焼きます。

 焼き色が着いちゃう前にひっくり返して、薬草ミルクのバターを上に乗せて溶かします。

 バターが溶けて全体に広がったら、はちみつをとろーり♪ ケチらないでたっぷり贅沢にかけちゃいます♪

 お皿に乗せたら完成。牛乳パンのハニーバタートーストできあがり♪

 冷めないようにすぐにアイテムボックスへ。


 子どもたち、人数たくさんいるからね。

 じゃんじゃん焼かないと全然足りないし、食パンもスキルで複製しようかな? 食いしん坊たちは1枚じゃ足りないだろうし、どうせなら、一気に何枚も焼けるトースターがオーブンが欲しい…………って、あれ?



 ・上質なはちみつ

 ・上質な薬草ミルク

 ・上質な薬草バター

 ・上質な牛乳食パン +2

 ・上質なハニーバタートースト +3



 ……上質な、料理?



「ミコトさん、漬け込んだお肉をそろそろ焼いてもいいかしら?」


「あ、うん。ライラさん、お願いね。焼いたら冷めないようにアイテムボックスに入れておいて、食べるときに出そう」


 なんか気になるのを見たけれど、パンもお肉もどんどん焼く方が先だよ。

 みんな喜んでくれるかなあ?




 ※上質な食材と良質な調理器具、高い料理技術が揃うと、上質な料理が完成する。

 食材はすべて上質でなくとも上質な料理ができあがる可能性はあるが、+効果が少なくなる。

 逆に、より多くの食材が上質なら、+効果が多くなることもある。

 その場合は、より高い料理技術が必要になる



 ・上質なはちみつ : スタミナ自動回復


 ・上質な薬草ミルク : HP自動回復


 ・上質な薬草バター : 一時的に最大HP上昇


 ・上質な牛乳食パン +2 : HP自動回復、一時的に最大HP上昇、スタミナ(満腹度)減少速度低下。


 ・上質なハニーバタートースト +3 : HP自動回復、一時的に最大HP上昇、スタミナ自動回復、スタミナ(満腹度)減少速度低下。




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― 新着の感想 ―
[一言] 遂にこちらでも飯テロを( ˘ω˘ )
[一言]  なんか妙な回復アイテムができてますけど…(^^;)
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