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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー1 第一次βテスト
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第十二話:生産を体験しよう。

 初日からガーデニングとか……。


 楽しかったよ?

 名前は草でも、花もたくさんあって、花壇みたいなのが出来たんだ。


《付与・攻撃、速度、体力、活力》を掛ける。

《付与・攻撃》は力も上がるし、《付与・速度》は野菜切る速さが増すし、《付与・体力》で疲れないし、《付与・活力》で体力が回復するので、たくさん作っても大丈夫。


 さあ、やるぞー。


 うどん玉はいい感じになっていたので、延ばして切って茹でればうどんの完成。太さも長さもまちまちだけど、自分達で食べるからいいのさ。


 キャベツ(みたいな葉物野菜)やニンジン(モドキ)やパプリカ(みたいな野菜)とハムを刻み、フライパンで先に炒めて野菜に火を通してから、うどんを絡める。

 仕上げに塩を振って、野菜を一つぱくり。

 うん、火も通っているし、味付けも上々。

 焼きうどんの完成だ。


『……なあ、ミコト? オレは夢でも見ているのか? 開始から完成まで、10分もかかってないんだが……?』


 ……うん、付与魔法って、お湯が沸く時間や野菜に火が通る時間を縮めてくれるのかな?

 夢中でやってたから時間の感覚はなかったけど、ヤタが言うのはあり得ないほど短い時間。


 普通は10分じゃお湯も沸かないよ?




『ふー、ごちそうさん。美味かったぜ』


「うん、お粗末さまでした」


 先に食べ終えた僕は、たくさん作って残った焼きうどんを一人前に小分けしてアイテムボックスに収納する作業。

 さすがにヤタも、1キロを超すうどんと大量の野菜を食べきることは出来なかった。

 今は、ぽっこり膨らんだお腹をさすって満足そうな顔。

 ……うん、僕の倍は食べたんだけどね。

 ほんと、何処に入っているのかな?


 洗い物はヤタがしてくれるそう。

 なので、ヤタの指定した部屋に移動して、薬草類を出して仕分け。


 食休みをしたら、《ナオリ草》からポーションを作るのだという。


 名前のある草木は何かしらの素材になるというので、露骨に毒っぽいのも含めて出して分けておく。


 ……花粉や臭いなどが素材になるものを除いて。



『おし、準備はいいみたいだな』


 草を種類ごとに分け終えると同時にヤタがやってくる。

 ぽっこりと膨らんだお腹は、もとに戻っていた。

 ……ほんと、どういう仕組みになってるんだろ?


『さてお立ち会い。ここに取り出したるは、《万能錬金炉》。最上級のアイテム生産設備だ』


 ヤタがどこかに手を突っ込んで、なにかを取り出す。

 水の中に手を入れているように空中に波紋が広がり、腕が半分見えなくなってる。

 ……アイテムボックスって、他人が使うとああなるんだね。


 目の前に現れたのは、金色をベースに、虹色に煌めく(かまど)と、その上に乗っかる、同じ色をした大きな鍋。

 作りはシンプルでも、見た目はとってもゴージャス。……キラキラが目に痛いくらい。


「うーん? 最上級? 初級や低級とかじゃなくて?」


 僕が首をかしげると、ヤタはまたため息を吐く。


『……おう。当初の予定では、薬草類を採取した時点で《初級生産炉》が支給されて、生産も体験出来ることになっていたんだが……』


「実際に支給されたのは、その《万能錬金炉》だったの?」


『……おう。最上位の金属 《オリハルコン》で創られた竈と鍋。三次職の生産職でも創り出せない最上級の生産設備だ。これなら、素材とMPさえあればなんでも創れる。……ほんと、運営バカだろ』


 よく分からないけど、とても良いものをもらったのだということは何となく分かった。


 まあ、とにかくやってみようか。



・《ナオリ草》×37 と MP111 を消費して、《ポーション》×37 を生産。



『……うーん……運営がバカなのは確定だが、ミコトまでおかしいとは……』


 成功したのに、失礼だなぁ、もう。


「こらヤタ、明日のごはん、食べさせないよ?」


『待ってくれミコト! 普通は、生産スキルがないとほぼ確実に失敗するんだよ! それを、妖精がフォローする流れなんだ!』


 頬を膨らませて不満をアピールすれば、ヤタも慌てて言い訳する。ごはん抜きはよほど堪えたらしい。


『それとな、本来、生産にはMPを消費するんだが、お前の場合はMPの消費も少ない』


 そんなこと言われても、そうなんだ? としか言いようがないと思うけど?


『んー? あ、マジか……』


 ヤタがじーっと見つめてくるので、どうしたの?と問えば、ステータスを確認してみろ。と言われる。


 うーん?


○スキル:

 ・付与LV3

 ・回復LV2

 ・(みそぎ)LV1

 ・(たてまつ)るLV1

 ・神降ろしLV1

new:

 ・槍LV2

 ・弓LV2

 ・料理LV2

 ・採取LV1

 ・農業LV1

 ・生産LV1

 ・消費MP軽減LV1


○称号:

 ・鬼殺し

 ・亜人殺し



 ……なんか、たくさん増えてる……。


『当初の予定なら、一度生産に失敗して、妖精の助けを借りて生産を成功させ、スキル《生産》を得るって流れだったんだが……』


「ま、いいじゃない次をやろう……って、MPが少ないね……」


『一気にやる必要はない。今日はもう寝ようぜ』



 スキル《付与》と《回復》のレベルが上がったことで、使えるようになったスキルがある。

 スキル《洗浄》。

 今のところ、巫女服は一セットしかないので、一瞬で洗浄と乾燥が完了する《洗浄》は大変便利。

 アイテムボックスに入っている状態でもスキルを使うことが出来るので、湯船にゆっくりと浸かりながらスキルで装備の汚れを落としていく。


 装備の耐久力が気になったものの、《万能錬金炉》に放り込んでMPを注げば回復するとのこと。


 これも、《初級生産炉》ではMPを多く消費してしまうところ、《万能錬金炉》ではわずかで済むのだという。


 便利で助かるけれど、なんで運営から色々もらえるんだろうね?



 βテストの段階だからかな?

 サービスが過剰に感じるよ?

 まあ、とにかく、明日にしよう。

 おやすみ。


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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。 三分の一ほど拝読しました。 ミコト君(ちゃん?)とヤタのやりとりが可愛くて面白いですね。 二人がどんどん仲良くなっていく過程が見られて楽しいです。 やきうどんが非常に美味し…
[良い点] 運営の想定を超える存在になっている 主人公ですが、そんなことを気にもせずに、 始まりの冒険を手探りで、楽しんでいるのが、 なんだかおもしろいですね(笑) [一言] いまだかつて、ここまで…
2020/04/22 18:34 退会済み
管理
[良い点] 作品のスピード感を重視する自分とは違い、丁寧に書かれていて読みやすいです。 [一言] 続きを楽しみにしてますね。
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