第百十八話:剥ぎ取り実践
少々解体描写が入ります。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。
依頼に参加した若い冒険者たちと孤児院の子どもたち用に、アイテムボックスからオークを出して解体をお願いする。
そうしたら、トールくんが指導してくれるというから僕とミナトとステラも解体に挑戦してみることに。
「じゃあ、ミコト、ミナト、ステラ、おれたちもやってみようか」
「うん、とりあえず1体だけ出すね」
アイテムボックスから出したオークの首にフックを引っかける。
フックに繋がる鎖は、天井の方の滑車を通って下がってきてハンドルに繋がっていて、ハンドルを回すことで簡単に上げ下げができるみたい。
ミナトとステラがオークにフックを引っかけたのを確認してからハンドルを回すと、思いのほか軽く回ってオークを吊り上げることができた。
まずは、血抜き。
首を切るか手首足首を切り落とすか。
解体用じゃないけど飛竜のナイフでサクッと手首足首を落としちゃおう。
次は、オスのアレ、を。
玉だけ切り離して、中身を専用の保存液が入った容器に入れる。
この保存液は、錬金術師が作ったもので、それなりに値段がするみたいだけど、オークのアレは鮮度が重要だそうで。
…………うー、なんか、やだよぉ…………。
次は、腹を裂いて内臓を。
飛竜のナイフは切れ味が良すぎるので、抵抗なく切れてしまう。
皮と肉だけを切り内臓を傷つけないように取り出さないと、皮も肉もダメになってしまうというから、気を付けないとね。
あとは、皮を剥ぎ、肉を部位ごとに。
……ナイフの切れ味が良すぎて、何度か皮に穴を空けちゃったけれど、初挑戦にしてはまあまあじゃないかな?
「……ふぃー……。思ってた以上に大変なんだね。けっこう疲れちゃうよ」
「ミコト、お疲れさま。また依頼に参加した冒険者たちが来たから、ミコトはそちらの対応をお願いしていいかな?」
「うん、分かったよ」
自分で解体した分はそのままアイテムボックスへ。
さて、ほかの冒険者のところにいこうかな。と思ったところで、ミナトに声をかけられる。
「オレも解体してみたいから、出してくれるか?」
「私もやろう。ミコト、頼む」
ステラもやる気みたいだから、オーク2体追加っと。
「お姉ちゃん」
「次」
「「早く」」
お金が絡んでいるせいか、圧を感じる子どもたちに次のオークを出すと、数人で協力して手際よく解体していた。
「おおー。この子たちすごいね」
トールくんやギルド職員のダメスさんほどではないけれど、僕やミナトよりよほど早く丁寧に解体しているのを見て、驚きと感心で声が出てしまう。
「ミコトさん、こちらよろしいですか? 追加の冒険者です」
「はいはーい。今いきますっ!」
受付のお姉さんからお呼びだしがあったので、そちらに行こうとすると、
「お姉ちゃん」
「次」
「「早く」」
「…………あ、はい」
孤児院の子どもたちは、僕の想像以上にたくましかったようで。
おかわりを要求する子どもたちの据わった目が、ちょっと怖かったです。はい。
・リザルト
オークを22体解体。
○解体成功! 肉 × 18、皮 × 16
・オークの肉(全身) × 16
・オークの肉(大) × 8
・オークの皮(全身) × 14
・オークの皮(大) × 8
×解体失敗……。肉 × 4、皮 × 6
・生肉の切れ端 × 8
・汚れた生肉(大) × 4
・穴の空いた皮(全身) × 4
・穴だらけの皮 × 8
・納品
・オークの睾丸 × 22
・不要 (ミコトが回収)
・オークの骨(大) × 88
・オークの内臓 × 22