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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー1 第一次βテスト
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第十一話:草の種類はたくさんある

 素材がなければ生産もできない。

『さて、腹ごなしに、神殿周りの散歩でもしようぜー』


 自分の体より大きい平皿に山盛りになったチャーハンを凄まじい勢いで平らげたヤタは、なんだかとてもわざとらしいことを言い出した。


 外へ出て、少し移動。

 うーん。実に分かりやすく、わざとらしく、視線をある一点に固定している。

 そこに何かあるの?


《ナオリ草》:葉を傷口に張り付ければ傷が治りそう。乾燥させて粉末にすると、ポーションの材料になる。


 ……なにこれ? ダジャレ? つまり、これを採取すればいいの?


 何気なく手を伸ばして、ふと思う。


「ねぇヤタ、これ、どう採取すればいいの?」


『お、良くそこに気付いたな』


 ヤタが言うには、《ナオリ草》の周りの土ごと採取するのが一番良いそう。けれど、根っこが残っていれば、また生えてくるという。

 メインは葉で、茎も薬効が少し。根っこまであれば、葉だけと比べて効果が倍近いそう。

 しかし、根っこまで採ってしまえば、もう生えてこない。


 うーん。悩むなあ。


 ……で、悩んでいると変なものが目に入るわけで。


《イタ草》:葉に、長く鋭く固いトゲがたくさん生えている草。トゲが刺さると痛そう。

 トゲは乾燥すると細くなり、縫い針の代わりになる。葉や茎から出る汁は、神経を過敏にする。痛覚を過敏にさせ、拷問に使用されたり、感度を高める薬に使用されたりする。


《クダリ草》:煎じて粉薬にしたり、煮出して茶にして飲むと、お腹が下りそう。お通じをよくする薬として重宝される。


《ネムリ草》:早朝、葉に乗った朝露を集めて、乾燥させ粉にした根と混ぜると、無味無臭にして強力な睡眠薬になる。不眠症の改善に利用されるが、資格を持つ医者以外が扱うと、重罪に処される。


《コロビ草》:葉の先から出る甘い匂いを嗅ぐと、一時的に平衡感覚が失われて転びそうになる。葉の匂いの素を大量に集めて精製すると、強烈な眩暈、自立不能になり転倒、意識障害など、危険な症状が発生する。麻痺毒などと合わせて使用される。


《ナキ草》:花粉が目に入ると、しばらく涙が止まらなくなる。煙幕などに利用される。


《ハキ草》:葉を刺激すると、とても臭い汁を出す。臭いを嗅ぐと、吐きそうになる。

嗅覚に優れた獣系の魔物が嫌がる。


《ワライ草》:よく山菜に間違われて食べられる。ほどよい苦味とシャキシャキした食感が美味しいが、食べると笑いが止まらなくなりそう。毒性はない。


《ニガ草》:かなり苦い草。乾燥させて焼いて出た煙は、虫系の魔物が特に嫌がる。


《オコリ草》:見た目はクローバー。しかし、食べるとイライラが止まらなくなりそう。混乱、魅了等、精神系状態異常にかかりやすくなる。


《ヤリ草》:槍のようにまっすぐ生長する竹の一種。尖端は固く鋭く尖り、刺突槍のように扱うことが出来る。さらに生長すると、尖端が膨れて白い液体が溜まる。白い液体は、ある薬剤に使用される。


死呪苦水仙(しずくすいせん)》:水仙の一種。花の中に溜まった蜜は甘いが、強い毒を持つ。月光を浴び続けた花に溜まった毒蜜を特定の条件で取り出せば、呪術の素材になる。


《笑いカボチャの若芽》:生長し実が成ると、ケタケタ笑うカボチャになる。とても栄養があり美味しいが、ヘタの部分に火を付けると、爆裂し、鉄の盾も貫く非常に固い種を周囲に撒き散らす。食用として、長く保存できる。


《マンドラゴラモドキ》:植物系モンスター《マンドラゴラ》によく似た葉を持つニンジン。効能はない。生で食べると独特の臭みやエグ味があるが、熱するとほのかな甘味に変わる。食用として、長く保存できる。




 ……ヤバい草ばっかりじゃん!!




 危険物は焼却しないと!

 そう思ったけど……。


「うーん、ねぇヤタ? この草とかって、植え替え出来るの? えーと、例えば、鉢植えとか」


『うん、よく気付いたな。この世界の住民は、《ナオリ草》を見つけたら、まずは根っこごと採取して、群生地に移して管理する。そうして、ポーションを安定して生産するわけだ』


 へぇー。よく考えられているんだね。

 危険な草を意図的に視界から外して、《ナオリ草》だけを見る。

 なら、この《ナオリ草》も、根っこごと集めれば群生地が作れるのかな?

 なら……。


「ヤタ、ゴブリンとコボルトが落とした鉄製品から……ううん、ワイバーンの骨からスコップを作って」


 ぶぶっと、ヤタが吹いた。汚ないなぁ。


『ちょ、おま、なんてもったいない使い方するんだよ?』


「え? 駄目なの? 鉄よりは強いだろうし、たくさんあるからいいじゃん」


 僕が素材を出せば、ヤタは『しょうがねーなー』とか言いながら、白い骨を白いスコップへと変えていった。4本ほど。

 あと、爪や牙から、採取ナイフや包丁を。


 さっそく出来上がったスコップ等に、付与を掛けて《ナオリ草》を採取……って、このスコップすごい。草がみっしり生えた地面に、まるで豆腐に刺してるみたいに刺さっていくよ。


《ナオリ草》を無事採取。けれど、そこでまた悩む。

 他のいろんな草、どうしよっかな……?

 うーんと少し悩んで、よし決めた。


『《付与・攻撃、速度、体力、活力》それじゃ、いくよ!』


 付与・攻撃は力も上がるみたい。スコップが扱いやすくなる。速度と体力を上げて、付与・活力で体力が少しずつ回復するようにすれば、サクサクとかなりの速度で穴を掘れる。そして、目に映る、効能のある草や野菜なんかを、手当たり次第に掘ってはアイテムボックスへと収納していく。


『お前ぇ…………』


 ヤタが呆れているようだけど、いいじゃないの。

 植え替えが終わったら、ポーションたくさん作るんだからね?

 ……あ、でも、《ナオリ草》とか、足りるかな……?



・リザルト

 ワイバーンの骨×4を消費して、飛竜骨のスコップ×4を生産。

 ワイバーンの牙(小)×4を消費して、飛竜牙の採取ナイフ×4を生産。

 ワイバーンの牙(小)×4を消費して、飛竜牙の小包丁×4を生産。

 ワイバーンの爪×4を消費して、飛竜爪のナイフ×4を生産。

 ワイバーンの爪×4を消費して、飛竜爪の大包丁×4を生産。

 ワイバーンの鱗×8を消費して、飛竜鱗のシャベル×4を生産。

・残り

 ワイバーンの魔石×5

 ワイバーンの骨(全身)×1

 ワイバーンの頭蓋骨×4

 ワイバーンの骨×26 → 22

 ワイバーンの尾骨×4

 ワイバーンの牙(大)×16

 ワイバーンの牙(小)×68 → 60

 ワイバーンの爪×58 → 50

 ワイバーンの翼(両翼)×1

 ワイバーンの翼(片翼)×8

 ワイバーンの皮(全身)×1

 ワイバーンの皮(大)×4

 ワイバーンの皮(小)×30

 ワイバーンの鱗(全身)×1

 ワイバーンの鱗×368 → 360

 ワイバーンの肉(全身)×1

 ワイバーンの肉(大)×40

 ワイバーンの内臓×40

 契約の結晶 (ワイバーン)×1

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― 新着の感想 ―
[良い点] 草の名前っ (*^m^)o==3 大変かもしれないけど、考えるの楽しそう(^^♪ ナオリ草たりなさ草……m9(^Д^)プギャー [一言] 楽しませてもらいましたよ。 《笑いカボチャの若芽…
[一言] 草の名前がわかりやすいですねw >《ヤリ草》:槍のようにまっすぐ生長する竹の一種。尖端は固く鋭く尖り、刺突槍のように扱うことが出来る。さらに生長すると、尖端が膨れて白い液体が溜まる。白い液…
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