お裾分けに小話。フィギュアに魂は宿るのか?
ネタの様な実話が起こったので。
お見舞い来た友人から、数本のDVDを貰いました。
まぁあ、私も男ですのでワクテカな訳です。
野郎からDVDを貰う=夜のお楽しみフィーバーなDVDを連想しますよね?
まぁ、マイサンは現在お休み中でオッキし難い訳ですが、それはそれです。
就寝時間以降にこっそりと楽しむのは紳士の嗜み。
病室の病人仲間と、音量はどうのこうの等々、不真面目な事を真面目に協議しました。
還暦過ぎたオッサンばかりですが、皆気持ちは若いですね~。
ぶっちゃけ十代に戻った気分でした。
『心配するなカムフラージュは完璧だ』
と友人は良い笑顔でお墨付き。
………病人の書く事じゃないな。
まぁ、そんな訳で夜中に我がベッドに野郎が集合。
いざ、フィーバータイム!と意気込んで再生ボタンをポチっと。
アレ、映倫がない?………もしかしてアレか!?(アレとは何を指しているのは察して下さい)
もうテンションが爆上がり!
アレ見慣れたロゴが………。
イヤイヤ、カムフラージュだ!
アレアレ?
『呪いのホニャララ総集編』
もうね。殺そうかと思いましたよ。
カムフラージュを信じて、全編観ましたよ。
期待するでしょ?
が、全編に渡って投稿系の心霊ドキュメントでした。
御丁寧に病院関係の奴を集めた総集編。
他のDVDも散々で、ホスピタルとか呪怨とかホラーばかり、無駄にバラエティーに富んでいました。
この恨みどうしましょ?
野郎が夜中にコソコソ集まり、ある意味心霊の聖地である病院で、わざわざ心霊系のDVDを観る。
絵面的にもシュールだ。
取り敢えず、退院したら殴るかと軽く殺意が芽生えましたよ。
が、話しはそれでは終わりません。
又、ホラーだろ?と思いDVDをセット。
この時既に、みんな気持ちを切り替えて、映画鑑賞気分でした。
『これはフェイクだ』と言いながら、なんやかんやと楽しんでいました。
しかし奴は、最後の最後に核地雷を置いていました。
折しも夜中の丑三つ時。
これで最後ね。と再生ボタンをポチっとしました。
確かにエロ系でした。間違ってはいない。
ガチムチマッチョの野郎同士が、お突き合いしてなければね!
一気に引かれました。物理的にも精神的にも距離を置かれましたよ!
この空気どうするべきか?
いや、夜中に病人四人が集まり、ガチヤオイ物(実写)を鑑賞する。
キモいわ!
退院したら物理的に取り敢えずシメるべきか?
それとも、奴の嫁さん宛に某ジャングルの段ボールで梱包して贈るべきか?
とベッドの上で考えています。
さてさて、こんな私事があったので、少し嫌が……じゃなくて素朴な疑問。
ホラーの定番は数あれど『人形』は鉄板中の鉄板ですね。
髪の伸びる人形から三本足のリカちゃんまで、オカルト話には事欠きません。
特に、市松人形やコケシを代表する日本人形の来歴は、嘘か真実か怖い逸話が付随します。
例えば、コケシは『子消し』とされ、口減らしに殺した赤子を模したとか。
まぁ様々です。
又、人形を媒介とした呪術や儀式も数多くあります。
丑の刻参りは藁人形を使用しますし。
雛祭りの原型は多種ありますが、その目的は『雛人形に厄を移して無病息災を願う』事です。
最近の定番は『一つかくれんぼ』ですが、これも儀式として成立します。
この様に、人形の話しは事欠きませんし、世界的にみても人形とはオカルト鉄板な訳です。
映画『チャイルドプレイ』なんてのは、その恐怖を表現した作品ですね。
さて、そこに疑問に思ったのは、フィギュアは大丈夫なのでしょうか?
キャラクターを模しアイデンティティーを与えているとは言え、人形は人形です。
人の形をした空っぽな虚ろな存在です。
そこに『○○○は俺の嫁!』『○○○は私の旦那!』と、その人形に凄い執着を持つ人もいる訳です。
人が愛情を注ぎ執着した人形には、魂が宿ると聞いた事があります。
今の世の中は無数のキャラクターが存在し、フィギュアとして二次元から飛び出しています。
人の心も移ろい易い物で、一時の執着を持っていても薄れる事もあるでしょう。
又、同じキャラクターでも、日進月歩の勢いで、日々精巧に作られています。
ですから、よりリアルな物に買い換える方もいるでしょう。
さて、その忘れられた或いは、廃棄物されたフィギュアは、どうなんでしょうね?
人の型をした虚ろな存在。
魂を持たない入れ物の様な存在。
そこに一時とは言え、伴侶として愛情を注ぎ執着し、そして忘れられたら?
もしかしたら………ねぇ?
まぁ、恐怖のお裾分けです。