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武器を求めて~類は変態を呼ぶ?


駄文に御付き合い頂き、本当にありがとうございます。





――――ハイネ王都/学術学園/実験区画/ローズとマーガレットの工房




「これで完成だね。いい出来だと思うよ。」


「ラッセルちゃんに、ご・う・か・く頂いちゃいました~♪」



嬉しそうなマーガレットには悪いけど、更に高みへの挑戦をして貰う為に発破をかけるか。



「それでさ、マーガレットにはこの靴と同等か、それ以上の物を開発し続けて欲しいんだ。」

「あら、これじゃいけないのかしら?」


「これは十分に素晴らしい物だよ。」


「じゃあどういう事?」



不思議そうにこちらを見るマーガレット。



「性能は良いんだけど、一種類じゃ個性が無いでしょ。だから色遣いや形が違う物を作って幅広い好みに対応出来る様にした方が良いと思うんだよね。それと素材の軽量化は更に追求してもらいたいし、職業選手になる人達の我儘を存分に聞いて専用モデルの制作なんてのも良いよね。それに伴ってローズや服飾専攻の学生、商人との連携も大事になって来るし……マーガレット、君は今こそ羽ばたく時なんだよ。」


「な、な、なんということなの!まさにそれこそ研究者の喜び!わかったわラッセルちゃん!私、飛びますっ!」



そう言ってマーガレットは工房から飛び出して行った。

彼には頑張って欲しい。



「ラッセルちゃん、私のハートは熱くしてくれないのかしら~♪」


「ローズも試合用のユニフォーム以外で、練習着に使う収縮素材の開発やデザインは相当頑張ってもらわないとね。」


「じゃあ私も飛び立ってみよ――――」


「ちょ~っと待って、ローズ!今日はローズに紹介してもらいたい人材がいるんだ。」

「あら、結婚早々浮気?」


「まさか。そういう事じゃ無くて武器とか兵器とか……要は危ない物研究してる人って実験施設にいないかな?」


「ぶっぱなしちゃうの~♪ナニをぶっぱなしちゃうわけ~♪」


「いやいや、仕事で森に入るから獣対策にと思ってね。僕はまだ子供だから、攻撃力が高くて僕でも扱えそうな物を作ろうと思ってるんだよ。」


「そういう事ね~。確かにラッセルちゃんはまだお初なお年頃だものね~♪」


「それは関係ないでしょ。」

「いいわ♪ちょっと逝っちゃてる奴だけど、とんでもなくぶっといもの作る変態を紹介してあげる♪」



「変態前提かよ。」

「ウフフ♪」





――――実験区画/倉庫街/危険物取扱地区




ぶっといものが何なのかは解らないし解りたくも無いんだけど……自信満々のローズに連れられて、実験区画でも危険物取扱の看板が立ち並ぶ倉庫街へと案内された。



「じゃあ入りましょっか♪」



喫茶店にでも入る様に倉庫正面から入って行くローズ。

壁とか壊れてんすけど。



「ソフィア~♪」



「誰~。」


「ローズよ~、ちょっといいかしら~ん♪」



倉庫内には大きな木箱が所狭しと並べ積まれている。


その隙間を素早くすり抜けて俺達の前に現われたのは、小さな女の子だった。



「久しぶりだねローズ。てか、横の子はだれ?」


「お久ね♪紹介するわ、こちらは私の兄弟でラッセル・ウィリアムズちゃんよ♪」


「全く兄弟ではありませんが、宜しくお願いします。」


「ほう、君が噂のラッセルか。初めまして、私はソフィア・フェイマス・グラリウス。君と同じ5歳だよ、宜しく。」



桃色の髪はフワフワロングで綺麗な青い瞳、将来美人さんになるな。

サイズの合った白衣の下は、お洒落な黒のニットワンピ。

背は俺と変わらない100cmちょっとかな?。


もちろん、つるペタさんだ♪



「私を見つめるその視線!中々に厭らしいねラッセル君は。」


「すみません!同じ年だと聞いて驚いていたんです。」


「そうだろうね~。外を歩くと年齢に関係なく男共は私を視姦してくるから慣れたものさ。この間なんかは学園長に呼ばれて久しぶりに寮に行ったら、知らない5歳の男の子に『金貨5枚でどう?』て言われたわ。」


「ラッセルちゃん!それはホントなの?!」

「俺じゃないし!視姦なんてしてないよ!話が飛躍しすぎだよ!そこまで厭らしい目で見てないでしょ!」


「おいおいラッセル君、そこまで必死で否定されたら、本当に私にツッコンでる妄想でもしてた様じゃないか♪ア~ハッハッハ~♪パンツ見る?」

「見ねーわっ!」



どうやら俺は、ソフィアにおちょくられている様だ。

卑猥なボケに突っ込まされた。


あ、そっちのツッコむじゃないよ。



「こうしてわざわざ呼んでも無いのに来てくれたんだ、君達の話を聞こうじゃないか。紅茶でいいかい?それとラッセル君には私の脱ぎたてパンティを進呈しよう♪」

「要りませんから。」

「好きなだけクンクンしながら練乳をぶっかけて楽しむが良いさ!」

「しませんから!」

「面白くない奴だ♪」

「それで結構です。」

「では、少し狭いが我が研究所に案内しよう!ついて来い変態共♪」



完全にソフィアのペースに乗らされつつ、狭い木箱の迷路を彼女の案内で進んで行く。





倉庫二階に通じる階段を上り、案内された扉の先は普通に実験室だった。


試験管やビーカー等の実験道具が所狭しと並び、黒板には良く解らない数式や図形が書かれている。

6人程の助手を雇っている様で、実験器具をシンクで洗っていたり、棚の薬品を片付けている人達がこちらに笑顔で挨拶をくれる。


そんな助手さん達に会釈をしながら、実験室の置くへ進むとソフィアの私室に辿り着いた。



「まあ、掛けてくれ。」



ソフィアに言われるまま部屋の中央に置かれた応接セットのソファに座る。

勿論、窓から離れた位置だ。


意外と世話焼きなのか、俺とローズに紅茶の入ったカップを配り終えたソフィアは、向かいのソファに腰を降ろした。



「それで、ラッセル君は私のパンティに用事が無いのに何故ここに?」



まだ引っ張るのかそれ。



「実は、仕事で辺境や獣の生息地へ行く事になりまして、僕でも使える飛び道具は無いかと専門家の方を探しているんです。それでローズに聞いたらソフィアさんをという事でこちらへ。」


「ラッセルちゃんは私達姉妹の大切な友人なのよ~。ソフィアちゃん、力になってくれないかしらん?」


「飛び道具か~。確かにコレクションはしているが、その中で今の私に扱える物は一つも無い。」


「それは武器が大きいだからですか?」


「勿論、それも要因の一つではある。しかしラッセル君も私と同じ5歳の男の子だ。例えばボウガンで言えば、私達が扱うには重量があるから的を狙ったままの静止が難しいし、ある程度の反動もあるから動く相手に当たりはしないだろね。そもそも矢の装填に時間も掛るし、撃つのも一発だけという訳にもいかないだろうから、少なくとも十数本は矢を持ち歩かないと行けない。僻地や辺境に行くというのに、使いこなせない重い武器と矢の予備を持ち、尚且つ防具を着てそんな所を移動できる幼児はいないと思うよ。」


「では過去の転生者が使っていたという小型の火器等はありますか?」


「ラッセル君が言ってるのは銃の事かな?確かに小さな物もあるにはあるが、オススメはしないね。」


「何故ですか?」


「先ず、私達が扱える程度の銃では弾丸の口径も小さくなるから殺傷能力も低くなるし、熊なんかの大型獣には歯が立たないから牽制にすらないだろうね。火薬の量を調整すれば威力は上がるが、そんな物を撃ったら私やラッセル君は射撃反動で後ろに吹っ飛ばされてしまうよ。それに、アレ等は精密に作られているから日頃の整備が大変だ。砂埃にも湿気にも弱い上に、整備を怠れば弾詰まりや暴発の危険もある。毎日面倒な整備をしてまで牽制にもならない物を持って行く意味は無いと思うよ。」


「確かにそうですね……。」



ソフィアの言い分は正しい。

暗に小説や漫画で拳銃が出てくるから使えると思ったけど……これは困ったな。

俺が読んだ作品でもメンテナンスしてたしな~。

それに大体は都会が舞台だから環境が違い過ぎる。


どうするかな~。

ベルトからバスケットボール出す訳にもいかんし。



「そう落ちこむな少年、君の希望に沿うものが無い訳では無い。だから私でも扱える高性能な得物を君に進呈しようではないか♪」



そう言って悪い顔で笑う変態美幼女ソフィア博士。



「そんなのあるんですか?!」



何かは知らないが武器の為だ、ここは大きめに驚いて気持ち良くさせておこう。



「うむ♪だが一つ条件を飲んでもらう。私の小さな願いを聞いてくれるなら進呈しよう♪」


「その要求とは?」


「ラッセル君には美しい妻が二人いるそうだけど、間違い無いかい?」


「ええ、居ますが。」



嫌な予感。



「ではその二人に今から合わせてくれるかい?」

「嫌です。」

「何もしないと約束するからお願いだよ~♪」

「絶対ですか?」


「私の縞々パンティにかけて!」



まあ仕方ないか。

会うだけなら問題無かろう。

それに子供だし、何かあってもヘラとアイラなら大丈夫か。



「分かりました。今から皆で昼食ですから食堂に行きましょう。」

「イヤッホ~イ♪」



こうして仕方なく、本当に仕方なくだがソフィアの昼食参加を認めた。



ローズとは実験施設前で別れたのだが、別れ際に『これでやっと私もフライング・ノンケ・げっちゅう!できるわ~ん♪』と高速スキップで去って行った。



該当者はお尻を押さえて怪しい筋肉には注意して欲しい。







――――学園寮前




馬車を下り、ソフィアを連れて自室に戻る羽目に……。



「ただいま~。」


「お帰りなさい、ラッセル君♪」

―――お帰りなさい、あなた♪

『遅いのですラッセル!もうお腹がペコペコなのですよ~。』

『ワンッ!』


「ごめんごめん、ちょっと時間掛かちゃって。お詫びに有料デザート追加するから。」


『なら問題ないのです。何にするですかね~♪』


「それでその女の子はどちら様ですか?」



黙ってはいたが、鼻息の荒い桃髪の幼女にアイラは気付いてしまった様だ。



「紹介するね、彼女はソフィア・フェイマス・グラリウス。僕の武器を融通してくれる事になった子だよ。ヘラとアイラに会いたいって言うから昼食に誘ったんだ。一緒でも良いかな?」


―――構いませんよ。あなたの為に働く者を私達は歓迎しますから♪

「そうですよ♪よろしくお願いします、グラリウスさん♪」

『分かったですから早くご飯にするのですよ~!』

『ワンワンッ♪』


「こちらこそ、宜しくお願いします♪」



イリナも限界の様なのでそのまま食堂へ向かう事に。



そういえば……完全に子犬の名前付け忘れてるな~。

とうとう自己主張し始めたし。

誰も名前を付ける気は無いようだし、忙しい時は事務局で預かってもらうのだけど、局員も誰一人として子犬に名前を付けようとする者はいない。


不憫な奴。

まあ、また忘れるかもだけど考えとくか……。





食堂ではヘラとアイラがソフィアと楽しそうに会話していた。

イリナは狩りの予定だったけど、ドラゴン一家は俺の頼んだ予定を一日で終わらせてから飲んだくれている様で、めんどくさいから帰って来たらしい。

残りの年末年始は俺達と行動するそうだ。



そうして和やかな昼食を終え、そのまま我が家へ。



「では願いを聞いてくれた御礼に、ラッセル君にはこれを進呈しよう。」



ソフィアはそう言うと、ヘラやアイラの目も憚らず自分の下着に手を突っ込み、取り出したものを俺の前に差し出した。



「これはっ!」

「良いだろう?パチンコっていう代物だ。」



強引に手に持たされた物は生暖かい……ソフィアの言う通り、パチンコである事は間違いないんだけど……現代地球風にはスリングショットだっけか。


金属製の本体に、だらんと長いゴムが垂れている。



「……こんなの武器になるんですか?」

「何を言っているんだいラッセル君!それは非常に簡単な作りで子供でも使える優秀な武器だよ♪」


「ですが……これでは獣の脅威にならないと思うのですが?」



それを聞いて呆れた顔でこちらを見るソフィア。



「解ってないね~。武器とは対象を殺す、若しくは行動不能にする為に殺傷能力を上げれば良いという、原始的で安易な考えから製造され改良を重ねて来たものだ。しかし、本来は対象の行動を著しく阻害、若しくは行動不能にする事が主目的なのだから、それさえ出来れば武器を使用する事で得られる結果の全てを達成した事と同義なのだよ。それに獲物を絞めるならナイフで血抜きした方が良いのだし、単に殺すのが目的でも相手を行動不能に陥れられれば、テーブルナイフでも簡単に命は奪えるからね。」



「だからと言ってこれでは阻害も出来ない気がするんですが。」


「それはこいつに仕掛けがある♪」



再度パンツに手を突っ込むソフィアに、ヘラとアイラは困惑顔である。



「これが私が開発した各種の特別な弾だよ♪」



また無理やり手に渡されて生暖かさに少し鳥肌が立つ。


その弾はどれも色とりどりで、気にならない程度の重さを感じるが、綺麗な溝が掘られたピンポン玉の様な物だった。



「その弾の中には非常に刺激の強い香辛料を濃縮した液体や、激辛香辛料の粉末が入っている。それを包むのはガラスだが、握ったり腰から落とす程度の衝撃には耐えるし、着弾時に割れる様に計算し尽くされている、と言いたい所ではあるのだが、真っすぐ飛ばす為に入れた、空気抵抗を避ける溝がその役割の大半を占めているね♪」


「じゃあこの弾を使えば、ある程度は自衛出来るのですか?」


「そんなに心配なら一度試してみると良い♪毒の研究者でもある私が使ってるのだよ?効果は折り紙付きと思ってくれ♪まだ改良の余地もあるが、そんな事してる間に体も成長するだろうから、子供の間はこれで十分だと思うがね♪」



以外に使えるソフィアに少し驚きだが、これは良い知恵と物を貰ったかもしれない。

専属の護衛を探すつもりだったけど、襲って来た獣なんかの行動阻害でが出来るなら、後は騎士団員に仕留めて貰えばいいのだ。

武器も軽いし弾も軽い。

扱いやすくてしかもお手頃。


只の変態じゃなかったんだな。



「扱いに慣れて命中率が高くなれば他の弾も支給しよう。魚から採取した神経性の麻痺毒とか、昆虫から採取した即効性の致死毒。更には爬虫類から採取した血液凝固してしまう毒なんてのもあるけど、下手くそが誤射しまくって、無害な生き物が後に被害に遭うのは忍びないから、がんばって熟練者になってくれたまえ♪」


「それは、またエグイ物があるんだね。頑張って練習するよ。」


「そうしてくれたまえよ♪練習用は中身の入っていない無い割れない弾を渡しておくから存分に練習すれば良いさ。だが、実弾練習は学園や王都内ではしない様に。」


「そうなんですか?」


「着弾位置から最低でも半径5mに効果があるから、香辛料なんかは風に乗ってしまうんだよ。少しでも相当刺激があるから、郊外の人の寄らない所で頼むよ。後で練習用の弾を50個と、香辛料各種の実弾200発ほどを私の股間で温めてから寮に送るから、扱いには気を付けるように♪」


「温めなくて良いです。」

「君は本当に照れ屋さんだね~♪」

「照れてないです。」


「まあ良いとしよう。では私は君への贈り物を温める為に帰るとするよ。ヘラ様にアイラさん、イリアさんと犬、今日は食事を御一緒させて頂き、有難う御座いました♪」


―――またいつでも遊びに来なさい、ソフィア♪

「お待ちしていますよ♪」

『そうです♪たくさんで食べる食事は美味しいのですよ♪』


「では、その時はよろしくお願いします♪」



そうして寮の入り口の我が家の馬車迄ソフィアを皆で送る事にしたのだが。



「ヘラ様は柔らかくて、ええ匂いじゃのぉ~♪」



なんて言いながら女性陣との強めのハグを堪能して帰って行った。

てかそれが目的かよ。


まあ、面白い奴ではあるけどね。



改良は追ってするとして、一応の攻撃手段は確保できたし、年が明けたら傭兵探しを始めようかな。






文章が長くなる。

文才の無さに脱帽ですw

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