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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

魔法少女のお姉ちゃんは変質者【短編】




「お姉ちゃんが時間を稼ぐ! 早く変身を!」

「お姉ちゃん! わたし達の秘密を!?」

「わたしはお前のお姉ちゃんだよ! 何でもお見通しよ!」




 訳わからんだろーから現状を説明しよう!


 妹達はこの春から、シナモ的ぬいぐるみ風味UMAからの持ちかけで魔法少女となったかわいそうな被害者達だ。

 3人とも可愛いが、特にうちの妹は可愛い! 頭一つ飛び抜けてる? みたいな?

 仲が良いんで、お姉ちゃんは嫉妬でゲフンゲフン!


 もとい――何度もの戦いの末迎えたクライマックス。いよいよ敵・マーゾックの幹部3人組が協力して攻めてきた。

 可憐で優しくて可愛い妹、……と、まあまあ可愛い方の仲間達による妨害に、業を煮やしたのだろう。


 魔法少女の変身前を狙う作戦だ。

 敵ながら核心をついた見事な戦法と唸ざるをえない。むしろ、紳士的だった今までが不思議だった。


「さあ来なさい! マーゾックども!」


「ふふふ、ただの人間が妾達3人を相手にすると?」

 こいつはサソリンダ。赤毛で片方機械眼帯の高ビー女。卑怯な手を使わせたらピカ一だ。


「美しき者に狼藉は働きたくないのですが……」

 こいつはカゲール。青いロングの美形。タキシード着用。入り組んだ作戦を得意とする。


「その意気や見事なり!」

 こいつはゴーランダー。漆黒の剛毛をチョンマゲ風に天辺で束ねているゴリマッチョ。力押しに特化した単純戦闘力は、残り2人の追従を許さない。


 詳細な分析と対策は済んでいる。電柱に隠れながら、今までの戦い全てをこの目で見てきたからな!


「褒美にブチのめしてやる!」

 ゴーランダーが瞬発力を生かして飛び込んできた。


 腰の入った必殺の正拳付き! ゴウと唸りを上げて巨大な拳が顔面に迫る。

 わたしは慌てず騒がずバク転回避。バランスを崩したせいで突き出された顎を下から蹴り上げる。これ。腹筋すごく使うんだよね。


「ぶふっ!」

 吹き飛ぶゴーランダーの体。残り2人の方をめがけて!


「きゃー!」

「邪魔だ!」

 3幹部が一塊になった。


 これは予期していた行動。カウンターを繰り躍り出したと同時に突っ込んでいく。

 集団戦は角から削れ! 文字通り飛び出してるサソリンダの顎をサッカーボールキックで蹴飛ばす。


「醜い戦いをする人間だな!」

 何とでも言え!


 カゲールが得意の羽手裏剣を投擲してきた。顔面に迫る!

 こいつの技も攻略済み。片手を突き出し、指の間で挟み込みストップ! 手首のスナップを効かせて、元来た軌道を正確にトレースバック。


「ぐぅ!」

 カゲールの肩に羽手裏剣が深々と突き刺さる。この隙に間合いを詰める。 

 息を吹き返し始めたゴーランダーの喉に膝を落としてダウン攻撃!


「おまえ、ほんとに人間か?」

 カゲールが訳の解らないことを叫ぶ!


 混乱しているのだな!

 よし、隙が出来た!


「いまだニュ! 変身だニュ!」

 白いUMAに先を越された! 今それ言おうとしたのに!


 妹とその他2名は集まって、色付きの水晶球を取り出した。妹のはピンク、他の2人は赤色と青色。これが彼女らの変身アイテムなのだ。


「いくぞニュ!」

「おまえ、こっちな!」

 わたしは白いUMAの頭を鷲掴む。


「痛いニュ! 目に指が入ってるニュ!」

「だまれ! 妹を危険な世界へ引き込んだてめぇに痛がる資格はない!」

 指に力を入れた。ズブズブと食い込んでいく。こいつの頭、柔らかいのな(笑。


「指が脳に食い込むニュ! 変な幻覚が見えるニュ……ぅぅぅぅ」

 わたしの説得が利いたのだろう。UMAは静かになった。ビクッ、ビクッと四肢を痙攣させてはいるが。

 こいつは次に予想される動きに対する、重要な布石として必要なんだ。


 そうこうするうち、頭からダラダラと血を流しながらサソリンダが上半身を起こす。しぶといやつめ!


「何度も聞くが、お前本当に人間か?」

 残り2人もヨロヨロと立ち上がってきた。

 みんな目が血走っている。ちっ! 無駄に頑丈な連中め!


 妹たちの変身は? 

 まだ光の中でクルクル回ってる。

 ええい! 無駄な動きの多い!


「もうすこし付き合ってもらおうか!」 

 わたしは体を捻っていた。どこぞのピッチャーが繰り出すトルネード投法に似た構え。


 一気に捻りを開放しつつ、気合いを入れるために技名を叫ぶ!

「マッハ・コーン!」


 投球に似た体の動き。ボールの代わりに放り投げるのは白いUMA。

「ニューっ!」


 拳とUMAがぶつかる。腹に響く音が発生。

 この音は、聞いたことがある。アメリカ空軍の飛行機がすげー速さで飛んでいったときの音だ。


 おおう! 3幹部共がボーリングのピンのように吹き飛んでいる(笑。


「このお姉ちゃん怖いニュ! マーゾックより怖いニュ!」

 ちっ! あわよくばと思ってたんだが、UMAの野郎、まだ生きてやがったか!


「ブルーキューティ! 可愛く登場!」

「レッドキューティ! 過激に登場!」

「ピンクキューティ! 華麗に登場!」


「「「マジカルキューティ! 変身完了! 悪い子はお尻ペンペンよ!」」」


 変身が終わったか!

 振り返ると、そこには白とパステルピンクを基調にしたフリルを多用した太股も眩しいミニのドレスを纏った可愛い妹の姿が!

 おおををを! いつ見ても可愛いお洋服ですこと! よく似合う! いいよ! すごくいいよハァハァハァ!


 ……あと、青いのとか、、赤いのとか似合わねーの着てる田舎娘が邪魔だな。特にレッド、てめぇ! 妹のピンクと色の方向が被ってんだよ!


「お姉ちゃん、ここは私に任せて、早く安全なところへ!」

 シュタっと足音を揃え、マジカルキューティそろい踏み。


「くっ! 貴様ら……うぐぐ」

 ゴーランダーが歯を食いしばって立ち上がる。


「ダ、ダメージは修復した。ネクライマーを召還するぞ!」

 いつも余裕ぶっこいてるカゲールの息が荒い。肩が激しく上下している。


「こ、ここは3人で力を合わせようぞ」

 協力という言葉から一番遠い存在のサソリンダが、彼女らしからぬ弱音を吐いた。


「おい、あいつら戦う前からダメージ負ってないか? 痛て! 精霊の加護を受けてるはずなのに痛い!」

 失礼なレッドの言い分に対する抗議のローキックをお見舞いしてから、お言葉に甘えて、後方へ避難した。


「みんな! 油断するなニュ!」

 いつも通りUMAの掛け声で戦闘フォーメーションを組む。こいつ、見かけによらずタフなのな!


 ここからはいつものパターン。ネクライマーという怪獣を生産してマジカルキューティにぶつけてくる。

 いつもと違う点と言えば、仲の悪い3人が力を出し合ってネクライマーを生産したことかな? あと、UMAがヨロヨロしてるって事だけかな?


 あ、ネクライマーがひっくり返った。


「プリンセス・デビュー・パーティよ!」

 戦闘リーダー格のレッドが叫ぶ。


「みんな待つニュ! あのネクライマーは幹部3人のパワーが込められている、いわばネオ・ネクライマーだニュ。今こそマジカルキューティー達の最強技解禁だニュ! その名もハイパー・プリンセス・デビュー・パーティだニュ!」


 安直な新必殺技だな。いや! 安直でも妹が使えばキラキラ度も3倍だ!


 あ、3幹部がしゃしゃり出てきた。優勢と見て、自信を取り戻したのだろう。

「大技には隙が生じる」

「その隙を突けば、どうなるでしょうね?」

「我らの事を忘れては困るわね」


 わたしの事も忘れられては困りまするな!

 隠れていた所から、姿を見せる。UMAを捕まえて投擲のポーズをとる。


「いかん! マッハコーンが来るぞ!」

 うろたえる3幹部。

 3幹部の動きがぎこちないものになった。

 よしよし、陽動は効いている。


「ハイパー・プリンセス・デビュー・パーティ!」

 複雑なシークエンスを完了した妹たちは、不自然なまでにキラキラした必殺技をぶちかました!


『ギョェエエェー!』

 およそ、魔法少女物に相応しくない性犯罪者的な悲鳴を上げて、ネオネクライマーは光の粒子に変化した。

 よし、決まった!


「ふふふふ、機は熟したようだな」

「サタノダーク様!」

 サソリンダが黄色い声を上げる。


 いつの間にか、金髪碧眼の美少年が、三幹部の前に立っていた。

 いかん! この風貌、妹のタイプだ! 闇に葬らねばならぬ者が一人増えてしまった。


「お、おまえはマーゾックの王子ニュ!」

 珍しくUMAがうろたえている。


「光系の精霊か? ご機嫌麗しゅう」

 サタノダークとか、大層な名がついたション弁臭いショタが、貴族的な礼をとる。それかっこいいと思ってるの?


「これが、秘宝『闇の光』だ」

 ショタは手に真っ黒なトゲトゲの多面体を乗せている。


「なにぃーっニュ! 伝説の『闇の光』は存在したのかニュ!」

 ニュニュとうるせえぞ、UMA!


 闇の秘宝とやらが、すっと流れて、ネオクライマーの光に吸い込まれる。 


「ダーク・クリスタリゼーション! 自然の闇よ! 世界の闇の力よ! 集まれ!」


 四方八方から、黒いような紫のような、いかがわしい何かが漂ってきた。

 ネオクライマーだった光の粒子に注がれた。


 おや?

 光の粒子が拡散したと思ったら、反転し、中心部へ集まってくる。

 激しい光の奔流により、中心がぶれ、ランダムに位置を変える。ある時は3幹部の前に。次の瞬間には妹たちの前に。力が凝縮される苦しさに暴れているのか?


「ふっ! 引っかかったねマジカルキューティさん達」

 サタノダークが子供のくせに大人っぽく笑う。目をつぶって。だから、それ格好いいと思ってんの?


 凝縮された光は暴れ回りながらも輝きを停止させた。逆に光を吸い込み始めたのだ。

 そしてついに、一欠片の黒い水晶体となった。


「これが僕の求めていた至高の力・黒水晶(ダーククリスタル)! 悪の凝縮体、純然たる悪、全ての闇の源! 黒水晶を手にした者が、絶対無敵の悪を行使できるのだぁー!」


 ショタが、両手を天に掲げカッコつけている。だから、それ格好いいと思ってるの?


「いけないニュ! あれを持った者はマジカルキューティであろうと、神であろうと、悪サイドに落ちてしまうニュ! ハイパー・プリンセス・デビュー・パーティでも倒せない怪物になるニュ!」


 それは大変だな。


「さあ、僕の元へ、黒水晶よ! 合体だ!」

 手招きするショタ。


 あのさ、手招きするのはいいんだけどさ……。


「僕の適合率は95%。黒水晶は、より適合率の高い者と惹かれ合うのさ」


 惹かれ合うのも良いんだけどさ……。 


 黒水晶って、わたしの目の前に浮かんでいるのよね。

 なんか、こう、こっちを見ているような……。


 ひょいと手を伸ばす。


「あ、こら、一般人がそれに手を出してはいけない!」

「え?」

 理由を聞く前に、黒水晶が、わたしの胸に飛び込み、体の中へ沈み込んだ。


「馬鹿かお前! 今の話聞いてたろ!?」


 ドクン! 

 心臓由来でない鼓動。

 それは一瞬。


 何かがわたしの中で……。あ、愉快だ。なんか愉快になってきた。

 心が軽い。体も軽い。

 何でも出来る気がしてきた。今なら真理夫流ラーメンのチョモランマラードマシマシでも完食できそうだ!


 そして、黒い霧のような粒子が体を覆いだす。


「え? 黒水晶を受け入れた? お姉ちゃんの適合率は僕の95%を超えるのか?」

「お姉ちゃんが適合者だったかニュ? なぜか驚きがないニュ」


 間抜け顔のショタとUMAがなんか喋ってるけど、そんな小さいことはどうでも良い。


「お姉ちゃん!」

 妹が顔色を変えて絶叫する。

 心配してくれているのかい?

 大丈夫だよ。お姉ちゃんは至って平静だ。いつもどおりのお姉ちゃんだぞ。


 ただ、ゴミ共より高位な存在となっただけだ。フフフ。



 ショタが歩いて近づいてくる。

「これはおもしろくなってきた。マジカルキューティのお姉ちゃんが悪堕ちか。おい、お姉ちゃん! 喜べ! お前は完全な自由者となった。その暗黒パワーを使えば何でもできるぞ!」


 なんでも?


「宿題が簡単にできるとか?」

「そんなの朝飯前だ。……いや、もっと大きな事を考えてみようよ!」


 大きな事……。


「ならば! 日本有線大賞をこの手にすることも!」

「それは歌唱力による」

「じゃ、新人賞」

「それくらいなら……じゃなくて、お前の頭は反社会的な行動を思いつけんのか?」


「明芯党の党首に国会でブーメランを投げさせるとか?」

「フフフ、可能だ。できればスケールはそのままに事象を変えてくれれば嬉しいんだが?」


「今国会で、現総理大臣に自白剤を打ち込めるとか?」

「その辺で手を打つか。そうだ! 今のお前なら簡単だ! 傲慢、強欲、高慢、嫉妬、憤怒! 悪は良いぞ! 誰もお前に命令しない。法律や常識、歴史や宗教なんかに縛られないい。タブーを踏みにじれ! お前は無敵だ! 誰も、どんな存在もお前の邪魔はできない!」


 何でも自由自在? 何でも出来る気がしてきた。


「お姉ちゃん! しっかりして! 悪に負けないで!」

 妹が叫んでいる。悪に負けるなと。


 ……悪って何だ? 黒水晶を手にすることが悪なのか?


 いじめが普通に存在する学校が正義か? 自分の権力を固めることしか頭にない政治家が正義か? フェイクニュースを流すことが正義なのか?


 違うな。

 

 今の世の中が矛盾している。

 不平等な世界。格差社会。富の集中。


 そんな人々の生活を守るため? 矛盾した社会を守ることが正義なのか?

 攻めるにしろ守るにしろ、正しいことはただ一つ!


「したくないことはしなくて良いんだ。やりたいことだけすれば良いんだ。さあ、お前の望みをかなえろ!」 


 それは――。ふふふ。

 自然と笑みが出た。


「お姉ちゃんの笑みが怖いニュ」

 UMAを蹴り飛ばす。


「望みは妹を守ることよーっ!」

「やっぱぱりお姉ちゃんはすごいよ!」

 妹の笑顔はいつ見ても癒やされる。


 代わりに。ショタの顔が醜くゆがむ。


「よく考えて発言しろよ!」


「単なる引き算よ。もし妹が死んでしまうと……」

「死んでしまうと?」


「妹の使用済みパンティのウン筋付いた所をペロペロする事ができない。マラソン大開後の汗が染みついたソックスをクンカクンカする事も、もうできなくなる。2度と!」

 あたしの纏わり付いていた闇が、激しく渦を巻きだした。


「あたい、こんなのと同じ闇サイドなんて嫌だ!」

 サソリンダは未来のない後ろ向きな発言が目立つ子だ。


「そんなつまらん世界に用はないーっ!」

 あたしの(鬱積した)気が爆発した。


 霧のような闇が、腕を覆い、足を覆い、体を覆ってコスチュームと化す。

 ブラックのゴシックロリータ。デザインはピンクの白黒反転。


 そして叫ぶ!


「ブラック・キューティ。華麗に推参!」


 よし! これでわたしも妹たちの仲間ね!


「お姉ちゃんはマジカルキューティじゃないブニュッ!」

 心を忘れたUMAを踏みつぶし、こっそりと練習していたピンクキューティの登場ポーズを左右逆でそらんじる。


「どこをどうしたらそうなるんだ!」

「お姉ちゃんはあたい達マーゾックと同類だし!」

「むしろ私たちより純然たる悪でしょう?」


 三悪人が、世迷い言をほざいているが、あきらかに間違いだ!


「食らえ! 正義の力! ハイパー・プリンセス・デビュー・お一人様パーティ!」


 足を踏ん張り、腰を落とし、手のひらを、こう、クイッっと返して三幹部の足下を至極簡単に爆砕。

 紅蓮の炎と土砂が柱となって吹き上がる。


「全然キラキラしてねぇし!」

 遠いお空へ吹き飛んでいく三幹部。ぽかんとした顔で見送るショタ。


 残るはショタ一人。


 拳を小指側から握りしめ――。

「キューティ・悪鬼羅刹拳!」

「マジカルキューティは角張った四字熟語を使わねぇしニュ!」


「うぐぅ!」

 空気が揺らぐ。ショタのみぞおちを中心として。

 肉弾攻撃が来ると思わなかった?


 吹き飛ぶショタ。背中からビルの壁に激突。破片が飛び散った。


「な、なめてもらっては困る」

 よろよろと立ち上がてくるショタ。さすがだな。三幹部を従えるだけのことはある。


「こっちの番だ。いでよ! 我が配下! 三魔獣が一、天空のジズよ!」

「アンギャース!」


 何か現れたが、マジカルキューティとなったあたしは、負ける気がしない。


「キューティー! クリスタルー! ――」

「お姉ちゃん、キラキラしたのも使えるのニュ。見直したニュ!」


 ワーゲンが縦2台並んだ大きさの、パステルカラー色の筒を形成する。相手が相手だ、対抗手段も大がかりとなる。


「――GAU-8・アベンジャー!」

「見直したボクが悪かったニュ!」


 VUOOOOOOOOO!

 毎分3,900発の劣化魔法ウラン弾が、ジズを2.5秒でボロ雑巾に変えてしまった。




 さて、残ったのはショタだけとなったが、この流れで行くと、リョナのタグを付ける事となるだろう。妹の手前、それはまずい。


 どうしよう?

 こうしよう! 


「おいガキンチョ! こんな所で遊んでいて良いのかな?」

「な、何だ、と?」

「地球上に、地上の楽園と呼ばれる国がある……」

「むぅ?」


 幸せだとかイケイケ系の物事を破壊するのが闇の組織マーゾック。この手に乗ってこないわけがない。


「……衣食住の心配がない。労働者の天国」

「それこそマーゾックの敵! どこにある国だ!?」


 ガッツリいただきました。


「きさまには38度線の北、などと口が裂けても言うことない!」

「ふっ! 僕の頭脳をなめるなよ。それだけ聞き出せば、探し出すのは簡単だ!」

「くっ! しまった!」

「ふふふ、悔しがってももう遅い! 己の口の軽さを呪うが良い! また会おう!」


 激しいエフェクトをぶちまけながらショタは姿を消した。

 ふぅ、これで少しばかり時間が稼げる。……2,3日だろうけど。



 

 マーゾックは、再び平和な日本を襲うだろう。

 でも安心してほしい。

 その日が来るまで、わたし達マジカルキューティ4人は、パワーアップしていることでしょう!


「何勝手なことを言って――ブキュル!」





タイトルがいまいちピンと来てません。

良い題名絶賛募集中!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 変質者を書かせると日本一!
2017/08/29 17:09 退会済み
管理
[良い点] お姉ちゃんが変態すぎて笑いました(´∇`) [一言] 続編希望です(`´)b
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