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東方陰影記  作者: 凛
61/70

58話

最近実況動画のアリスがひどいと思いませんか?

「…夕月大丈夫かな」

「夕月さんなら大丈夫ですって」

紅魔館門前でフランと美鈴は膝を抱えて座りながら会話をしていた。風見幽香と対峙する神崎を心配するようにフランは外から神崎の部屋を何度もチラチラと振り返る。

だが、カーテンにより遮られたその空間ではいったいどんなやり取りが行われているのかはやはりわからないままであった。

「おっ、フランじゃないか」

上空から聞きなれた声がフランを呼んだ。金色にたなびく髪をかき上げ、霧雨魔理沙は箒から地上へと降りた。

「魔理沙だー。どうしたの?」

「いやあ…、霊夢んところに行ったんだが出掛けてるらしくて居なかったんだよ。んでも暇には変わりないから夕月にでも構ってもらおうかなと思ってな」

「霊夢さんが出かけてるんですか」

「ああ、多分だが人里で団子でも食ってるんじゃないかな?」

納得いかないように魔理沙は口を尖らせた。

「団子食うなら魔理沙さんも誘ってくれればいいのに…」

「お団子もいいけど、"ぱへ"っていうのが食べてみたい!」

「ぱへ…?…ああ、パフェのことか。咲夜にでも頼めば作ってもらえそうだな」

と、涎を垂らしながら少女二人はいまだ体験せぬ"パフェ"を頭の中に描いていた。


***

一方その頃、神崎夕月の部屋では相変わらず微妙な空気が流れたままであった。

「遅いわねぇ…」

「もしかしたら迎えに来ないのかもしれませんね」

「そしたら私は妖怪の山にでも攻め入ろうかしら?」

にこやかな笑みでこう言い放った。あらかた最近血生臭い出来事が起きてないのだろう。彼女がドSと呼ばれる由来の行為が出来ぬまま、このような事態が起きてしまい、ストレスが限界値を超えているのではないだろうか、と夕月は心の中で薄ら笑みを浮かべた。

「まあまあ、そんな物騒なことをおっしゃらないでくださいよ」

「冗談よ冗談。流石の私でも関係ない妖怪まで犠牲にしたら遊べる妖怪がいなくなってしまうわ」

「そこ…問題ですか」


(帰りたい…)

二人に挟まれるように犬走椛はただ静かに肩をすくめ二人と目を合わせないように部屋の中をキョロキョロと目だけ動かして眺めていた。

ふと、横の扉の隙間から一本の手が生えているのが見えた。先ほどから部屋の様子をうかがっていたメイド長の手。椛がその手を眺めていることに気付いた咲夜はこっちへ来い、と言わんばかりに手を拱いた。

『何ですか…』

『中の様子はどうかしら、と思って呼んだのよ。このままじゃもう一人の文屋まで来そうだし』

呆れたように肩をすくめ、咲夜は大きくため息をついた。







と、椛は後ろを指さし面倒そうにこう言った。

『もう手遅れですよ…』

椛の指さした窓には意気揚々とカメラを構えるお邪魔虫がいた…。

ピタゴラスイッチ・ミニ

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