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東方陰影記  作者: 凛
3/70

3話

チルノの口調がな……

「聞こえてるかー?そこのニンゲン?」

耳に届く甲高い声、そして背筋に伝わる冷気が声の主を物語っている。

「おーい、聞こえてんのかー?無視すんなら凍らせるぞー?」

「あー、はいはい。聞こえてますよ」

少々物騒な言葉が聞こえた気がしたのだが気のせいだろう、いや、気のせいにしたい。凍らされたくないし。

「まったく、無視するなんていいドキョウだな。さいきょーのあたいに歯向かったらどうなるのか教えてやろーかー?」

「やめて、俺まだ死にたくない」

「大丈夫だ、きっと死なないよ」

ありもしない適当なことを言いだす声の主。普通の人間なら凍らされたら、一発で昇天コースを亜音速でぶち抜けるって。

そんなことを考える少年に、ふと笑みがこぼれる。たった数時間ぶりなのに、もう何日も笑っていないような感じがした。正直ここまで自分が疲れているとは思ってもいなかった。どちらかというと気分は最高潮であり、疲れなどは感じてはなく、むしろ今からはしゃぎたい。

「そういえば、お前の名前は何て言うんだ?あたいの名前は、チルノってんだよ」

「俺の名前か?

 俺は…神崎夕月ってもんだ。よろしくな、チルノちゃん」

そういうと、神崎は右の手をチルノに差し出す。

「ん?なんだこの手は?」

「握手だよ、握手。仲良くやってこうぜ?」

「…おう!」

にっこりと微笑んで、チルノは俺の右手に自身の右手を合わせた。

氷精の癖に、手は無駄に暖かかったのが印象に残っている。




「え?それじゃあゆーきは外のニンゲンだったのか?」

「まあ、そうだな。俺もどうやって幻想郷に来たのかは知らんがな」

はぁ、と息をつくと神崎に、チルノは呆れたように笑っていた。

「なら、最初にあったのがあたいでよかったな!」

ドン、とでも表せばいいのだろうか?「あたいよくやった!!」と胸を張りながら大笑いしている。

「もし、ルーミアに会ってたら今頃ゆーきは骨になってたぞ?ニンゲンを食べる量を減らしてる今のルーミアに会ったらイチコロだったな!」

「ん?人間を食ってるのか?」

今の言葉に、少しだけ違和感を感じた。"スペルカードルール"いわば弾幕ごっこが採用されている時代ならば、外来人ならともかく、里の人間は襲っちゃいけないんじゃなかったっけ?あれ?俺の記憶が混濁してるだけなのかな?

「なぁ、チルノ。一つ聞いていいか?」

「いいけど??」

「弾幕ごっこって知ってるか?」

ん?っとチルノは頭をかしげ、長い時間ない頭を使って考える。

そして、





「弾幕ごっこってなんだ?」

俺が来た幻想郷は紅霧異変以前の幻想郷だったのだ。

咲夜さんhshs

はやくでてきてほしいんだけど

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