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東方陰影記  作者: 凛
28/70

27話

未成年の飲酒は犯罪ですよ?

「おーい、夕月ー。呑んでるかー?」

「だから、俺は未成年だっつーの!」

何故か俺、神崎夕月は博麗神社主催の宴会に訪れていた。

***

時は数時間前、朝日がのぼってすぐのこと。

「おーい、射命丸に夕月ー起きてるかー?」

「はいはい、どちら様でしょうか…………って魔理沙か。どうした?こんな朝はやくに」

弾幕ごっこを教わり(?)に泊まっている射命丸の家に朝早く訪れた客人は魔理沙であった。いつも通りの白黒の服を身にまとい、右手には乗ってきたであろう箒を持っていた。

「あや?魔理沙さんどうしたのですか?」

「お、二人ともいたんだな、都合がいいぜ」

都合がいい、とは何のことだろうか、と神崎は首をかしげた。神崎の記憶には魔理沙に迷惑をかけたような記憶はない。その逆なら無きにしもあらず、なのだが。

「アレの誘いに来た、といえばわかるだろ?」

と、魔理沙は歯を見せて笑う。「アレ」とはなんだろうか、神崎は射命丸の顔を見てみる。が、射命丸は納得したかのように魔理沙の顔を見て頷いている。

「アレって何だよ、魔理沙」

「あれ?あー、お前は初めてだったかー」

バツが悪そうな表情を浮かべ、頭を掻く。そして、人差し指と親指で円を作り、クイッと傾け微笑む。

「宴会だよ、宴会」

「酒…………?」

「何言ってんだよ、宴会で飲むもんは酒しかないだろ?」

何を当然のことを、と魔理沙は半ば呆れたように言う。

が、神崎はとあることが引っかかっていた。

「いや、俺未成年なんだけど………」

「何だ未成年って?」

魔理沙と射命丸は顔を見合わせる。何を言っているんだこいつ?という視線が神埼へと刺さる。

「い、いや外の世界だと20歳超えるまでは酒とタバコは禁止なんだよ」

「そうなんですかー」

何故か取材用のメモ帳に書き込む。

一方の魔理沙はありえない、と言った表情で神崎の顔を見ている。

「いや、なんてつまらない世界なんだよ。酒の無い世界なんてやってけないんだぜ?」

「お前どんな酒豪だよ」

正直いって神崎には魔理沙が自分よりも年下にしか思えていない。外の世界では保護責任者うんぬんかんぬんで訴えることもできるのかなー、と遠い目をする神崎に魔理沙はこう言う。

「まあ、外の世界がどうだかは知らんが、ここは幻想郷だ。そんなつまらないルール何て存在しないんだぜ?」

***

「で、何処でやるんですかね」

机に顔を伏しながら射命丸に問いかける。

「何を言っているんですかー。博麗神社ですよ」

「?」

なぜ場所がわかるんだ?

神崎は首をかしげる。幻想入りをしてから不可解なことばかり起きて神崎の首が若干柔らかくなったような気がするのはここだけの話。

「それはですね、宴会をやる場所が博麗神社しかないからですよ」

「そーなのかー」

正直言ってもう頭がついて行かない。他にも紅魔館とか…………あ、そんなとこじゃ飲めないし、守矢神社はまだ幻想入りしてないし…白玉楼も異変はまだだし……。

結論、博麗神社しかないに納得せざるを得ない神崎であった。

***

そして、冒頭に戻る。

「未成年だとか関係ないから飲めって」

「いやいや、呑まねぇって」

酒瓶を片手に神崎に迫りよる魔理沙。

「夕月はお酒飲めないの?」

「んー、飲めない、と言うより飲みたくないかなー?」

膝の上にフランを抱え魔理沙をあしらいながらこう答えた。

納得せざるを得ない、とは言ったがどうも呑む気になれていないのが今現在の心境である。どうも未成年の飲酒は犯罪、という概念が随分と濃く刷り込まれているため、神崎は手を出しことが出来ずにいた。

「スキありっ!」

と、注意が散漫になっていた魔理沙から突進を受ける。口の中に酒瓶を突っ込み神崎の口の中へと流し込む。

口の中に絶え間なく注がれる液体を感じながら神崎の意識は薄れていった…………。

はい、ネタ切れ近くなってまいりました。

いや、別にネタ切れではないんだけどね、順番とかがあるじゃない?登場させるとかさせないとかサー。

誰かの希望があってもいいと思うんだよねー|´-`)チラッ

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