25話
はぁ、ネタに行き詰ってきた。
「あやややややや、夕月さんは弾幕ごっこができないのですか…」
「なんでそれごときで射命丸さんは取材に来るのですかね?そもそも、弾幕ごっこのやり方なんて知りませんよ」
はあ、と大きくため息をつく。何処からか神崎が弾幕ごっこが出来ないことを聞きつけてわざわざ紅魔館までこの新聞記者は取材に来たのだ。
「そもそもこんなの聞いてどうするつもりなんですか?こんなの記事になんかならないでしょうに…」
「これに関しては私の興味本位での取材です!」
「こんなことに興味を持ってどうするんですか…」
カメラとメモ帳を構え、射命丸はエヘンと胸を張る。と、急に部屋の扉が開き見慣れた顔が入ってきた
「聞いたぜ夕月、お前弾幕ごっこ知らねぇんだってな!ダハハハハハハハハハっダセー!!」
「うるせぇな…、お前たちが紅霧異変片づけてるときはなあ、俺はスキマババアに拉致監禁されてたんだっつーの」
白黒の服を身に纏う金髪の少女は神崎を指さし口を開けて大笑い。あちらに転がり、こちらに転がり。終いには咲夜が騒音被害を訴えるほどに大音量で笑いまくった。
「夕月さん、よろしければ私が教えましょうか?」
「教えるって何を?」
「そりゃあ、勿論弾幕ごっこを、ですよ」
は?と首をかしげる神崎の眼には喜々として微笑む射命丸の姿が映っていた。
***
「で、なんで泊りがけで修業なんですかね…?」
「だって仕事ほったらかして逃げたじゃないですか。だからそれのお説教も兼ねてです」
あ、そういえば新聞記者任命されてたんだっけか…。俺、フランと帰っちゃったからなー。
「結構心配してたんですよ?妖怪に食べられちゃったのかと…」
「あー、それもそれでいいかもしれませんね」
歴史を変えなくて済むから、と心の中で後付けをする。確かに幻想郷にこれたのはうれしいけれど俺が歴史に介入してはこの世界はパラレルワールド、いわば別次元の幻想郷となってしまい歴史通りに事が進まない恐れがあるのだ。よって、歴史が変わりそうになったらこの世界からどうにかしていなくなることを前提として考えている。
と、下を見ていた顔を上げ正面を見る。
「何を言ってるんですか?」
「え?」
何を言っているのかサッパリだった。何故か射命丸は険しい顔で人の顔をジックリと見つめていた。
「妖怪の私から言わせてもらえば人の命は極めて短命です。なのに何故あなたは簡単に命を投げ捨てようとするのですか?」
―――――射命丸は俺が死ぬことに何の抵抗もないことを怒っていたらしい。きっと彼女は何故俺が死ぬことに抵抗がないか知らないはず。でも、彼女は怒っていた。俺が彼女を怒らせたのだ。
「…あの、すいません」
「別にいいです。謝るのはちゃんと理解してからにしてください」
何を理解すればいいのだろうか…?そのことに首をかしげていると射命丸はにっこりと微笑み、空へ飛び上がった。
「――――――」
小さく口を動かす。声はまったく俺のところは届いて来なかったが、彼女は何故か満足そうな顔をして降りてきた。
「さ、行きましょうかね」
誰かネタ頂戴((殴




