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東方陰影記  作者: 凛
22/70

21話

今回も短そうだなー

「あややや、なんで森の中で寝てたんですか?」

「……八雲紫にやられました」

前略。俺、神崎夕月はスキマ妖怪に再び妖怪の山に連れてこられました。

あの会話がどうなったか気になる人もいるだろうが、大したことは話していない。無言のまま拮抗状態が続き、八雲紫が根負けした、という結果だ。

スペルカードルールをここに広めるために起こした言わば自作自演の異変ではあるが、誰にも話していないはずの彼女にとっては疑問点でもあったのか?

「『幻想郷の賢者、外の人間に負ける!?』は如何でしょうか?」

「なんで記事にするんですかね、油断も隙もない……」

新聞の見出しを考え始めた天狗についついため息が出てしまう。

と、その前に聞くことがあったね。

「そうだ、紅霧異変ってどうなりました?」

まさか、ここでこんな失敗をしてしまうとは思ってもいなかった。何故なら…………

「紅霧異変?」

まだ、紅霧異変はこの名で呼ばれてはいなかったのだった…………。


***

初めての言葉を耳にした射命丸は首をかしげた。

「そんな異変ありましたっけ?」

こうむいへん、そう神崎は口に出した。しかし射命丸の記憶にはそんな異変はない。

「…………っ、嘘だろ」

ありえない、神崎の顔には焦りと困惑が混じり、言葉にしにくいような辛辣な表情を浮かべている。と、思い立ったように口を開き、

「あ、あの紅魔館ってどうなりましたか?」

こう聞いてきた。

「あややや、流石は紅魔館に務めてるだけありますね。安心してください、紅魔館ならすっかり元に戻りましたよ」

と、外の世界でも聞いたことがあるような言葉ともに、紅霧異変が終わったことを告げる。

「あ、そうですねぇ。今度レミリアさん方に取材して新聞にまとめますかぁ」

が、こんなのんきな会話をしている射命丸とは対照的であったのが焦りから肩の震えが止まらない神崎である。

八雲紫ではない人に伝えてしまった、という事実が神崎の心を蝕んでいった。





「で、夕月さん。さっきのこうむいへんってなんですか?」

「あ、あのー、『紅い霧の異変』で紅霧異変なんてどうですか?」

あえて開き直ることにした神崎は、何故か文々。新聞で働くハメになってしまった。


わはー、次回は久方ぶりにチルノをだすのだー

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