2話
前もって言っておこう
今回は、短い。
目を開いた時、空はもう完全な暗闇に染まり、星が煌めきを強くしていた。一刻程度うたた寝をしてしまったらしい。
やはり、少年の目の前には霧がかった湖が存在していた。
夢であって欲しい、という淡い希望はやはり、希望でしかなかったと言うべきか。が、しかしもう一つの希望がまたふと脳裏をよぎり、少年の思考を働かせた。
「霧がかった湖…………。もしここが"霧の湖"であるなら、俺は……」
一つの仮説が立つ。少年がいたはずの世界でとある名称の元に知れた名前を口に出す。
しかし、どの仮説を証明するには証拠が必要であり、彼が思う証拠は通常の人間なら腹を抱えて笑ってしまうようなものである。通常の状態ならば赤面でもしてもだえ苦しむような回答をせざる負えなくなるのだろうが、今はどうこう言っている場合でもない。
その仮説を証明する証拠とは―――――
ーーーー氷精だ。
もし、ここに常人がいるのなら空いた口が塞がらなくなるほど呆れる事だろう。
しかし、ここがもし仮説通りの、゛幻想郷の世界゛であったら。
という仮説の証明に用いるには一番簡単な方法である、ということだ。
この周囲が縄張りである彼女達なら必ずここへやってくる。夢かもしれない、という嬉しくない期待をも打ち破ってくれるかもしれない。
求めている答えは案外早くやって来ることになるとは、今はまだ考えてもなかった。
いまだ夢か現実か否か理解が追い付かないがために、普段ならば考えないようなばかなことを考えているのだ。
「しかし…………寒いな……。昼間はあんなに暑かったのに」
身につけている制服が夏用であることが更に寒さを強調しているような気がした。
「あれ?ニンゲンがいるぞー?」
今更だけど、俺はチルノ好きではないです。
ロリコンではないです(切実)




