18話
ゆかりん書きたいけどね、ネタが無い。
「知らない天井だ……」
少し嬉しそうな顔をしながら、神崎はこう口にする。外の世界で有名であった某アニメの言葉だ。
「いやいや、私ん家だぜ?」
「……ムードを壊された」
意味わかんね、と呟き魔理沙は苦笑いを浮かべた。
「あそこで寝てる射命丸さんはどうする?」
と、部屋の隅でヨダレを垂らしながら眠る射命丸を指さす。「もう食べれませんよぅ」とか言ってるところ、好物でも腹一杯食べている夢でも見ているのだろう。
「ほっとけほっとけ。ほら夕月、早く飯食って霊夢のところ行くぞ」
机の上にある、見慣れないカラフルな色をしたキノコを指さす。赤や青、緑に黄色……etc。それがこんがりと焼き上げられ、意味のわからない絶妙な色合いを見せている。 神崎の頬に冷や汗が流れる。外の世界では、カラフルな色をしたキノコは毒キノコ、という概念があったため、どの角度から見ても神崎には毒キノコにしかみえなかった。
「ねえ、魔理沙さん。これって毒キノコじゃないよね?ね?」
「あ?私のキノコが信じられないのか?平気に決まってんだろ!…………多分」
「何で多分ってつけたぁぁぁぁっ!!!」
***
「…………美味かったよ」
「っだろ?」
拗ねた様に床を指でつつく神崎を見て、魔理沙は腹を抱えて笑う。
「ハハッ、あかん、ハハハ。は、腹がよじ、よじれるぅアハハハッ!」
脇腹を押さえ、ものが散らかった床を転げ回る。ジタバタと動く足が様々な物を蹴っ飛ばし、さらに部屋の中を汚くしていく。
「ずいぶんにぎやブッ!?」
あまりの騒がしさに目が覚めた射命丸の顔に厚さ10センチはあろうかという本が激突する。突然の痛みに寝ぼけていた思考が一瞬で繋がり、状況を判断しようと部屋を見渡す。
床を指でつつく神崎と笑い転げる魔理沙、そして机の上に置かれた2人分の空の皿。
大体理解はできた。
大きなため息をつき、射命丸は机の上に置かれている焼きキノコを頬張った。
***
「で、それが噂の人間?」
焼きキノコの1件から約1時間後、魔理沙達は博麗神社に訪れていた、というよりも神崎は無理やり連れてこられた、と言った方が正しいかもしれない。射命丸と魔理沙に見張られながらここまで歩かされた神崎は何故か疲労困憊状態であった。
「そうなんですよ、霊夢さん。いやー、私も偶然妖怪の山で出会いましてね」
「私は取材中の2人を発見した感じだぜ」
神崎は、取材を受けたことを悔やんだ。取材さえ受けなければこうはならなかったであろうと。
まさかこの状況下でーーーー、
「まあ、自己紹介ぐらいはしとくわ。私の名前は博麗霊夢。この博麗神社で巫女をしているわ」
この世界のキーパーソン、博麗霊夢と出会ってしまったのだから。
毒TENGAダケ




