15話
初めての自機組!
時は少し前に遡る。
神崎が紫によって妖怪の山に連れてこられる前の話。
―――
――――
―――――
「なぁ、霊夢。知ってるか?」
「突然どうしたのよ、魔理沙…。とうとう頭でも壊れた?」
煎餅を頬張りながら、博麗霊夢は呆れたように霧雨魔理沙を見つめた。
あ、もとからか。そう付け足し、霊夢は茶を啜った。
「…いくらなんでもそれは酷いぜ」
「あら、そう?」
魔理沙はムッと、頬を膨らませ、霊夢を睨みつける、が当の本人はまったくの知らん顔をし、二枚目の煎餅に齧り付いていた。
「で、何をしってるのよ?」
「おお、そうだそうだ。実はな、外の人間が幻想入りしたらしいんだぜ」
ふーん、と呟き霊夢は魔理沙に煎餅を差し出す。
「それだけ?」
「いやいや、それだけだったら私も何も言わないんだぜ。実はそいつが紅魔館で働いてるらしいんだ」
実に喜々揚々として話をする魔理沙。
しかし、霊夢はたいして興味はないようであった。いつも通りに煎餅を頬張り、縁側でのんびりする姿に魔理沙は少し戸惑っていた。
「あれ?興味ない感じか?」
「別に、助けに行く義理でもあるわけじゃないし」
「お前も冷たいやつだな…」
呆れたような目で霊夢を見つめた魔理沙ではあったが、結局のところ魔理沙もその人間を助けに行く訳ではなく、いつも通りの他愛もない会話の一部であった、ということだ。
「あやややや、その話気になりますねぇ」
実をいうところ、射命丸はここで初めて紅魔館に神崎がいることを知ったのだ。ネタ探しにフラフラしていたところ偶然耳にした、というだけなのだ。
「行ってみますか」
と、方向転換し、紅魔館へと向かったのだが、タイミング悪く今はいない。と門番に突き返され、トボトボと帰宅している最中に彼を見つけたのであった。
「…夕月さん。貴方方向音痴ですね…」
「ナンノコトカナー」
煎餅食べたいなー




