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東方陰影記  作者: 凛
11/70

11話

ゆかりたんじゃない。

ゆかり たんだ。

事の発端は数か月前のこと。

貴方が幻想郷に来る少し前の話になるわ。

その日、私は能力を使って外の世界に来ていた。幻想郷とはまた違う景色が面白かったりするしね。

そんないつも通りの外出の日に貴方が現れた。外の世界の人間とは違う変わった空気に私は慣れ親しんだもの、という感覚を得たわ。私は貴方の後をつけることにした。

いや、そんな眼で私を見ないで頂戴。やめて、引かないで。

ゴホン、続けるわね。

そして貴方は、無意識に能力を使っていたわね。自覚がなくて当然。

だってそれは自動発動する能力でもあるから、自身が認識しない限り無意識のまま、自動発動するままだわ。

能力は何かって?少し待ちなさい。

貴方がその能力を使い続けるようでは、外の世界に混乱や、戦争をもたらす可能性があるからね。

だから私は、貴方を幻想郷に連れてきた。




――――

――――――

――――――――

「まあ、かなり簡略化したけどこんなものよ」

「……」

訳が分からない。自分が能力持ちだなんて、信じられなかったし、何より…

「あんだけ、深そうな話をしといて300文字程度とはあんまり深くなかったな」

「メタイわね…」

肩をすくめながら、八雲紫はため息をつく。

いや、だってそうだし。そこまで理由深くなかったし。途中訳分かんないのはさんだし。

「で、ここまで来たんだ。俺の能力を教えてくれるんだよな?」

「貴方一気に口悪くなったわ」

仕方のないことだ。威厳が感じられなくなったものには敬語など必要ない。

「じゃあ、そんな君にはちょっと悪戯をしましょう」

えい。

これが最後に聞いた八雲紫の言葉だった。足元にスキマを開かれ、為すすべなくスキマの中を落下し、元の場所ではないところに叩き出された。

せめて元の場所に戻せよ。ていうかここはどこですか?

そう思い、目の前の景色を見上げ、愕然とした。

目の前にあった景色とは…






山。そう、他者の侵入を拒む妖怪の山であった

短いのがお好きなんでしょ((殴

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