11話
ゆかりたんじゃない。
ゆかり たんだ。
事の発端は数か月前のこと。
貴方が幻想郷に来る少し前の話になるわ。
その日、私は能力を使って外の世界に来ていた。幻想郷とはまた違う景色が面白かったりするしね。
そんないつも通りの外出の日に貴方が現れた。外の世界の人間とは違う変わった空気に私は慣れ親しんだもの、という感覚を得たわ。私は貴方の後をつけることにした。
いや、そんな眼で私を見ないで頂戴。やめて、引かないで。
ゴホン、続けるわね。
そして貴方は、無意識に能力を使っていたわね。自覚がなくて当然。
だってそれは自動発動する能力でもあるから、自身が認識しない限り無意識のまま、自動発動するままだわ。
能力は何かって?少し待ちなさい。
貴方がその能力を使い続けるようでは、外の世界に混乱や、戦争をもたらす可能性があるからね。
だから私は、貴方を幻想郷に連れてきた。
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「まあ、かなり簡略化したけどこんなものよ」
「……」
訳が分からない。自分が能力持ちだなんて、信じられなかったし、何より…
「あんだけ、深そうな話をしといて300文字程度とはあんまり深くなかったな」
「メタイわね…」
肩をすくめながら、八雲紫はため息をつく。
いや、だってそうだし。そこまで理由深くなかったし。途中訳分かんないのはさんだし。
「で、ここまで来たんだ。俺の能力を教えてくれるんだよな?」
「貴方一気に口悪くなったわ」
仕方のないことだ。威厳が感じられなくなったものには敬語など必要ない。
「じゃあ、そんな君にはちょっと悪戯をしましょう」
えい。
これが最後に聞いた八雲紫の言葉だった。足元にスキマを開かれ、為すすべなくスキマの中を落下し、元の場所ではないところに叩き出された。
せめて元の場所に戻せよ。ていうかここはどこですか?
そう思い、目の前の景色を見上げ、愕然とした。
目の前にあった景色とは…
山。そう、他者の侵入を拒む妖怪の山であった
短いのがお好きなんでしょ((殴




