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強奪作戦 前編

物語の変更情報

以前登場した女騎士の名前をアメリアにしました。


俺はエリザを伴って宿を出ていく。

あまり人通りがない。人口の割に通りが閑散としているのはサハルーンと変わらない。


「…」


エリザは朝から口を聞いてくれない。

昨夜のことを怒っているのだろう。


いや、俺も美少女と触れ合う機会が今までなかったせいでかなりテンションが上がっていたのだろう。


反省はしてないけど


「そんな怒るなよ、最後の方はエリザもノリノリだったじゃないか」


「見間違いよ、神に誓ってもそんなことはないわ」


「ほう?

なら今晩もう一度試してみるか」


「なんでそうなるのよ!」


本当に可愛いやつだ。


なんて言いながら通りを歩いていく。

今回の目的は食材の確保だ。


今後の予定は、商隊の馬車を乗り継ぎ、ベイズの町まで行く予定だ。



ちなみにエリザはフードつきの外套をかぶっている。この閑散とした街の中ではエリザは目立ちすぎるのだ。








歩いていると人だかりを見つける。

何かと思い近づくとそれは掲示板だった。


そこには張り紙がしてあり、次のような内容が書かれている。


====================

告示

明日これらのものの公開処刑を行う。


ミリー 魔女の罪

マリー 魔女の罪

エリー 魔女の罪

ルドル 強盗殺人の罪

ダイソン 強盗殺人の罪

アメリア 国家反逆罪


====================






そうかもうひと月経ってしまったか、


ここアキスト聖王国ではひと月に一度だけ公開処刑を行う。


罪人や、魔女と断定されたものなどはこの日にまとめて処刑されるのだ。


王都の処刑人数はサハルーンとは比べ物にならない。


サハルーンの処刑人数がだいたい4~5人に対して王都では30人くらい名前が載っている



まあ、そんなことはだいたい予想できていたことだ。




問題なのは一番最後に載っているアメリアという名前だ。


どうも聞き覚えがある。以前剣を買っていった女騎士が確か同じ名前だった。


もしアメリアが同名の別人ならば問題はないが、以前の女騎士だった場合は何がなんでも助けたい。


そう、あれは一目惚れだった。

突然異世界に生まれ変わり、全く花のない人生を1年間続けた。そしてこの世界に絶望しかけたとき、彼女は現れたのだ。まさに砂漠の中のオアシス!


という訳で助けよう


実際のところ結構ギリギリだ。救出に使おうと思っている火薬は相当な量で、1年間貯めてきたものだ。一度使ってしまえば、次誰かを助けようと思った時に出来なくなる。それに同じ手が何度も使える筈がない。


それでもアメリアは助けたいのだ。


しかしどうもきな臭いな

というか国家反逆罪って何をやったんだろう…



「ちょっと。何を見てるのよ」


俺が動かないことに焦れたのか、エリザが話しかけてくる。


「用事ができた」


そう言ってエリザの手を握り、急いで商業地区に向かう。


「ちょっと!いきなりなんなのよ~」











まずは馬を2頭買った。店で売っていた中で一番速い奴を売ってもらった。

値段は一頭あたり金貨5枚だった。



エリザに馬の扱いを聞いたところ


「馬なんて余裕よ、余裕。」


というので当てにさせてもらう。



そのほかにも魔道具店、道具屋、鉱石屋、不動産屋などを回って救出に必要だと思われる道具を買い揃えていく。


ここまでにかかった金額は金貨30枚ほどだ。




俺は夜を待って、不動産屋で入手した地図を元に処刑場のすぐ前に巨大な鉄塔を建造し始めた。


鉄塔の高さは約20mほどだ。


魔法の袋から取り出した鉄を鋼に加工しながら、ひとつずつ骨組みを魔法で形成していく。


鍛冶魔法のおかげで溶接などは必要なく、また魔法の袋があるため大型のクレーンも必要としない。


俺一人だけで鉄塔を製作組み立てできてしまうのだ。


正直鉄塔だけなら作成するのに一時間もかからなかっただろう。

一番苦労したのは鉄塔を固定するために掘った穴だ。


完成した鉄塔はまさに日本の送電塔のような姿をしている。違うのは飛行機の衝突を避けるための赤いライトがついていないことだろうか



処刑場付近の鉄塔を建造し終えた俺は次に城壁の南出口付近に同じように鉄塔を建造し始めた。

先ほどの鉄塔とは違い、高さは5メートルほどしかない。


鉄塔を建造し終えた俺は5メートルの鉄塔と20メートルの鉄塔の間を鋼のケーブルでつなぐ。



すべての準備が整う頃には既に周りが明るくなり始めていた。




「あんた一体何者よ」


ここまでの作業を間近で見ていたエリザは驚いている。


「この世の全ての美少女を手に入れる男だ」


そう言って俺はにっと笑った。










「さて、強奪作戦を始めようか」













~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ここはとある酒場の前だ。


「ひっく」


今日はは飲みすぎちまったな

がこーん

酔っ払っているせいか、前をよく見ていなかったので何かにぶつかってしまった。


「痛てて」


おかしいな、いつも通ってる道なんだがな…


そう思い、思わず上を見上げる。


「なんじゃこりゃ!」


すると夜の帳に包まれた巨大な建造物がそびえ立っていた。



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