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闇オークション 後編

「あんたが私を買った貴族ね、貴族なんてみんな死ねば良いのよ」



そう言ってエリザはそっぽを向いた。こちらの顔を見ようともしない。

仮面をしているので見ても意味は無いが....



「こら! も、申し訳ありません。奴隷商の話ではこのような事はなかったのですが....」


係りの者が冷や汗を流しながら弁解する。


「器量はいいのではなかったか?」


俺は少しドスの効いた声で訪ねた。あわよくば値引きしてもらおう。


「本当に申し訳ありません。


ですがお客様好みに*調教*されるのも一興かと....」



*調教*という言葉を聞いてエリザが一瞬ピクリとする。

俺はそれを見逃さなかった。



「そうだな無理矢理言う事を聞かすというのも悪くないな 。ハッハッハ」


俺はそう言って笑うと、今までそっぽを向いて無視を決め込んでいだエリザはこちらを向くと、凄い勢いで睨んでくる。


この優越感がたまらない。



「そうですか で、では早速お支払を...

支払いは一括でよろしいですか?」


係りの者は俺がその気になっているうちに早く契約してしまいたいようだ。


「ああ、大丈夫だ」


そう言うと俺は魔法の袋から金貨1000枚を取り出し、机に積んだ。



「魔法の袋をお持ちでしたか....どうりでお荷物が少なかったわけですね。


契約はこの首輪にお客様の血液を一滴たらしたら終了です。


この契約が完了すればこの奴隷はお客様の命令に逆らえません。」



俺は親指の皮膚を少し噛み切り、エリザにはめられている首輪に押し付けた。

一瞬、首輪が淡くひかり契約は完了したようだ。


意外にもエリザは大人しくそれを受け入れている。



「有難うございました。またのお越しをお待ちしております。」


係りの者はそう言って帰ろうとする。


俺はその背中を見送って

....いやいや、


「ちょっと待て!」


「えっと何でしょうか?」


俺は少女を裸で連れ回すような鬼畜に見えるのだろうか....

ちょっとショックだ。


「この奴隷に着せる服を1着貰いたい」


「かしこまりました。別料金になりますがよろしいですか?」


「ああ」


「これを着ろ」


そう言って買ったばかりの無地で飾り気のない服を渡す。

心底意外そうな目で一瞥すると、無言で受けとり、そそくさと着た。


「何か言うことはないのか?」


「ふんっ」


俺がお礼を促してもそう言ってそっぽを向いた。そんな事されたら、ちょっと意地悪したくなってくる。


「いいのかな~そんな態度で。お前はもう俺の奴隷なんだぞ。

何を言えばいいか分かるよな?」


逆らうと酷い目にあっても知らないぞと匂わせながら少し脅してやる。



「もっとかわいい服を寄越しなさいよね!」



全然分かっていなかった。







「エリザはなんで奴隷になったんだ?」


「....」


「そう言えば王都に着いてから忙しかったら宿も取ってないんだった」


今俺たちが何処に居るかと言えばまだオークション会場からそう離れていない大通りだ。

そこをエリザを後ろから抱き抱えるような格好でゆっくり歩いている。エリザは小さいので腕の中にすっぽり収まる。


モミモミ


既にあたりは真っ暗だ。時間にして23時を回っているだろうかといったところだ。

大通りを歩いている人はほとんどいない。


「エリザは王都には詳しいのか?」


「....」


モミモミ


オークション会場を出てからずっとこうだ。

会話をしてくれない。


仕方なくエリザのささやかな胸を堪能している。


モミモミ












「あーーーもうっ

分かったから、分かったからやめて!」


やっと分かったか....

仕方ないので離してやる。少し名残惜しいが、この後宿に行ってからゆっくり堪能すればいい。

エリザが口を開く。


「で、何で宿なんか探してるのよ」


何を言っているんだコイツは

野宿でもする気か?


「そんなん泊まるために決まってるだろ?」


「違うわよ、そうじゃなくて何で貴族のあんたが宿屋に泊まるのかって聞いてんのよ」


ああそう言う事か。そう言えば契約の時も俺を見て貴族がどうのこうのと言っていたな。


「あーー。言ってなかったっけ

俺、ただの商人だから」


「うそ、あんなにお金持っているのなんて貴族のボンボンくらいのものよ」


「何事にも例外というものはあるものだ」


「というかあんた何歳よ」


「16だ。 」


本当は違うけどね


「それと俺の事はレン様もしくは御主人様と呼ぶように」


「....」



「宿屋は高いところでもいいのかしら?」


え、流すんですか?マジですか....



「ああ、どこでもいい。」


「ほんとに!じゃぁお風呂がついているところがいいわ!!」


相当長い間入れさせてもらえなかったのだろう。日本人ならわかると思うが一度お風呂というものを体験してしまうと、何日か入れないだけでかなり辛い。もちろん商品なのだから綺麗にはされていたとは思うがそれにしたってシャワーが限度だろう。


さっきまでの不機嫌は一瞬にして吹き飛び、目をキラキラさせている。


「風呂か....。俺もしばらく入ってなかったからちょうどいいか」


それにエリザとお風呂に入るのは悪くない。




「そんで、場所は知ってるのか?」


「私が知るわけ無いでしょ!」


「はぁ」


ため息が出る。


「な、なによ」


使えない女だ


「何でもない」




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