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RPG風の世界で、色々みなさん頑張ってる物語

休暇中につき失礼します -”呪われました”の23作目-

作者: 茶屋ノ壽

 ここは、とある辺境の”お山”です。呪われてしまった娘さんのシルフィさんは、その呪いの為に起きた事件で、命を救われたビリー師匠に、辺境のお山へ行きました。それから、1年と少し、そのシルフィさんとお山の面々は、本日、綺麗なお月様をを”お山”の神社の境内で眺めています。

 今宵もよい月ですので、また宴会でもしませんか?と言い出したのは、堕天使のエルさんでした。彼女は”お山”の鍛冶屋さんの竜の人に、前回のお月見で、ひっかけられて(物理的に)堕ちてきた、天使さんです。

 なので、あまり月見には、良い印象をもっていないんじゃないかな?とシルフィさんは思っていましたが、どうやら違うようです。もしくは、開き直ったのでしょうか?

 それはともかく、そのような宴会が大好きな面々ですので、日が落ちるか落ちないかという時間帯から、ぞろぞろと、神社へと集合し始めています。まず、この神社の主であるところの神主さんであり、初代と親しまれているヤマトお爺さんさんです。

 お爺さんとは言っていますが、姿勢もきれいで、矍鑠かくしゃくとしていらっしゃいます。白い髪の毛と白い顎髭の、ダンディさんです。このお爺さんが、ゆるりと、ホストを務めます。

 へらり、と笑いながら、そのそばで赤い大きな杯で、透明な飲み物をやっていらっしゃるのが、この神社で祭られておられる神様で、名をナギさまといわれます。見た目は、涼やかなスーツ姿の優男で、ネクタイをゆるめて肌をちょろりと、見せているなんとも、色気のある、遊び人風の美青年です。

 そのお隣で、男らしく立膝をついて、ぐいっと綺麗なカットグラスについだ琥珀色の液体をのどに流し込んでおられる、パンツスーツの迫力のある女性の方は、ナミさまとよばれる神様で、ナギ様の奥方さまです。飲んでいるのはいい感じに樽で寝かせておいた、良い薫りの、また結構度数の高いお酒であるはずなのですが、ほとんど顔色が変わっていません。が、微妙に旦那様にしなだれかかっているので、いい感じではあるようです。

 また、その近くで小さなグラスに注いだ”蒸留酒”をあおっている、青いごつごつしたズボンと、茶色のチョッキを着た”西部”の”ガンマン”スタイルの小柄な青年がいます。彼は、ビリーといいます、シルフィさんの”銃”の師匠です。ちなみに、彼の飲んでいるお酒は煙草をくゆらせながらは飲めないそうですよ、火がついて危ないのです。しかし、こちらもまた顔色も変えずに杯を進めています。楽しそうなので酔ってはいるようですが。

 そのそばて、ちょこんと座って、果実のしぼり汁、いわゆるフレッシュジュースを飲みながら、ちょこちょことサンドイッチなどをつまんでいる、かわいらしい少女がシルフィさんです。師匠の”ガンマン”スタイルとそっくりな、恰好をしています。10歳ちょっとくらいの、銀色の髪の少女さんです。

 彼らの前の境内の開けた場所で、舞いを舞っていますのが、ヤマトおじいさんがその奉る神などと作成した式神さんです。式神というのはオカルトの分野で作成された人工生命体のようなものです。彼の名前は四季君といいます、容姿は(今は)黒髪の美少年です。ゆったりとした緑色のずぼんのようなものを穿いて、白い合わせの服を着ています。

 満月の光を浴びて、ゆったりと、優雅に舞っています。

「指先がなんとも色っぽいですね」とナギ様が言います。ちょっと笑顔が怪しい感じです。

「お前は、男もいけるのか」あきれた顔の奥様、ナミ様ですが、少し表情が険しいというか、怖い笑みです。

「発想が下品だねー。もちろんいけますよ」それが何か?という表情のナギ様です、そして、少々距離を取るビリーさんです。

 お月見に参加しているのは、お山のいつもの面々に加えて、ひょろりとこちらに顕現されております、ヤマトさんの昔馴染みもおられます。一見狸にしか見えないおかたがとっくりを片手に、ひょいひょいと歩いていくるとか、同じくお狐様が服を着て、手土産に油揚げを持って来たりしています。大きいところでは、身の丈が神社の屋根を超えるほどの、大男や、普通の人ほどもある、大きな首だけがゴロンと転がってきたりしています。小さいところでは、膝ほどの身長の小人が、かわいらしい酒器を手にちょこんと座ってお月見をしています。

 頭にお皿を乗せたような容姿で、緑色の皮膚、背中に甲羅をしょった青年風の御仁は、ひょうたんから酒を、となりにいる、草で編みこまれたような平べったい体に目鼻がついたような御仁の杯ににこやかに笑いながら注いでおりました。

 目も鼻も口もない小僧さんは、いったいどこから飲み食いをしているのでしょうか?確かに目の前の酒も料理も楽しんでいるようなのですが。

 みなさん、和やかにお月見を楽しんでいるようです。


 空から、大きなものが、はばたく音が聞こえます。ごうっと迫力のある風切音がしたと思うと、境内に大きな黒い山が出現します。

「いやあ、すまないすまない、遅くなった」そのお山は、轟々とした声を周囲に響かせます。お山は、長い首を持ち、大きな翼で空を飛び、黒い鱗が月光にあたってピカピカ光る、黒い大きな竜の人でした。彼の名前はヤミさんといいます。御年10万と38歳だそうです。

「遅れましたー、ちょっと出がけでバタバタしましてー」ひょいと、その竜の人の背中から顔をのぞかせたのは、堕天使のエルさんです。金色の長い髪を邪魔にならないようにまとめている、スタイルの良い美人さんです。黒い翼がチャームポイントですね。

「これで大体そろいましたかね?」ヤマトさんがおっしゃられると。

「ええと、Dungeonさんがまだですかね?」シルフィさんが、コップを片手にそう言いますと、それと同時くらいに、ぼこんという音がして、境内の隅のほうの地面に扉が出現します。外開きの扉が、ぎー、と音を立てて開き、なかから白い髪の女性が、手荷物をもって現れました。

「すいません、料理の準備に手間取りまして……遅れました」意外によく通る声で話すのが、Dungeonの核が直接制御している、現身うつしみです。

「それはいいですが、帰るときには、埋めておいてくださいね、その出入口」苦笑しながら、注意するヤマトさんです。

「ええ、もちろんです。……いろいろ怖いですからね、ここと空間がつながっているというのは」ちょっと、びくびくしながら言うDungeonさんでした。

「こんばんはです、Dungeonさん、今朝ぶりですね」シルフィさんがにこにこと笑いながら、挨拶をします。

「ご主人様、こんばんはです。はい今朝もありがとうございました!」目をキラキラをさせながら、朝の訓練?を思いだすDungeonさんです。そして、彼女は、手荷物を広げます。

「今日は、各種おいしい”飲み物≒お薬”や”珍味≒何かのお肉”、を用意してきました」ダンジョンで生成されるアイテムをざっと出していきます。

「これは、また、怪しい雰囲気だな」笑いながら、ビリー師匠がそれらを手に取ります。

「ああ、その瓶の飲み物は、すごいですよ、寝たきりのご老人が、飛び起きて、一山くらいは越えて走ることができます」

「へー、おもしろそうだなどれ」ぐいっと飲むビリーさんです。

「そのあとで、ご老人はどうなったのですかな?」ヤマトさんが、何気なく訊ねます。

「安らかに旅立ったそうです!」にっこりと笑いながら言うDungeonさんと、それを聞いて液体を吹き出すビリー師匠でありました。



「ところで、どうしてまた、月見をしようなんて言い出したんですか?」不思議そうにエルさんへ尋ねるのは、ヤマトさんです。

「いえ、特に理由らしい理由はないのですけどね?まあ、月が綺麗だから?ですかね?」歯切れの悪い堕天使のエルさんです。

「あー、確か、彼女の象徴される惑星が”月”だったから、という理由だった、という話もあるんですよ」ヤミさんが、フォローします。

「ああ、確かに。象徴されるのは”水”と”月”だったかな?」ナギさまが、意外に博識なところを示します。

「ええ、まあ、そんなところで」

「実はね、彼女そろそろ、また宴会が必要になったんですよ」人の悪い笑みを浮かべながら……いえ、爬虫類顔なので、表情はよくわかりませんが雰囲気で。

「ちょっと、いわないでよ!」

「まあまあいいじゃないか、それでなんでかというと、そろそろ堕天から回復しそうだったから、また宴会で”堕ち”の要素を稼ぐひつようが……ぐえ、やめろって」軽く、首を水の蛇で絞められているヤミさんです。

みなさんは、あー、という表情ですが。最近この竜の人と堕天使の彼女、仲がよいなー、とかシルフィさんは思います。


「すばらしい!すばらしいだらけっぷりですよ、貴女!」ブラボーというような声が聞こえてきそうな、テンションの高い声が辺りに響きます。声の元へ視線を向けると、そこには、黒い色の服で、背中の下が二つに分かれている光沢のある服(いわゆる燕尾服ですね)と、円筒状の黒い帽子のつばに白い手袋をつけた手を添えて、小脇にステッキを抱えている、小柄なご老人がたっていました。

「おやおや、これは珍しい」ヤマトさんが、呟きます。

「ほんとだな、こんな場所に、のこのこでてくるのは珍しい……狩るか?」物騒な物言いで、笑いながら、ゆっくりと立ち上がるナミ様です。なんでこの柱、いちいち男前なんでしょうか?

「どなたさんなのです?」小首をかしげて訊ねるのはシルフィさんです。

「これは失礼いたしました、かわいらしいお嬢さん。わたしはこういうものでありまして」パチンと指を鳴らすと、ぽんという音とともに、名刺がシルフィさんのもとに現れます。

「えーと、『万魔殿人材発掘課課長代理心得見習い メフィストフェレス三世』さんですか?」長い肩書ですね、とつぶやきます。

「おきがるに、めーちゃん3世とお呼びください」

「ええと?つまりどういうことなんでしょうか?」シルフィさんが、高いところに頭がある、巨大な竜の人であるところの、ヤミさんを仰ぎ見ながらたずねます。

「平たく言うと、あれは、”悪魔”だね、人の弱みに付け込んで、非常に不平等な取引をする種族、かな?」ヤミさんが解説します。

「とんでもない、明朗会計ですよ?現金大歓迎であります」大げさに否定してみせる3世です。

「それで、いかようなご用でしょうか?」ここの責任者であるところのヤマトお爺さんがたずねます。

「有り余る若い血潮を社会悪の為に生かしてみませんか?ひらたく言うと、そちらの”天界”から転がり落ちたお方のスカウトですが」にっこりとほほ笑みながらです、あと、大きなカバンから各種パンフレットを取り出します。

「『社会悪』って。うーんそれで勧誘されるかたがいるのでしょうか?」ひそひそと、四季さんが、シルフィさんに耳打ちします。

「?さあ?でも、一応エルさんお話を聞く態勢のようですよ?」シルフィさんは、おなじくひそひそと会話を返します。


「条件はどうなっていますの?」上品な笑みに、下心を隠しつつ、パンフレットをぱらぱらとめくるエルさんです。

「貴女様ですと、前職の報酬をかんがみて、プラス、こちらにこられる状況を利用して、交渉を有利に運べますので……こんなもんでしょうか?」ぱちぱちと、木製の計算器具を長い爪が伸びた指ではじく3世さんです。

「年収ですか!」驚きの表情のエルさんです。

「ええと、これは月収ですが……、貴女、前の職場、どんな薄給で働いていたんです?」ちょっと驚きの表情の3世さんです。

「恥ずかしいことですか、給金のベースが物価を反映させられなくてですね……トップの採決が下りないというか、そもそもトップが部屋からでて来ないとか……」ごにょごにょと、気まり悪そうに言うエルさんです。

「噂は本当でしたか……、そちらのトップさんが、もう数百年単位で外に出ていいないというのは」冷や汗をかいているのは、驚愕の事実をしってしまったからでしょうか?

「そろそろ2000年くらいになりますかねー」遠い目をしているエルさんです。

「半端ないですね、その引きこもり具合。ともかく、こちらは、かなりの高待遇ですよ?週休二日の上、残業は基本発生しませんし」

「正直ひかれるものはあるのですが……わたしだけ、そちらへ引き抜かれると、元同僚への負い目がですね……」

「……いっそ、貴女からご紹介してくださいませれば、希望者をまとめて引き抜きますが?」

「ぐらっとくる提案ですわね」


 悪魔の3世が用意した、パンフレットを借りて、酒のつまみ替わりに読んでいるのは、黒い竜の人のヤミさんと、神主のヤマトさんと、その奉る神さまのナギさまと、その妻であるナミ様です。

「結構条件いいねー、明るいオフィス、開かれた会議室、保養施設も万全?というか、今地獄谷って、温泉になってるんだー」興味深々といった感じでいうナギ様です「うーん、これで報酬があれかー、ねえ、彼女の変わりに私を雇わないかな?ぐえ」とんでもない意見をいって、妻にのどを絞められる堕神でありました。

「仕事の内容が、回ってきた書類にハンコを押すだけの、簡単な仕事です……ですか?いや、条件良すぎてかえって胡散臭いよこれ?」ヤミさんは、パンフレットを見えない手で宙に浮かせて、言います。

「”悪魔”の種族的な特徴として、契約については、嘘はつけないはずですから。まあ、何か意図的伝えてないことがあるのは、確かでしょうね」ヤマトさんが言いきります。

「そんなものなんですか?」シルフィさんがたずねます。

「”悪魔”との契約なんてそんなものです……もっとも、契約の隙間をついて、自分のいいように話の展開をもっていこうというのは、人の方も同じなんなんですけどもね」ぱらぱらと、妙にいきいきとした表情の悪魔社員達が働くオフィスの写真を眺めながら、言うヤマトさんです。

「それにしても、エルお姉さん、生き生きとしてますね」シルフィさんが、ちょっとびっくりしながら言います。

「本来、ああいうビジネス的な会話も好きなんでしょう。仕事中毒っぽい面が前々からみられてましたし、相手が”悪魔”というのも、交渉しがいのある相手でしょうしね」ヤミさんが解説します。


「さてそれでは、契約を結ばれますか?」ちらりと、妙にざらざらした羊皮紙のような契約書を取り出す3世さんです。

「その前にですね、もう少し質問がありまして……。この、小さく書かれている特記事項にですね、就業時間に生じた案件の責任は本人へ帰属いたしますという一文の意味を、詳しく」

「ええ、それはもう、自分のお仕事に責任をもつことは当たり前のことでありますよね」冷静に切り返しているように見えます。

「それとですね、このオフィスの写真に写っている、印鑑?結構ごついやつ、ええと印章といった方がいいのかな?これ、尋常じゃない”力”が込められていますよね」

「まあ、結構、権威のある許可印章でありますからね、いえ、内容の吟味などは、多数の優秀な部下がやってくださいますから、貴女様はただ、印を押していただければ……」

「というか、これ、”悪魔”の”契約”印でしょう?」にっこりと笑いながらエルさんです。

「いえ違いますよ」にっこりと笑う3世さんが答えます。「これは、魔王印ですから」

「なお悪い」


「『まおういん』というのはなんですか?」シルフィさんが、ヤマトさんへたずねます。

「まあ、言霊に込められた意味を素直に受け取ると、魔界のトップか採決を行う印章でしょうね」

「そうゆのを、ほいほい押していいです?」

「まあ、ダメでしょうね、そもそも、責任者以外が押したら、それだけで犯罪です、首が飛びますね……物理的に」にこやかに言うヤマトさんです。


「さて、申し開きはあるかな?」すらり、と物騒な刃物(槍)が月光の白い光を反射します。

「すいません、でも、今私たちも困っているんです」少々早口になりながら。「魔王様がお部屋に引きこもってしまって、裁可が必要な書類がたまりまくってるんです。同じくらいの霊格のかたに、とりあえず早急に必要な案件の印鑑を押してもらわないと、こまるんですー」

「えっと、そちらも?」

「恥ずかしながら、『誰にも会いたくない』と張り紙をされまして……、中から反応がないまま幾星霜……」ちょっと遠い目をしている3世さんです。

「公爵連中はなにしてるの!」

「蠅の御方は腰痛が激しく、現在温泉治療中ですし、審問官の大公爵さまはそもそも通常の職務が回っておりませんし、深海の御方は”新しくて古い神”との折衝で動きが取れませんし、色事師様はそもそも霊格が少々足りませんし……とにもかくにも、悪魔材不足でありまして……」ちょっと情けない表情の3世です。

「大丈夫なのそっち?」

「正直そろそろ限界ですね……もともと勤勉とは言い難い性格の集団ですし、いまではいろいろなところでほころびが生じています。かろうじて、比較的責任感のある方々が回していますが……」ここで一息つき次の台詞を言います。

「ハルマゲドンもちかいでしょうなー」棒読みですね。

「地獄の窯のふたがあいちゃいますかー」こちらも棒読みのエルさんです。「て、それはダメじゃないですか!」はっと表情を変えて。

「ええ、なので、助けると思って!貴女様ほどの霊格の方が、堕ちてきたのは千載一遇の機会なんですよ!正直いいたかありませんが、報酬は天井知らずです!」

「そんなことわないわよ、わたしはもともとはただのひらてんしですから」

「そこで、棒読みであからさまにごまかさないでくださいませんかぁ!」泣きそうな3世です。


「なんだか物騒な話題なのです?」シルフィさんが、果実のしぼり汁(柑橘類味)を飲みながら言います。

「まあ、”あちらの世界”の話ですし、”こちら”までは影響は薄いでしょう。さらには、およそ100年単くらいの期間は大丈夫だと思いますけどもね、あの方々の時間の単位は結構悠長ですから」悪魔と堕天使のやり取りを魚に杯を重ねるヤマトさんが解説を入れます。

「へー」

「安心しなよ、シルフィ」くいっと、ショットグラスを空けるビリー師匠です。

「師匠?」

「いざとなったら、ひきこもっている”まおう”を扉もろともふっとばしてやらあ」からからと笑う小柄な青年でありました。

「さすが師匠です!」キラキラとした尊敬のまなざしを向けるシルフィさんでありました。

「……びりー、酔っているね。そもそも魔王を吹き飛ばしてどうするの?」竜の人のヤミさんがあきれて言います。

「いっぱつで治るお薬あるよ?」Dungeonさんが怪しげな色の液体が入った小瓶をどこからともなく出します。無言でビリーのグラスに注ぐヤミさんです。そして、よく確認せずに、飲み干して倒れるビリーさんです。ビリーさん、顔色が人としてはあり得ない色になっていますね。

 みなさんそれを見て、けらけらと笑っています。シルフィさんは、あわてて介抱していますが。


 ”どこか”で、地獄の蓋が開きそうになっていますが、平和に月見を行えるくらい、おおむね平和な、”お山”の日常でございました。





ちなみに……


「どうにかなりませんか?」

「短期のバイト扱いなら……なんとか?」


魔界の危機は、とあるパートタイマーによって、当面は避けられたようですよ。












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