『 妄想し過ぎて 』
僕が付き合っているのは、果たして人なのか猫なのか。
「珠子、そろそろハッキリさせようと思うんだ」
裸にして見つめても、ぺたぺた体中触ってみても……結局何をしても、彼女が人なのか猫なのか分からなかった。
だから僕は、覚悟を決めたんだ。
「で、僕を呼んだの?」
最後の手段。
友達に判断して貰うんだよ。
「彼女が人か猫か、ねぇ」
妄想し過ぎて猫が人に見える。
妄想し過ぎて人を猫だと思い込む。
どっちにしろ恥ずかしいけれど、仕方ないさ。
「さ、教えてくれ」
「……その前に、僕の事はどう見えてるのか教えて欲しいな」
友達が笑った。
彼女も笑った。
友達がハトに思えてきて、僕も笑うしかなかった。