6)実験開始!?
肝心のこの事件に巻き込まれた当事者である集団登校中の皆さんですが、実は目撃者が少ないんです。
朝の登校時間。これって出勤時間とも重なると思うんですが、う~ん。どうなんでしょう?
周囲には監視カメラもなかったみたいで、捜査が難航しているようです。
犯人は捕まっているはずなのに、やっぱりおかしいですよね。
だって犯人が逮捕されているのに。目撃者だろう少女が、いまだに狙われている。
この事実からしてもまだ何か裏に隠されていることがある! って誰もが考えますよ。
はい。幽霊でもわかる簡単な事実です。
私、探偵になれますか?
幽霊だとほら、どこにでも忍び込めますし。
証拠集めはばっちりですね♪
よし、任せてください!
これは私の転職もとい天職ですか??
ここは実際にやってみて適正を確認したいところです。経験が必要です。
ああでも、私。ただいま囚われの身の上!?中でした。
・・・・・・動けません。
あれ? 例え証拠を入手できても、某映画の幽霊じゃないし証明できない!!
全然だめです。だめ!
そんな現実に今さら気付きました。がっかり。
それに少女の中に入ったまま、一人?うろうろしていたら「狙ってください」と言っているようなものですね。危険です!
他人さまのモノに入ったままなんですから。ここは行動も慎重に、大切に取り扱わないと。
責任の重さに私、つぶされそうです。プチっと。
一番の問題は本当に襲われた時のことです。幽霊な私の行動ってどうすればいいですか?
叫ぶべきですか?
逆襲といいますか反撃してみますか??
あれ? この身体、私に動かせるんでしょうか。
根本的な前提問題がありました。
出られないだけじゃなく動かせるかどうか試して・・・・・・。いや、乗っ取ったりしませんよ!
そこは誤解しないでください。大切な『他人さまのモノ』ですから。
まぁ、少女の身体の主導権を私が持っているわけでもありませんし。
取り敢えずここはちょっとだけ、少女の身の安全のためにも。他人さまのモノを動かせるか、実験してみましょうか。
1、2(おいっちに)。
1、2(おいっちに)?
うまく動けません!
1、2(おいっちに)。
1、2(おいっちに)?
なんだか気分は二人羽織りです。
うぬぬぬぬぅ。
くっ~ッ!!!
ぜーぜーぜーっ。
疲れました。
は~っ。
初めて知りましたが、幽霊もつかれるようです。
ん? 幽霊が疲れる(=憑かれる)。
ガクリ。
・・・・・・余計につかれました。
まぁ、私の精神的な疲労はさて置き。
他人さまのモノの安全確保の一環として、少女の身体を私が動かせるのかを実験中です。
乗っ取り計画開始じゃありませんよ。しつこいようですが、そこは間違えないでくださいね。