34)再見参!?
アツ娘さんのその手は息子くんの上に置かれたままですが、その指がタスクくんの頭をにぎにぎしていることはサツキちゃんの中から見ていてもわかります。ギャーッ痛そうですよ。
痛みのあまり?大人しい←失礼。タスクくんはまるで借りてきた猫状態です。にゃ~っ。
見ているだけしかできませんが。いや、できれば止めた方がいいのでしょうか?
実体のない幽霊な私ですが、アツ娘さんなら見えますもんね。音なき声も聞こえるでしょうし・・・・・・。さて?? 私、どうすればいいですか。どなたかアドバイスを下さいませ。
サツキちゃんの中から出られない私がここでジタバタしていてもどうしようもないでしょうが、放置するわけにもいきませんね。
(アツ娘さん。やっほ~?)
聞こえているはずですが、流石は大人なアツ娘さん。周りに不審に思われるような行動なんてしません。
きれいな笑顔を周囲に振りまいています。うつくしいですアツ娘さん! 私、なんだか楽しくなってきました。だって、アツ娘さんがサツキちゃんママの前にやってきて、やさしく微笑んで、
「お見舞い。遅くなってごめんね」
「ありがとう」
サツキちゃんママさんはベッドに横たわったままアツ娘さんに微笑みました。
現在、病室にはあり得ないほど人がいます。
まるで休憩室とか待合室のようです。って、私まだ行ったことないんですがそんな感じです。
さらに三人(匹)の幽霊までいますから、見える方々はどこか窮屈そうにしています。
まぁ、私たちがはっきり見える方にはもっと見えているかもしれませんし、ね。もしかするとですけど。
賑やかなせいかな? なんだかサツキちゃんの感情にも変化があるような??
う~ん。気のせいでしょうか。
タスクくん&アツ娘さん親子の登場で帰り損ねたユキちゃん&ぽっちゃ、いや郁くん一同は・・・・・・。あれっ? なんだか楽しそうです。
んん? サツキちゃんの感情も緩んでいる気がします。
こんなに人が多いのにサツキちゃんが緊張で強張っていないのが解ります。
いつも無表情がデフォになっているのに、それもゆるんでいるような??
私は一方的にサツキちゃんへ話しかけてみる。
ねぇ、サツキちゃん。あなたの中にいる私のことも分かりますか?
私、サツキちゃんの中に今、住んでいるんですよ。ぜひとも、サツキちゃんとお話ししてみたいんです。
聞こえていますか、私の声。それとも、勝手に住んじゃったことに怒っていますか?
やっぱり、サツキちゃんからの応えはもらえませんでした。けれど、話しは聞いては貰えたような。そんな気がしました。
だから、いつかは返事がもらえると信じられました。




