32)通り抜け、たのか
リアルに時間を取られ、まだまだ不定期です。
サツキちゃんママさんの傍へ迷いなく進んだユキちゃんはベットの横で一礼し、
「本当にごめんなさい。また改めて、謝罪に来ます」
凛とした表情が印象的だった。
周囲の大人、皆の視線がユキちゃんに集中しました。
包帯に大半が隠れていようとも、きれいな顔は立派な力です!
そんな幽霊の心中?は誰にも届きません。
(うん。ユキちゃん美人さん♪)
郁人は目に映る光景に怯んだままの自分を情けなく思っていた。
憎らしいことに、幽霊はこちらを挑発するようになんと! あかんべ~なんてしていた。
その後で、包帯に包まれたユキの口元が「がんばれ」と微かに動いた気がした。
一つ、深呼吸をする。簡単にして単純なことを思い出す。
(ユキだって同じ立場なんだ)
ぽっちゃんもその隣に進み出て、
「突然、大勢で押しかけてしまい申し訳ございませんでした」
ペコリと一礼し、
「ごめんなさい」
とサツキちゃんにも謝ってくれましたよ、彼。
サツキちゃんin幽霊な私に怯えてたはずなのに、流石はぽっちゃん。やるときはやります。
やっぱり良いとこのお子さまなんでしょうね、きれいな礼でした。
なんとなくですがサツキちゃんも年の近い侵入者な二人をじっと見ている気がしました。
「本当に皆さまお騒がせいたしまして~」
トリはお目付け役な佐々木 何某氏です。
どうやら今日はここまでで乱入者の皆さんは帰られるようですが、ちょっと寂しい気がします。
だって『見える人』が複数、つまり『見える人たち』だったんです。
今のところこの病室から基本的に動けない私では、なかなか出逢えない確率だと思います。
ほら、期待を持ってしまうじゃないですか。ねぇ、皆さん。
(もしかしたら現状を変えることが出来るのでは?)
なんて、うふっ~。と考えていたのが敗因かもしれません。
いやただの幽霊でしかない私には結局は何も出来ないだけでしょうが、ね。
騒ぎの現場はせっかくの収拾をポイっとどこかに投げやってしまいました。
あれ?? って感じです。
幸い、物騒なことにはならないようですが・・・・・・。
簡単に説明すると。えっと乱入者が、増えちゃいました。
そんな現実、幽霊だって予想しませんでした。
騒ぐ病院の幽霊の皆さんとともに!?
注・おっちゃんとマキ夫人に私は除いて下さいね。最初っから居ますから。
タスクくんの再登場です!