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30)見えたのは?

 

(ユキちゃん。お顔見たい! 見たーい!!)

 お顔、見せて~♡ という私の願望は周囲にダダ漏れかもしれません。

 だからと言って、私の願い(のぞみ)をユキちゃんが素直に叶えてくれるとは思いませんが。

 コホンっ。


 おっちゃんは相変わらず今の事態を面白そうに眺めています。完全・・他人事ひとごととして!

 まぁ、包帯な美少女or美少年? はそんな幽霊事情を解っていて、あえてこちらを見ないようにしているようですし、ね。

 それにおっちゃんはこの二人の目の前をうろうろするだけじゃなく、わざわざ顔を覗き込みに行っていますから。はい。何という確信犯!

 ですから、分かっていて無視しているユキちゃんと、理解っていても無視できない郁ぽっちゃん。ああ、この対比、理解ってもらえますかね皆さん。

 せっかく普通に戻っていたぽっちゃんの顔色がまた白く蒼くなっています。ええっと。ここ病院ですし、まだ診療時間だと思われますし、お医者さんの検診が必要ですか?

 私、幽霊ですが生身いきているの人間の心配だってします。



「ご挨拶が遅れました」

 私がつらつら見舞いに来たはずのぽっちゃん自身が病院ここにかかるべきか考えているとぽっちゃんのお付きの人さんの一人が一歩前に出て、

「申し訳ございませんでした」

 と挨拶兼謝罪をはじめました。

 急なことに私はぱちくりと目を瞬かせるばかりです。とは言っても、サツキちゃんは動きませんが、私は身じろぎました。

 だって、この人にも見えているみたいなんで・・・・・・。

 どうやら今日は見える方にお目にかかる日のようです。


「私、郁人いくとさまのお目付け役・佐々ささき和尊わたると申します。

 以後、お見知りおきを~」

 えっ! 今、何と? 『以後』って言いませんでしたか、以後って!!

 ということは今後もぽっちゃんとユキちゃんに会えるってことですか??

 あれっ。どきどきと高鳴る気がします。って、幽霊なんで心臓とかないはずですが、素直にうれしい♪ 期待で私、なんだかワクワクします。

 いや。だってこれから先、幽霊わたしたちが『見える人』に病院ここで出会えるかわかりませんし、今日のように見える方々にまた出会える確率はかなり低いと思います。そうでしょう。だって私、サツキちゃんから出られる方法を知りたいんです。

 このままサツキちゃんの一生を共に生きるなんて私にはいいことなのか悪いことなのかもわかりません。

(幽霊な私はともかく、サツキちゃんのプライバシーは一体??)

 

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