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25)ぽっちゃん!

 

 まぁ、誰に叱られようと怒られようと『反省』なんてちっともしない気がしちゃってますが。ええ。

 なんてたって、ほらおっちゃんですからね!!

 でも、今回は善良な一般人が多数その騒動に巻き込まれちゃったんです。

 ここは繰り返さないように注意が必要だと思いますが。

 ただし。――この現状を、どうしたらいいのでしょうか。

 とぼけた表情ままのおっちゃんを思いっきり、つねってみたいです。キィーって感じですよ、まったくもう。



 ――あの時。

 おっちゃんは一目散に駆けだしました。

 それはすばやく! 誰も止める間もなく。


ガガコンッ、ガココンっ。


 と、下駄を鳴らして。

 ココが病院だとか、病室であるとか。まして、戸が閉まったままなんておっちゃんが気にするはずがありません。

 スカッと、気持ちいいくらい戸を通り抜け! どこかに駆けて行ってしまいました。

 ビュン!! って感じです。

 と、その時はポカーン。なんて呆気にとられたままこちらも見送っちゃったんですよ。

 ・・・・・・その後、大変な事態が待っている。なんて私もマキ夫人だって考えもしませんでしたよ、ええ。だって、お互い表情かおを見合わせて「???」って、首を捻ったんですからね。



 しばらくして飛び出したおっちゃんの後、入れ代わりに駆け込んで来たのは少年だった。

 なぜか『お坊っちゃま』なんて呼びたくなるような、良家いいとこのお子さまなのが解るような服装をしていたんです。

 それにしても幽霊にも身なりのいいってことが判る恰好っていったい!?

 それでいてこう身体つきが、まるっとした印象の――なんというかそう、ぽっちゃりとした『少年』だったのだ。


 ぼっちゃん+ぽっちゃり。つまりは『ぽっちゃん』だ。




 ぽっちゃんは目にいっぱいの涙を湛え、恐怖を色濃くその身にまとい病室に駆けこんできた。

 それは以前、病室に遊びに来ようとしていたタスクくんとは対照的だった。

 まず顔色が悪い。圧倒的に白い。

 病院ここにいることが当たり前だと思うほどの顔色の悪さ。

(いや、走れるんだから逆に健康?)


 なんだか、よくわからないことを幽霊な私が思っています。はい。幽霊だってパニクるんです。

 考えたってぽっちゃんな、彼の事情が分かるはずないんですが、ね。

 ほら、ぽっちゃんの後を追っかけてくる方々が見えます。

 でもタスクくんと違い、病室に割と簡単に入れた理由はわかりました。ええ。

 あれじゃ、病室を監視!? している警備の方も通しちゃっても仕方がないと私、思うんです。

 

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