12)お友達です
すごいですスタジオ・ジブ〇 幽霊にもその仕事ぶりが伝わっています。
記録にも記憶にも残る。すばらしい仕事っぷりです。キラーン☆
そんなことを思っちゃう仮名「メイ」です。
ええっと。ココで男女各一人、代表してご紹介しますね。
ええ、もうお亡くなりになった方です。当然、幽霊です。
ですが、そんな事実。気にしないでくださいね。
先ほど。お二人とも戸や窓を開くことなく、あれこれ素通りして病室スーッと入って来られました。
はい。何の障害もなく。
誰にも咎められずに。
・・・・・・目撃者がいないことを祈りたくなりました。さすがに。
では気を取り直して、ここは女性から行きましょうか。
『マキ夫人』これが苗字なのか名前なのかどうやら本人さえ分からないという。
まぁ、記憶喪失な私が言えることではありませんね。
おっとりとした上品な夫人です。
一部の方(幽霊?)に生前はこの病院の関係者だったのでは? と言う。噂が!!
そう、幽霊にもあるようなんです。噂話。
そう。マキ夫人が実は和装の幽霊さんなんですが、これまたものすごく似合ってます。
貴婦人ですよ! 皆さま。
日傘も素敵な和装貴婦人な幽霊さんです。
マキ夫人はおっちゃんと違って無口です。本当にあんまり話されません。でも、私はお友達特典!?でお話しています!
ですが、上品にこう、頷いたり相槌をつってもらえるだけでもほっこり安心ような方です。
ええ、聞き上手なんですよ。
そんなマキ夫人ですから、今回のような登場の仕方を普段はされません。ええもちろん。事情があったんです。
突然の訪問は、どうやらおっちゃんがここへ乗り込むことを伝えるために、上の階からふわりと降りて来られたみたいです。空からの登場なんて、和製メリーポピンズみたいですね。
残念ながらおっちゃんの突入の方が早くて、間に合いませんでしたが。
という訳で続いては男性代表『おっちゃん』です。もちろん、通称ですよ。
自分で「おっちゃん。よう~」と話されるのがそのまま定着し、
「おっちゃん!」
と皆にも呼ばれています。
口癖のようにおっちゃん。と前記したように文頭でも語られるため、ご自身でも生前のお名前が不鮮明らしいんです。
なので、私の記憶喪失にも心を痛められ、早々に仮名を付けることを勧められました。
おっちゃんは、この病院の『主』と言っていいくらい長いこと住んでいるために。いろいろと詳しいようです。
自称、生誕百年。だそうです。ただし、他の方(ええ、幽霊の皆さんです)に言わせると「万年百歳だ!」そうですが。
好奇心がいっぱいで、おしゃべりするが大好きなおっちゃんは病院ではかなりの情報通なんです。