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11)ご紹介します


 病室に前の廊下はまだ高いままの少年の声とか大人な方の声らしきものが聞こえます。病院関係者なのか、警護担当者なのはわかりませんが少年に何か話しているようです。・・・・・・説得?いや、説教でしょうか。

 まぁ、ママさんはまだお休みですし。廊下での騒ぎが早く収まってくれるといいんですが。

 サツキちゃんも落ち着いたのか、じっとしたままです。


 一方、私は病室に許可なく入ってきた方に指を一本立てられ、静かにするように合図をされました。ほらっ、お約束のシーっというやつです。

 といっても幽霊な私の声って誰かに聞こえるんですかね。空気の振動とかありますか?

 試してみたいところですが、今は無理でしょうね。怒られそうです。

 仕方なく了承の意味を込めて手を振りましたが、逆に後ろ後ろと病室の外側に向いた窓を指されます。


 私はサツキちゃんごと動くのを諦め、他人さまのモノに入ったままの自分の首を、指のあとを追うように巡らせてみました。少しくらいの動きなら、大丈夫です。ちょっとだけはダブりますから。まぁ、ここから出られないことも確かなんですが。

 ほら、以前やったようにサツキちゃんの髪を撫でて触るように! とは言っても気持ちだけで、実際にはスカッと通り抜けているんだと思います。

 悔しいことに黒髪のツインテールは、ほんの少しも揺れませんから。

 でも、ひんやりつやつやな感じはするんです!! 気のせいじゃないんです。

 う~ん。イメージとしてはスキャンしているみたいな感じでしょうか、ね?




 明るい日差しをやわらかく遮るブラインドのカーテン。そこにふわふわと映るのは、傘を手にしたシルエット。

 ブラインドの隙間から見えるのは和の日傘。

 つややかなその柄を持つ白い腕。

 和傘っていうのでしょうか。と言っても知識ありませんよ。

 そんな日傘をさした上品なご婦人が居ました。


 戸を開くことなく、誰にも誰何されることなく。病室に堂々と入ってきたおっちゃんに続くように、日差しを遮っていたブラインドとガラスをものとせず。ふんわりと入ってきたのはマキ夫人でした。



 実は先ほどのご報告。追記があるんです。

 ここで知り合い――いえ、お友達が出来ました。

 もちろん。幽霊です。

 皆さん。気のいい方ばかりです。

 もう病院ここに長く滞在されているそうなんですよ。


 そしてその幽霊さんたちが私の仮名を決めてくれたんです。ほらほら、先ほど紹介した仮名「メイ」のことです。

 たぶん私の方がサツキちゃんより年上だと思うんですが、仕方がありません。まぁ、幽霊に年齢って意味があるのかどうかわかりませんが。

(某アニメ作品だと。サツキちゃんが姉で、メイちゃんが妹ですよね?)

 


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