表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/45

10)保護 仮名

 ――そこはどこか物悲しく、殺風景で寂しい場所でした。



 そんな空虚な場所を切り開く、少年の声。

 少女の反応とともに、さっと病室が明るくなった気がしました。まぁ、気のせいでしょうけど。

 私には、きっと少女も自分自身の中でもがいているんだと、思えました。


 あっ、そうだ皆さん。ご報告が遅くなりましたが私『仮名』が出来ました。

 拍手~パチパチパチ♪

 えっと、説明すると。ただいま入ったままで出られずにいる『他人さまのモノ』な(取り憑いたわけじゃありませんから!)少女の名前がなんと「サツキ」ちゃんなんです。と言ってもさっきから少年が呼んでいるみたいですが。

 そうです。皆さん。すでにお気づきでしょうが、某有名アニメ作品の主人公である女の子と同じ名です。ご存知でしょう!

 きっとご両親がファンなのでしょうね。それとも単純に生まれ月とかからでしょうか?


 ですが、以上の理由から私、仮名を付けてもらいました。やったぁ!

 そうです「メイ」です。ご想像のとおりでしょうか。

 皆さん。よければこれから私を、

「メイ(仮名)とか、メイちゃん(仮名)」

 なんて、できたら呼んでくださいな。キラーン☆


 もちろん。執事も羊もいませんが。

 あれっ? 私、なんでこんなことを?

 「執事と羊」なんて勝手に浮かんできた言葉ですが、やっぱり自分じゃわかりません。何かあるのでしょうか。

 のんびりと。はてな、なんて考えていましたら、引っ張られました。サツキちゃんに。


 クンっ、と。


 これは声のする方へ行きたいのでしょうか?


 でも、サツキちゃんは顔を扉の方に向けたまま。固まってしまいました。

 動きません。微動だにしません! って、あれ~??

 まるでさっきの反応ことは気のせいだったと思うほど、無反応です。



 でも待ってください。ちょっぴりですが、いつもの無表情とは違う気がします。気のせいですか?

 これじゃ、私じゃどうしょうもできませんが。

 どうすれば・・・・・・。とか考えてはみますが、何も思いつきません。しかも幽霊の身!?ではできることって、何かありますか?


 病室前は賑わってきました。

 ただし、いい意味じゃないと思うのです。

 ここは監禁、監視、された場所。じゃなかった。ええと、そう『保護』されているのですから。ねぇ?

 よくはわかりませんが、わやわやっと声が漏れ聞こえてきます。

 病室の扉は閉まっていますから、微妙ですが。

 幽霊だからって誰も?が、地獄耳ってわけじゃないみたいです。


 その時、カランコロンと足音高く入ってきた存在がありました。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ