1)突然ですが!
「R15」と「残酷な描写あり」は保険です。
・・・・・・突然ですが。私、どうやら死んじゃったみたいです!
ええっと。取り敢えず今の状況を簡単に説明すると、気が付いたら。なんかふよふよとお空を浮遊していました。私。
この場合、幽霊じゃなくて浮遊霊になるのでしょうか。まぁ、私にはその違いが判りませんが。
しかも、ちょっと風に流されかけています。ん? ってことは物理的には多少何かでできているらしいんです。幽霊って。
いや~っ。初めての体験なのでよくわかりませんが。
てことは・・・・・・やっぱり、死んじゃったってこと確定ですよね? 私。
それも生霊ですか? ええっ! それは遠慮したいのですが。だってなんか怖くないですか。生霊って言葉。
他には・・・・・・悪霊? 怨霊?
いえ。私、たぶん違います! そんな感情(=恨み辛み等)あふれてこないので大丈夫だと思います。
万一、ただの幽霊じゃなかったとしても。事情も分からず呪ったり、祟ったりしませんよ。はい。
肝心なことですので、これだけは断言しておきます。
「お~い。誰かーっ。やっほー」
まぁ、聞いている人なんていないと思います。場所が場所ですし。
問題は――。もし、私のような存在を見ちゃう体質の方がいた時なんですが、ここは空の上ですし、もちろん。そんな特殊な方からの返事なんて期待していませんよ。
でも一応、呼びかけてみました。こう、主に、死神さんとか出てこないかなー。と思いまして。
だって事情を知りたかったんです。
はい。恥ずかしいこと言ってますね。じぶん。
この場合、本当に出てこられても対処に困りますが。
でも、浮遊霊な私のおかれたこの状況を説明していただけるのでしたら、これから先の私の行先といいますか、行動の基準になりますね。
「ぜひともお願いします!」
といいたいところなのですが。待ってみても返事は聞こえませんでした。残念。
繰り返しますがなにぶん初めての体験ですし、誰でもこんな経験をするもんじゃないと思いますし。
まぁ、いいじゃないですか。急がなくても。ねっ。と、なんとなく自分を励ましてみました。