謎=?
前作「食欲×愛情=?」の続編です。カップルの男のほうの家族の話です。
最近兄が料理をするようになった。
家族はどうしたんだ? と目を丸くしていた。
最初はおにぎりだけだったのに段々と料理の種類を増やしていき、今では母や使用人達に代わりに料理をする事になった。
「なんで料理をするようになったの?」
兄の料理はおいしいのでいいのだけれど。
料理をしている兄に声をかける。
「好きな人が偏食と言うか悪食なんだ」
偏食ならまだ分かるが悪食とは一体。
「それでさ、野菜が嫌いとかお菓子ばかり食べている感じ?」
「あー、それに近いかも。肉が好きでさ、しかも腐りかけ前で味付けも自分好みにするタイプなんだ」
「ヤバくない?」
兄の女性の趣味もヤバいけれど、その女性も話を聞いているだけ、ヤバいご趣味の人だと分かる。
「そうだな」
兄は特に否定もせず調理を続けている。
おぼつかなかった包丁さばきも様になっていた。
「いつも、その人のところで料理をしているの?」
「うん」
「お小遣い大丈夫なの?」
料理は材料費もかかるし、上達するには回数をかなりこなしたはずだ。
「んー、全部あの人が出してくれるから平気」
「そうなんだ。その人、お金持ちで美人さん?」
「お金はともかく、美人だよ」
「美人だから好きになったの?」
「それもあるけれど」
タン。
「色々とあるんだよ」
タン。
「色々?」
タン。
「色々は色々。でも」
「俺は彼女の事が好きなんだ」
「こういう事を覚えるくらいには」
タン。
(兄さんの好きな人てどんな女性なんだろう)
兄の手によって切られた肉の断面は赤かった。




