雑用係の僕の事情
生きてるのがとても億劫に思えた。こんな自分消えてしまえばいい、そんな子供の様なことをずっとずうと考えていた。考えたところで消える訳がない。僕は何がしたいんだろう。星空を見て、青空を見て、空は広い、地球は蒼いと言う人間が居る。当たり前のことだろう?っと言いたいところだけど、一体誰が決めたって言うんだ、それが当たり前だということを。常識って意外と常識じゃないんだよ、と誰かが言ってた。誰だっけ、そうだ、クラスの中心人物佐藤さんだ。佐藤麻奈。僕はこの人が苦手だった、苦手というよりも近寄れなかった。
いつも周りには誰かが付き添い、男女共に人気のある。告白されていることも度々見ていた。それだけならまだ良かったものの、僕の得意としてる嘘笑いを彼女は見破った。「笑いたくないなら無理に笑うのやめたら?」っと。クラスの誰も僕には見向きもしないのに、佐藤麻奈は僕に気付いた。委員会を決める時に、面倒臭い役柄をよく押し付けられる。云わば嫌がらせというやつだ。便所掃除、先生からの雑用、教室の窓ふき、それらを僕は笑顔で応じた。佐藤麻奈以外の奴は僕のことを『都合のいい暗いクラスメイト』としか思ってないだろうに。佐藤麻奈はそんな僕に気付いた。