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高校生活

「レーイトくーん」

次の日の朝、正門をくぐると、栗色の髪をした少女が手を振りながら俺の方に走ってくる。

俺が今、この場で一番会いたくない人物、時雨キョウカだった。

何を隠そう、時雨キョウカは学園のマドンナ的存在なのだ。

もちろん、男子生徒にとてもとてもモテているわけで―――

辺りを見回していると、男子生徒の嫉妬の視線が俺に集まっている。

「おっはよー!」

時雨さんが目の前に来た。もう頭が痛い。

「ちょっと時雨さん、公衆の面々の前で俺を下の名前で呼ばないでくれませんかね?」

「なんで?いーじゃん別に、私は気にしてないよ?」

時雨さんは悪びれる様子もなく答える。

いや気にしてくれ。この学校の男子生徒の殆どを敵にするなんて、たまったものじゃない。

その場合俺の学校内での地位がかなり危うくなる。それだけは避けたい。

「いや時雨さんはいいとして、俺の学校内での地位が危ないんで」

そう俺が言った瞬間、ほんの一瞬だけ時雨さんから殺意にも似た気配を感じた。

「そっかそっか、ごめんね…」

そう言って、時雨さんはトボトボと教室へと歩いていった。

朝っぱらから疲れた。そう思いなんとなく後ろを振り返ると、そこには打音さんがいた。今日はとことん運が悪い。

「あら、加賀美くん。おはよう」

「おはよう…」

正直、もう限界だ。なんで学園のマドンナと天才が俺に挨拶してくるんだよ。

どこぞのハーレム系漫画かよ。

「俺、もう教室行くよ。じゃあ」

他の生徒の目が痛いがもう無視しよう。面倒くさい。さっさと退散しよう。

「じゃあ、また教室で」

あ…そういえば打音さんも時雨さんも同じクラスだった…

てか、なんで今まで同じクラスで声かけて来なかったのにいまさら声かけてくるんだよ。

「心休まらねぇ…」

俺の高校生活は多分終わった。 

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