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トンチキ異世界の短編集

異世界でのおならはキラースメル!

悪ふざけごめんなさい!

深夜三時過ぎ



私は一人、部屋の鏡の前でジョジョ立ちをしていた。




誰にも見せられない秘密の趣味。ジョジョ立ちのコツは羞恥心を捨てること。羞恥心を捨て「祝福しろ…」のポーズをやった前回、腰をやってしまったので柔軟も大事だ。


柔軟もしっかりやって万全の体勢。DIO様のポーズをドヤ顔でキメた私は勢い余って体のバランスを崩す。


「やっべ」


次の瞬間、足が滑ってテレビボードの角に頭がぶつかる…!!!





…気がつけば、私は砂塵舞う大地の上に立っていた。


剣と魔法が飛び交い、兵士たちが叫びをあげる戦場の真っ只中。


「……は?え?夢?」


頬をつねる。痛い。夢の中で痛いって感じてるのか本当に痛いのか判断できない。だって夢の中で夢だとどう認識するの?


けどあまりに現実味がないのに目の前の光景は現実でしかない。もうわからん!


「……夢なら……やっちゃえ!」


そうだ。どうせ夢。ならノリでやればいい。

私はジョジョ立ちを決め、腹に力を込めて叫んだ。(キラークイーン風に)


「キラースメルッ!!」


 ――プスッ。


 あまりに情けない音とともに、屁が出た。

 その瞬間、背後に巨大な影が立ち上がる。



「…え?」


 振り返ると、私の後ろに、人型の何かが立っていた。

 全身から紫色の瘴気を放ち、防毒マスクのような顔をしている。

 それは、私が屁をする際にいつも妄想していた“スタンド”そのものだった。


「まじで出た!!!!」


 スタンド「キラースメル」は両腕を広げ、周囲に毒のオーラをまき散らす。

 次々と魔物が地面に倒れ、兵士たちでさえ鼻を押さえて苦しみだした。


「な、なんだこの瘴気は!?」「毒の魔術だ!」


「いや、屁だから!!!」




 

半径五メートル四方が一瞬で静まり返った。

少し遠くの無事だったものたちはただ私の背後に立つスタンドを凝視している。


「あの、なんかすいません…」


 私の声は誰にも届かない。

 スタンド「キラースメル」は、なおもゆらゆらと紫のオーラを放ち続けていた。


キラースメルに聞いてみた。

「特定の的に当てたりできる?」


そう聞くと紫色の禍々しいオーラが手のひらに集まっていき、エネルギーの塊のようになった。そしてそれを魔物に向かって次々と投げる。



そうこうしているうちに魔物たちは殲滅された。



兵士たちは畏怖に息を呑む。

「救世主……!!!」


ここは夢ではなく、どうやら異世界らしい。

なぜだか転移してしまったようだが、同じ世界から転移してしまった人は居るのだろうか…いや、きっといる。そしてきっと出会う!だって、スタンド使いはスタンド使いに惹かれ合うから!


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