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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第六十七話 元カノとの関係修復に

「ねえ、陸翔。早く続きしようよ」

「あの……奈々子、いいんですか?」

「んー? あの子も子供じゃないんだから、大丈夫よ。いい加減、私と陸翔が付き合っているって、現実を受け入れて欲しくてね」

「だからって……」

 わざわざ、こんな場面を見せつける事はないだろうに。

 奈々子じゃなくたって、自分の姉が自宅で彼氏とやろうとしている場面なんか見せられたらショックだろうに。


「奈々子のフォローなら、私がしておくから。さっ、続きしようよ〜〜、今は誰も居ないから、邪魔は入らないよ」

 俺が呆然としていると、由乃さんは俺に後ろから抱きついて来て、せがんでくる。

 正直、今はそんな気になれないんだけどな……妹にこんな場面見せておいて、よく平気な顔が出来ると感心してしまう。


「わかりました。その代わり終わったら、スマホ返してくださいね」

「くす、やっとその気になったんだ。じゃあ、来て♡ ん……ん、ちゅ……」

 このままやらないと帰してくれそうにもなかったので、このまま本番に突入する。

 何だか


「はあ……」

 溜息を付きながら、ベッドに座ってグッタリした気分になる。

 取り敢えずスマホは返してもらったが、何だかスマホの為に由乃さんに体を売ったみたいな気分だ。

「おまたせー。陸翔、麦茶でも飲む?」

 また部屋着に着替えた由乃さんが麦茶を持ってきてくれたので、飲み干す。

 由乃さんは相変わらず元気な顔でニコニコしているが、結構タフな人なんだな……。

「あのー、由乃さん」

「なに? まさか、二回戦やっちゃう?」

「そうじゃなくてですね。本当、ノリノリになっちゃいましたね」

 最初のころ、俺に迫られて嫌がっていた由乃さんはもはやいなくなってしまったのか。


「ちょっとお願いがあるんですけど、良いですか?」

「なに?」

「膝枕してくれません?」

「いいわよ。はい」

 由乃さんが床に敷いてあったクッションの上に正座して膝を差し出したので、そこに頭を預ける。

 はあ……やっぱり、由乃さんの膝枕は柔らかくて気持ちいいなあ。


「ふふ、甘えん坊ね、陸翔は。まあ、子供だから仕方ないけど、性根も甘ったれているから、少しは鍛えてあげた方がいいかしら」

「う……由乃さんって、意外に性格悪いですね」

「まあ、彼氏にそんな事を言われちゃうなんて。それを言ったら、陸翔だって相当性格悪いじゃない。奈々子に対してどれだけ失礼な事を言ってきたか、自覚している?」

 俺の性格が悪いのは認めるけど、だからといって開き直られても何か複雑な気分だ。

「奈々子にはフラれているから、あの子に多少きつく当たっちゃうのは大目に見るけど、それでももうだいぶ経っているんだし、少しは仲よくしようって気はないの?」

 俺はなくはないんだけど、奈々子が全力で拒否反応しているのがわからないのかな……。


「奈々子は普段、俺の事を何か言ってますか?」

「最近、やたらと陸翔は馬鹿でスケベなだけの男だから別れろってうるさいのよね。まあ、否定はできないんだけど、別に誰と付き合おうが勝手でしょうって、言っているんだけどね」

 正にその通り。というか、自分は好き放題、男をとっかえひっかえしておいて、よく偉そうなことを言えるもんだよ。

「あいつ、俺の事、好きだったんですかね……」

「なーに? 今更、奈々子に未練が出てきちゃった?」

「いえ、そういうわけじゃないんですけど、奈々子は俺とどんな気持ちで付き合っていたのかなって、最近、思うようになって」

 ぶっちゃけ由乃さんも俺の事を本気で好きなのか疑問に思っているんだけど、奈々子に関しては昔と性格が違い過ぎてなー……。


「陸翔と付き合っているときは楽しそうにしていたけどね。別に悪くも言ってなかったし、何が不満だったのかなって思っちゃうよね」

 うーん、由乃さんもわからないって事か。

 今更どうでもいいって言えば良いんだけど、やっぱり釈然としないんだよなー。

 別れる前も特に喧嘩もしてないし、今度どこに遊びに行こうかなんて話もしていたんだし。

 何の前触れもなく他の男と付き合うからなんて言われてフラれるのは、ダメージがデカ過ぎる。


「由乃さんはそんな事しないですよね?」

「私? もちろんしないわよ。陸翔は私の物だしね」

「それを聞いて安心しました。じゃあ、約束を破ったらどうします?」

「ん? 約束を破ったらね……考えてないわね。私の事、好きにしてくれてもいいよ」

「好きにですか?」

「うん。無理矢理やっても文句は言わないって約束してあげてもいいよ」

 そんな約束が果たして有効なのかちょっとだけ疑問だけど、まあ本当に由乃さんにまで裏切られたりしたら、俺は気が狂いそうになるかも。

 奈々子にフラれた時もショックで我を忘れちまったしなー。由乃さんにまで立て続けだと、この家に火を点けちゃうかも。

 いや、流石にねえと思いたいが、ショックを抑えきれる自信がないんだよね。


「ふふ、そうよー、陸翔。そうやって、私に甘えてくれる所が良いところだわ。まるで奈々子みたい」

「そ、そうですか?」

「そうよ。奈々子もとても甘えん坊でねー。それが可愛くてかわいくて仕方ないのよ」

 あいつが甘えん坊……ああ、付き合っているときはそんな所を見せていたな。

「陸翔も覚えておくことね。もし、私と別れたら、二度と私を抱けなくなるし、こうやって膝枕もしてもらえなくなるんだからね。そうなりたくなかったら、私と別れようなんて考えないことね」

「は、はい」

 確かにそうなんだけど、自信満々にそんな事を言われちゃうとちょっとね……。


「あの、もう帰りますね」

「あら、もう?」

「はい。何か疲れちゃったんで」

 もう夕暮れ時になってしまったし、奈々子の事も気になったので、もう帰ることにする。

 由乃さんはまだ居てほしかったみたいだけど、ちょっと奈々子に連絡を取ることにした。


「出るかな……」

 帰宅した後、奈々子に久しぶりに電話をかけてみて、あいつが出てくるのを待つ。

 ラインにもメッセージを送ってみたけど、既読が全然付かないんだよな……もしかして、ブロックされているのか?

『はい』

「おお、出たか。俺だよ。陸翔」

『何よ? お姉ちゃんとイチャイチャした自慢でも聞かせる気?』

「いやー、はは……そういうわけじゃないんだけど、気になってさ。さっきは悪かった。お前の家なのに変なものを見せちゃってさ」

 さっきの事は俺も悪いので、ひとまず謝っておく。

 これで機嫌がよくなるとは思えないけど、こっちもこれ以上奈々子とギスギスしたくないんだよ。


『あんたにしては謙虚じゃない。だからって許す気はないけど』

「許してくれると嬉しいなー……まあ、俺に怒るのは良いけど、由乃さんに怒るのは止めてくれよ。あれは俺も悪いんだし」

『お姉ちゃんに怒る気はないし。話は終わり? こっちは話すことないんだけど』

「あー、ちょっと待った。お前さ、この前の約束覚えている?」

『約束?』

「付き合っているときさ、夏休みになったら花火観に行こうって言っていただろ。よかったら、今度行かない? 二人で?」

「はあ?」

 思いもかけず、俺からの誘いを受け、奈々子も声を張り上げる。

 元カノをデートに誘うなんておかしいと思うが、とにかく久しぶりに二人で話した方が良いと思ったのだ。


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