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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第五十九話 今カノは全てを手に入れたい

「うーん、このホットドック美味しいわねえ」

 三人でフードコートで昼食を摂り、由乃さんはニコニコ顔で注文したホットドッグやコーラを頬張るが、俺と奈々子は相変わらず気まずい空気のままだった。

 ナンパなんか放っておけば今頃は由乃さんと二人きりで……って訳にはいかないんだよな、この状況じゃ。

「陸翔、どうしたの? そのフライドポテトいらないの?」

「あ、いえ……食べますよ」

「じゃあ、私にもちょっと食べさせて」

「え? あ、はい。どうぞ」

「むう……そうじゃなくてえ……」

 フライドポテトの入ったパックを差し出すと、由乃さんが露骨に不満気な顔をするが、やっぱりいらないのか?


「食べさせてよ」

「あ、ああ……そういうことですか。はい、あ〜ん」

「えへへ……ん……」

 由乃さんにフライドポテトを何本か手で差し出すと、由乃さんも嬉しそうに口にして食べる。

 こういう甘えん坊なところも可愛いなあ……奈々子も付き合っていたころはこういうところを見せていたんだが。

「奈々子もラーメンだけで足りるの?」

「別にそんなに食べないし」

「そう? 奈々子も遠慮しなくて良いのよ。お姉ちゃんが好きなだけ奢ってあげるから」

「いいよ。あんま食欲ないし」

 俺の隣に座っていた奈々子に由乃さんはもっと食べるよう促すが、奈々子の方は明らかに俺を嫌がっており、由乃さんがいくら笑顔で振りまいても、浮かない顔をしていた。


 由乃さんもそこまで鈍感な人ではないと思うから、この気まずい空気を感じ取ってはいるはずだが、何を考えているのかわからないのは相変わらずだ。

「さっき、陸翔に助けてもらったんだから、もっと彼に感謝しないと。付き合っていたころも、陸翔に助けてもらったりしていた?」

「覚えていない」

「そう。ふふ、ご馳走様。じゃあ、そろそろ行こうか。あ、陸翔」

「はい?」

「さっきは奈々子を助けてくれてありがとう。ちゅっ♡」

「う……あはは、そんな大したことはしてないですよ」

 昼食を食べ終えた由乃さんが俺の腕をがっしりと組んだ後、頬にキスをする。


 うーん、サービスが良いのはいいんだけど、奈々子が案の定、こっちを睨んでいる。

 奈々子を明らかに煽っているみたいだが、それできつく当たられるのは俺の方なんですけどね。

「午前中は奈々子にかかりっきりだったから、午後は陸翔の相手をしてあげるね」

「え? はは、どうも……」

 と、由乃さんが俺の腕をがっしりと組んで、胸を俺に押し付けながらそう言ってきたが、本当に二人きりだったら、特に問題はないんだけど、奈々子がいる状況では喜べない。

「ちょっと、陸翔」

「何だよ?」

「来い」

「ったく……すみません、ちょっといいですか?」

「うん。くす、二人で密会かしら?」

「違うわよ。ちょっと話があるだけ」

 ムスッとした表情で奈々子が俺を由乃さんから引き離して、由乃さんからちょっと離れたところに俺を連れ出す。

 由乃さんも俺と奈々子が二人きりになるのをどこか嬉しそうに見ているが、どうしても


「いい加減にしなさいよ。お姉ちゃんにベタベタといやらしい視線ばかり送って」

「付き合っているんだから、いやらしい目で見たっていいだろ」

「そうやって開き直るんじゃない! あんたさ、私が居て楽しい?」

「楽しくないって答えたら、帰ってくれるのか?」

「帰ってもいいんだけど、お姉ちゃんが怒るからさ。あんたが遠慮して、私とお姉ちゃんを二人きりにしてよ」

「はあ? 何で俺が……」

 と思ったが、どっちみち、この状況で由乃さんとイチャついても奈々子の奴が邪魔してくるだろうしなあ。

「わかったよ」

「あら、随分と素直じゃない」

 ここで奈々子と喧嘩をしてもしょうがないし、そもそも今の状況じゃ由乃さんとイチャつけないし、しょうがない。


「お姉ちゃん、あそこのプールに行こう」

「え? でも陸翔が……」

「いいから」

 そういった後、奈々子は由乃さんを連れて、二人で近くにある競泳用のプールに行ってしまった。

 由乃さんは困惑していたが、まあこれでいいか。

 別に奈々子に恩を売る気はないけど、こっちの方が気楽でむしろいいわ。


「うーん、遊んだわねえ」

 夕方近くになり、ようやくプールでのデートもお開きになり、着替えた後、三人でプールを後にする。

 プールで遊んだのはしばらくぶりだな……まあ、午後はほとんど由乃さんと奈々子が二人で遊んでいたのを傍で見ていただけだったけどな。

「奈々子も付き合ってくれてありがとう。また三人で行きたいわね?」

「何で? どうせなら、二人で行こうよ」

「んもう、私は三人が良いんだけどなー」

 三人でって、俺も由乃さんと二人が良いんだけどな……今度は二人で行けるようにしたいんだけど、由乃さんは俺と二人が嫌なのか?

「陸翔、ちょっといい?」

「何ですか?」

 由乃さんが俺の手を引いて、招き寄せ、

「明日、二人で会おうか」

「え? いいんですか?」

「うん。夕方からなら空いているから」

 おお、由乃さんと思いもかけず、二人きりのデートできることになったぞ。

 今日は残念だったけど、明日は楽しみだな。

「何の話をしているの?」

「ん? 近いうち、二人でデートしようかなって。奈々子もどう?」

「行くわけないし」

「そう。じゃ、帰ったらまた連絡するから。じゃあねえ」

 デートすることを正直に告げるなら、別にヒソヒソ話することもないだろうと思ってしまったが、まあ気分の問題って事か。

 三人でのデート……色々あったけど、楽しかったかな。


 翌日――

「あ、こっちよ」

 学校が終わった後、由乃さんと駅前で待ち合わせ、彼女のもとに駆け寄る。

「あれ私服なんだ」

「もう学校午前中だけなんで」

「あ、一学期もうすぐ終わるしね。えへへ、じゃあ行こうか」

 まだ陽射しが暑い中、由乃さんは俺の腕をがっしりと組んで、二人で歩いていく。

 今日も肩だしのブラウスにスカートとギャルっぽい服装で来ちゃって、まあすっかり垢ぬけたもんだな。


「どこ行くんですか?」

「あら? ホテルに決まっているじゃん」

「う……あはは、そうですよね」

 ホテルねえ……高校生を平気で連れ込むようになってしまって、すっかりイケナイお姉さんになっちまったな。


「んっ、んんっ!んっ、んん……」

 部屋に入るや由乃さんとベッドの上に座り、二人で抱き合いながらキスをする。

 由乃さんの方から積極的に来ており、

「んっ、はあ……やっ、ああん♡」

「えへへ、ええ乳しているじゃないですか」

「やーん、陸翔もすっかりその気になっちゃって♡陸翔はそうでなくちゃね。ね、おっぱい見る?」

 顔を離した後、由乃さんの胸を思いっきり後ろから鷲摑みしてやるが、由乃さんはもはや嫌がることもなくむしろ自分から胸を曝け出そうとする。

 おいおい、もうちょっと恥じらいのある反応を期待していたんだけどなあ。


「どうしたの?」

「いえ……由乃さん変わりましたね。前は、俺が迫ってもなんか嫌がっていたのに」

「あら、陸翔こそどうしたのかしら? もっとがっついてきたのに。もしかして、妊娠させるの恐くなっちゃった。アハハ、陸翔も小心者ね」

 しょ、小心者って……こんな煽りをしてくるとは……。

 由乃さんはもしかして本当は性格悪かったりする?


「陸翔は若いんだから、もっと正直に生きなさい。前みたいに後先考えず求めてくれた方がらしいよ」

「由乃さん、変わりましたね……前はもっと優しくておっとりしていたのに」

「変わったとしたら、陸翔のせいね。だから、責任取りなさい。ほら、こっち向く。しっかりおっぱいみなさい。彼女がここまで迫っているんだから、応えるのは彼氏の義務よ」

「うう……は、はい」

 由乃さんが強引に俺に顔を向けさせ、彼女の艶かしい身体を直視させる。

 もはや、付き合い始めた頃の由乃さんの姿はなく、自分が何をさせられているのかもわからなくなっていた。

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