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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第五十三話 ついに取り返しがつかない事に?

「くす、まさか奈々子が配信活動やっていたなんてねー♪ 見つけた瞬間、すぐにフォローして、投げ銭しちゃったわ」

「あ、あの、これはえっと……」

 しどろもどろになっていた奈々子を尻目に、嬉しそうに話す由乃さんだったが、奈々子が動画配信って……。

「ああ、これか……確かに奈々子だな」

 由乃さんの画面を見ながら、自分のスマホでもアプリを立ち上げて検索して、奈々子のチャンネルに表示されていたサムネイルを見たら、確かに奈々子だった。

 加工アプリか何かを使っているのか、微妙に男に媚びた顔立ちに変えていたが、元カレや姉が見たら一発でバレバレだろう。

「きっ……! 誰にも言うんじゃないわよ! 言ったら、マジでぶっ殺す!」

「言わねえよ……別に言い触らしても何にもならないし」

 この件で奈々子を揺すっても由乃さんを怒らせるだけだからなあ。

 まあ、おもしろいネタではあるけどさ。


「今日は最高の日だわ。彼氏に可愛い妹に推しの配信者にまで会えるなんて。ね、陸翔もフォローしてあげなよ」

「あ、はい……」

「や、止めてよ! あんたなんかに見られたくないし!」

「え? チャンネル登録くらい良いだろ」

「よくないしっ! てか、お姉ちゃん、本当にあのルーナさん? いつもその……」

「そうよ、信じられない? 可愛いから、つい投げ銭しちゃって。もう、どのくらい使ったかなー?」

 おいおい、妹の配信に投げ銭していたって、どんだけ奈々子を可愛いがってんだよ……。

 はあ……由乃さんの奈々子への溺愛っぷり、どんどん酷くなっている気がする。


「将来、もっとチャンネル登録者増えて、百万超えとかになったら、私も奈々子のマネージャーやろうかな。悪い虫も付いてきそうだし、私がしっかりと守って、プロデュースしてあげないとね」

「そんなの考えてないし~~! も、もうこの話はなし! 配信の事なんか忘れて!」

 由乃さんは奈々子に抱き付きながら、またとんでもない事を言っているが、奈々子がそんなインフルエンサーになれる未来は想像できないな。

 こいつの性格の悪さは、確実に足かせになるし、見ための可愛さで一定のファンは付いても、トップアイドルとかには絶対になれまいて。


「あの、由乃さん」

「何?」

「いえ、奈々子の配信見るのは勝手なんですけど、今日は俺とのデートですよね? 奈々子がいきなり来るなんて、こっちも聞いてないですし」

「事前に言わなかったことは謝るけど、そんなに奈々子と一緒なのが嫌なの?」

「嫌とかじゃなくてですね……」

 そもそも、そいつは俺を振りやがった元カノなんだから、そんなのが彼女とのデート中に乱入してきたら、誰だって嫌だろうよ。

 わかっているのかわかっていないのか……由乃さんはもしかして、俺に嫌がらせしてるのか?


「嫌ならあんたが帰りなさいよ。私はお姉ちゃんと一緒に楽しむから」

「ちっ……わかったよ。気分悪いし、俺も帰るわ」

 帰るならお前が帰れと言いたいが、今日は由乃さんが強引に奈々子を連れ込んだので、俺と二人きりより奈々子を優先してきた由乃さんにもちょっと腹が立ってきたので、帰らせてもらう事にした。

 はあ、由乃さんも最近はちょっと調子に乗り過ぎな気が……。


「待ちなさい。誰が帰って良いって言ったの、陸翔?」

「え? で、でも……」

「陸翔さあ……いくら何でも、奈々子の事嫌い過ぎじゃない? 元カノよね? 私の妹だってのわかっているよね? だったら、もっと仲よくしようって気はないの?」

「そういう事じゃなくて……」

 部屋を出ようとすると、由乃さんが俺の腕を掴んで引き留めてきたので、呆れながら振りほどこうとしたが、由乃さんは俺の腕をがっしりと掴んで、

「陸翔。君は私の物でしょう? だったら、彼女のいう事は聞かなきゃ」

「あ、あのー……そうは言われましてもですね」

 ちょっと強引すぎないかと思ったが、由乃さんがそこまで言うなら、仕方なく一旦座る。


 というか、奈々子と一緒だと気まずくて嫌なんだけど……。

「私達、今凄く上手く行っているのよ。もうすっかり恋人同士になれたって感じ。奈々子も、陸翔と付き合っている時、こんな感じだった?」

「そんな大昔の事、もう覚えてないし」

「そう。陸翔はちょっとエッチな所もあるけど、良い子よ。我侭な所は奈々子にもよく似ているしね」

 だから、何処かだよ……エッチな云々は否定しないけど、奈々子に似ているとか凄い嫌なんだけどさ。

「うんうん、俺達、めっちゃ上手く行っていますよね」

「きゃっ! こらあ、奈々子が目の前に居るのにい♡」

 由乃さんの体を抱き寄せて、彼女の胸を後ろから思いっきり揉んでやると、由乃さんは逆に喜んだように体をよじらせていやらしい声を上げて、身をゆだねる。


 くそ、もはやこれも嫌がらせにすらならないか……由乃さんもすっかりエロエロな彼女になってしまいましたな。

 やっぱり、ホテルに行っておけば良かったかな。

 そうすれば奈々子と会う事はなかったんだしさ。

「いい加減にしなさいよ、陸翔。よくもまあ、私の前で人のお姉ちゃんを……何度もホテルに連れ込んだりして!」

「は? 付き合っているんだしさ、別に良いじゃん。てか、何でホテルに行っているって知っている?」

「そんなのはどうでも良いじゃない!」

「私が教えているのよ。デートで何処に行ったかは、いつも奈々子に報告しているからね。私、隠し事はしたくないし」

「い、いつもですか?」

 おいおい、妹とは言え、彼氏とのデートの行先を事細かにホテルに行った事まで教えちゃうものなのか?

 いくら何でもそんなのおかしくない?


「ちょっと、聞いてないんですけど! 別にそこまで奈々子に教えなくても」

「やあん♪ くす、ごめんなさい。でもー、やっぱり奈々子には全部知って欲しくて」

「いい加減にしろって、言っているでしょ! お、お姉ちゃんもそんなにいつまでも……」

「そんなのとは失礼ね。良い彼氏じゃない。もうすぐ子供も出来るかもしれないんだしさ」

「「は?」」


 見かねた奈々子が由乃さんにも苦言を言った矢先に、由乃さんの口から耳を疑うような発言が飛び出した。

「え、えーっと……何が出来るかもしれないですって?」

「んー? 子供だけど何か?」

「…………」

 子供が出来るかもしれない? あー、かもって事ね。ビックリさせないでくれよ。


「ああ、ごめんなさい。ちょっと語弊があったかもね。もう出来たかもしれないのよね」

「は、はい? いや、驚かさないでくださいよ……まだ……」

 初体験からいつだ? まだ、一ヶ月も経過していないよな?

 わ、わかる訳がないだろ! ゴムだってしていたんだし!

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