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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第四十八話 元カノの脅し

「あ、陸翔。こっちこっち」

 週末になって結局、由乃さんと会うことになり、待ち合わせ場所である駅前まで行くと、一足先に由乃さんが来ていた。

「すみません、またせちゃいましたか?」

「ううん、大丈夫。へへ、じゃあ行こうか」

「は、はい」

 俺を見るや由乃さんは、腕をガッシリと組んで、俺を引っ張る様に歩き始める。


 今日は暑いからか、由乃さんも結構開放的というか、大胆な服装をしており、ちょっと目のやり場に困るくらいだった。

 肩がほぼ出ているキャミソールに髪も後ろに束ねており、なんて言うか、ギャルっぽい服装をしていた。

 奈々子だったら、割りと似合いそうな感じなんだけど、お淑やかな雰囲気由乃さんにはちょっとどうかなーって感じはしてしまったが、由乃さんも普段はこうなのか?

 だったら、姉妹だけあって奈々子とあまり変わらない感じがしちゃうが、だとすると、由乃さんもいずれは奈々子みたいに……。


(はっ! いかん、また奈々子の事を考えてしまっている!)

 いい加減、あいつと由乃さんをダブらせるのは止めないと。

 姉妹とは言え別なんだから、由乃さんは奈々子とは違うはず……。

「今日は蒸し暑いのもあって、服装もちょっと冒険しちゃってね。奈々子のファッションを参考にしてきたの。似合う?」

「う……はい、めっちゃ似合ってますよ!」

「えへへ、ありがとう。あの子、私と違ってセンス良いからさ。私にはちょっと大胆かなって服でも、奈々子は本当に似合うのよねー。やっぱり、元が可愛いくてスタイルも良いから」

「まあ、そうですね……」

 奈々子と由乃さんを一緒にしてはいけないと思っていた所で、由乃さんの方から奈々子を思いっきり参考にしたとか言われてしまい、もう敢えて俺に奈々子と自分をダブらせているとしか思えなかった。


 どういう意図があるんだろうなあ?

 今の彼氏に元カノを思い出させるって、普通は嫌だと思うんだけど、由乃さんの考えている事は未だによくわからない。

「ほら、ここのカフェで、ちょっと涼まない?」

 何て悶々と考えていると、通りかかったカフェに一緒に入る。

 言葉遣いも以前より、砕けた感じになっているし、すっかり打ち解けちゃったってことなんかな。


(なんかちょっと複雑な気分だ……)

 今までは何というか、小さな子供をあやすお姉さんって感じに接していた気がするが、今は一気に距離が縮んだようだ。

 まずい、この由乃さんはちょっと慣れるのに時間かかりそうだ。

 普段からこうなのかもしれないが、今まで彼女に甘えてしまっていて、ちゃんと正面から向き合っていなかったのかもしれない。


「あの、由乃さん」

「何?」

「えっと……何か、雰囲気変わりましたよね?」

 カフェに入り、アイスコーヒーを注文した後、由乃さんにそう訊いてみると、

「あ、わかる? 私達もさ、もう正式に交際し始めたんだし、遠慮する事はないかなって。今まではちょっと可愛い弟みたいに見ていたけど、これからはそんな上から目線で付き合っちゃ駄目だよね」

「せ、正式にって、今までは違ったんですか?」

「ああ、ゴメン。ちょっと語弊があったけど、これからは対等な目線で陸翔を見て行こうって思って。へへ、もうしちゃった訳だし、お互い一皮剥けないとね♪」

「う……で、ですね……」

 一回、経験したくらいで、一皮むけすぎだろうと言いたくなったが、ちゃんと俺を一人の男として見るようになったって事か。


 それはそれでありがたいと言えばありがたいのだが……何か、複雑な気分がする。

 由乃さんとは三つ上な訳で、どうしても俺から見ると、そのだな……まだお姉さんって感じが抜けないんだよな。

「ねえ、試験は来週だっけ?」

「あ、はい」

「じゃあ、あまり遅くなっちゃ駄目かな。流石にお茶飲んだだけで、終わりじゃ味気ないけど、何処か行きたい所ある?」

「そうですね……」

 肘を突きながらそう話しかけてきた由乃さんは、本当に大人の女性って感じの仕草で、どうしても畏まってしまう。

 ああ、俺って子供だったんだな……奈々子と付き合っていた時は、こんな気分にはなってなかったんだけどなあ。


 あいつと付き合っていたころは、もっとお互いはしゃいだりして、遠慮も何もなかったんだけど、くそ……あの女が他の男に走るから。

「じゃあ、コーヒー飲み終わったら、ちょっと付いてきてくれる?」

「え? あ、はい。何処行くんですか?」

「へへ、付いて来ればわかるよ」

 どうやら行先を決めたみたいなので、何処に行くのかと聞いてみると、由乃さんは眩しいくらいの綺麗な笑顔でそう言ってきたが、どっか買い物にでも行くのかな?


「さあ、入って」

「あのー……またですか……んっ!」

「んっ、んんっ!」

 一体、何処に行くのかと思い、カフェを二人で出た後、由乃さんの後に付いていくと、またもホテルに連れ込まれてしまい、部屋に入るや、由乃さんにぎゅっと抱きしめられ、キスをされる。

「ちゅっ、んん……はあ……陸翔、好きよ~~……さあ、一緒にシャワー浴びようか」

「あ、あの……俺、高校生なんで、こういう所に出入りしているのバレるとヤバイんですよね……」

「ふふ、入りたいって最初に言っていたの、陸翔だって忘れていない? だから、最後まで付き合おうね」

「は、はい……」

 トホホ……俺の方から言い出したのは確かだけど、それを盾に、由乃さんに好き放題されているみたいで、何か泣きたくなってきた。


 すっかり由乃さんに頭が上がらなくなってしまい、その日も流されるがままに、彼女と体を重ねる羽目になってしまった。

 由乃さんがここまで積極的だったなんて、思いもしなかったな……何となく


 数日後――

「それでは時間です。後ろから答案用紙を回収してください」

 テストの時間も終わり、後ろから答案を回収する。

 うーん……出来はイマイチだったかも。

 由乃さんの事が頭がいっぱいになり、勉強に集中出来なかったってのは言い訳か。

 流石にテスト期間中は、由乃さんも連絡は控えているけど、終わったら、また彼女の相手を……ああ、嬉しいような悲しいような。


「じゃあね……あ」

 昇降口まで行くと、友達と挨拶をしていた奈々子とバッタリ目が合う。

「よう。試験、どうだった?」

「あんたに言う義務ないし」

「そう。あのさー、ちょっとだけいい?」

「嫌」

「少しで良いから話を聞いてくれよ。由乃さんの……」

「何で私に聞くのよ。都合の良い時だけ、私に聞かないで。ったく、ウチのお姉ちゃんもこんなクズとどうして……」

「別に良いじゃんか。もとはと言えばお前が……あ、おい」

 と言おうとした所で、奈々子が俺の腕を引っ張って、人気のない場所へと連れて行く。


「何だよ?」

「あんたさ。お姉ちゃんと何かあったの?」

「あ? 何かって何だよ?」

 あったけど、流石にホテルと一緒に行ってしちゃいましたとは言いにくい。

「最近、お姉ちゃん、浮かれているのよね。私のファッション誌をやたらと貸してくれとかどの服が似合うかとか聞いて来るしさ」

「へ、へえ……」

 俺の為にそういう事をしてくれるってのは何か嬉しいかも。


「面白くない……こんなクズの何処が良いのよ、お姉ちゃんは……」

「お前だって、その屑と付き合っていたんだけど」

「うるさい! 悔しい……あんたなんかにお姉ちゃんの体を……知っているんだからねっ! あんたがお姉ちゃんをホテルに……」

「っ! な、何の事かな?」


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