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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第二十五話 今カノの悩み

「あーあ、昨日は楽しかったな」

 由乃さんとのデート、途中で終わってしまったのは残念だったが、奈々子に由乃さんとのイチャイチャっぷりを見せつけられたのは実に爽快だった。

 大好きなお姉ちゃんが元カレに取られたのか悔しいのかもしれないが、もしそうなら、ざまぁないな。

 少しは俺の気持ちもわかったろう。


「おはよう」

「うん、おはよー」

 教室に入ると、奈々子が女子の友達といつもと変わらぬ様子で話していた。

 うーむ、あんなにブチ切れていたのに、何事もなかったかのように振る舞っているのは流石だな。

 由乃さんとは仲直りできたのだろうか? 俺の事はどうでもいいけど、由乃さんとの姉妹仲が拗れるのは本意ではないが、由乃さんなら上手くフォローできたと信じたい。

 後で聞いてみるか……。


 結局、その日は奈々子とは顔を合わせることも話をすることもなく、一日が過ぎていった。

「おっ、由乃さんからか。はい」

『こんにちは、陸翔君。今、いい?』

「はい、大丈夫ですよ」

 下校途中、由乃さんから電話がかかってきた。

『よかった。あの、奈々子は学校でどうだった?』

「特に普段と変わりはなかったですね。俺とは話してないですけど」

『そう……喧嘩になったりはしなかったのね?』

「一応、なってないですよ」

 喧嘩をしてないと言っても、話はしてなかったんだから、良好な関係とは言えないけど、まあ今のあいつと無理に仲直りしたいとは思わない。


「由乃さんこそ、どうだったんですか? 奈々子と家で喧嘩になったりは……」

『あ、うん……あれから、とにかく奈々子に謝り倒して、何とか許してもらえたかも……もういいよって、投げ遣りな態度だったから、まだ怒っていると思うけど……』

 まだ、拗ねてやがるのかあいつは。

 こんなことになったのも、全部お前のせいだってのによ?

『それでなんだけど、今、ちょっと会える?』

「ええ。由乃さんと会うためなら、授業もサボっちゃうんで、いつでも言ってください」

『それは駄目だよ〜〜。じゃあ、今はよいんだね。駅にもうすぐ着くから、そこで会おう』

 授業サボってでも会いに行くってのは冗談じゃないんだけど、本当にやったら、由乃さんに怒られそうなんで止めておくか。

 しかし、今日も由乃さんに会えるとはな〜〜……毎日、会いたいんだけど、その為には同棲でもしなきゃ無理なので、


「あ、こっちこっち」

「どうも。いやー、由乃さん、今日もお綺麗で」

「な、何よ急に〜〜……」

 由乃さんと駅で落ち合うと、彼女は半袖の白のブラウスと長めのスカートで、俺を笑顔で出迎えてくれたが、いつ見ても美人だなあ。

 今日はちょっと暑いので、薄着になっているんだが、由乃さんの胸、結構大きいんだな……。


「ちょっと、付いてきてくれる?」 

「あ、はい」

 わざわざ呼び出したくらいだから、なんか大事な話があるのかなと思い、由乃さんの後に付いていく。

 

「ここ、やっぱり落ち着くね〜〜。あ、ブランコあるよ。一緒に乗ろうか」

 駅から十分ほど歩いた所にある公園に着き、二人でブランコに乗る。

 ブランコなんていつ以来だろうか……由乃さんとまったり乗るのも悪くないな。

「昨日は、ごめんね。陸翔くんにも嫌な思いをさせちゃったかなって」

「俺は全く気にしてないですよ。それより、奈々子ですよ。俺達に別れろって、何様なんですかね」

「う、うん……確かに酷いけど、あの子は私の事が心配なんだと思うの。そう思うと、何だかあまり怒れなくて……」

 善意に解釈してやれば、お姉ちゃんが俺と上手く行くか心配で言っているんだろうが、元はと言えば、お前が他の男に走って、俺を振ったからだろうによ。


 なので、俺が誰と付き合おうがあいつにとやかく言われる筋合いなんぞないんだが、あいつの方がやたらと突っかかってくるから、困っているんだ。

「由乃さん、奈々子に俺との交際反対されているのどう思います?」

「うーん、あまり気にしてないんだけど、陸翔君に迷惑がかけていると思うと、ちょっとなって思っているの。私と陸翔君がちゃんと仲良くやっている所を見せてあげれば、納得するかなって思ったんだけど、なんか怒らせちゃったみたいで」

 うーん、由乃さんもちょっと感覚がズレている気がするが……俺とイチャついている所を見せられて、そんな事を思う人は居ないのでは……。

 ま、奈々子がイラつこうが関係はないけど、由乃さんも結構天然入っているのかな。


「あと、これは怒らないで聞いてほしんだけど……もしかしたら、奈々子も陸翔君もお互い未練とかあったりしないかなって思ったりしてて……実際に二人が会ってる所を見て、どうかなって思って」

「未練なんかないですよ」

「うん、わかっているんだけど、この目で見たかったっていうか……陸翔君は全然ないようだったね。うん、安心した」

 奈々子に未練なんか一ミリだりとももはやないし、あいつが俺の事をどう思っていようが関係はない。

「そうです。俺、今は由乃さんの事しか頭にないんですから」

「そ、そう。嬉しいけど、今、子供も近くに居るから、あんま大きな声でそういう事は……」

 キッパリそう言い切ってやったが、ここが公園だってことを忘れていた。

 子連れの人や小学校低学年くらいの子供が何人かいるけど、ちょっと離れているので、聞こえやしないだろう。


「すみません、でも本当ですし」

「そう。奈々子はどうだろうね……陸翔君の事、嫌いになっちゃったのかな……」

「別に気にしてませんし」

「私の前であんな感情的になったの殆どないから、ちょっと心配になって。あんまり嫌うようだと、ちょっと私もどうかと思っちゃって」

 まあ、由乃さんは気まずいよな。あいつと一緒に住んでいるんだし。

 かといって、奈々子と仲直りするのも何か嫌なんだよな……友達として付き合う気にもまだなれないし、あいつも同じだろう。


「暗くなっちゃったね。そろそろ帰ろうか。変な話をしてゴメンね」

「いえ。会えてうれしかったです」

 いつの間にか日も沈んで暗くなってきたので、立ち上がり二人で公園を後にする。

 話し込んじゃったけど、

「これから、週に一回は何とか会う時間作ろうか」

 おっ、週一回はデートか。それも良いな。

「そうですね。今度は何処に行きましょうか?」

「うーん、どうしようか」

 何処が良いかなーって思いながら、歩いていると、ある建物が目の前に飛び込んできた。


「ここなんかどうです?」

「え? ここって……ホテル……はっ! ら、ラブホテルじゃない!」

 指差した建物がラブホテルだと認識すると、由乃さんも顔を真っ赤にして狼狽する。

「何なら、今入りましょうか」

「だ、駄目に決まっているでしょう! 陸翔君、高校生なんだし、今、制服じゃない」

 流石に今ってのは冗談ではあったが、やっぱり年齢確認とかあるんだろうか。

 休憩二時間、二千五百円か……毎週だとちとキツイ出費になるが、通い詰めるならバイトでも始めないとな。


「もう、そういう事ばっか考えているの?」

「はい。もう、毎日思っていますよ」

 薄着だから体型がよくわかるようになってきたが、今すぐにでも抱きたくて悶々しまくっているんだ。

「こ、こら……変な所、触らない」

「由乃さん……」

 人気がないのを見て、彼女をそっと抱いて、腰やお尻の辺りを撫でながら、顔を近づけていく。

 ああ、許されるならこのまま押し倒したいな。


「もう、めっ、よ」

「ちぇ……」

「そんな顔しないの。今日はこれで、我慢して。ん……」

 流石にこれ以上怒らせたらまずいと、由乃さんから離れた後、彼女の顔が密着して、唇が重なり合う。

 そして、一瞬キスした後、由乃さんもすぐ顔を離し、

「じゃ、じゃあまたね」

「は……はい」

 由乃さんは頬を赤くした後、俺の前から小走りで去っていく。

 ああ、これじゃますます生殺しだよ……今夜、眠れるかなこれ。

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