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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第二十三話 元カノの前でイチャつきまくる

「はい、奈々子の分ね」

「ありがとう」

 その後、三人でソフトクリームを食べる事になり、由乃さんが奈々子にソフトクリームを手渡し、ベンチに座る。

「ほら、陸翔君は真ん中よ。その方が私達と話しやすいでしょう」

「え? あ、はは……わかりました……」

 奈々子から離れたいので、ベンチの端に座ろうとしたが、由乃さんがそれを許してくれず、彼女に言われるがまま真ん中に座り、姉妹に挟まれる形になる。


 傍から見たら、美人姉妹を両手に花で侍らせている超リア充に見えるかもしれないが、右にいる奈々子は俺から微妙に離れ、露骨に嫌な視線を送りつけているので、やっぱり気まずい。

「最近、すっかり暑くなったわね。ここのソフトクリーム、すごく美味しいって人気なのよ。この前、テレビでも取り上げられていたの」

「はは、そうなんですね。うん、美味いですね」

「くす、よかった。ねえ、私のもちょっと食べる?」

「いいんですか?」

 由乃さんは付属のプラスチックのスプーンでソフトクリームをすくい、

「じゃあ、いただきます!」

「くす、はい、あーん♪」

 と由乃さんもニコニコ顔で、あーんしてくれたので、俺も遠慮なくいただく。

 うう、良いなあ……めっちゃ幸せじゃん……。

 これぞカップルだよ。奈々子の時とはまた違った甘ったるい雰囲気が最高。


「あ、あの! 俺のも食べてください!」

「え? う、うん」

「ど、どうぞ!」

 お返しに俺のも由乃さんにあーんして食べさせてあげる。

 こういうのはお互いに幸せを共有しないとな。

「じゃあ、いただきます」

「あーん」

「ん……んもう、恥ずかしいわね、やっぱり」

 由乃さんも恥ずかしがりながらも、俺のソフトクリームを食べてくれた。

 間接キスになったけど、カップルだから何の問題もなし!


「くす、何かバカップルみたいだね、私達」

「良いじゃないですか、日本一のバカップル目指しましょう」

「もう、何言ってるのよ」

 バカップルなんて言葉は今の俺達には誉め言葉でしかないからな。

 うう、やっぱり由乃さんと付き合えてよかったな……。


「あのー、二人ともさ。私、居る事忘れてない?」

「あ、ああ、ごめんなさい。つい、二人だけの世界に入っちゃって……」

 俺の隣で呆れた顔をして奈々子がソフトクリームを舐めながら、そう言ってきたが、奈々子が居る事をすっかり忘れていた。

「やっぱり、私、帰る。どう見ても邪魔になっているじゃない」

「待って。邪魔なんかじゃないわ。ごめんなさい、つい陸翔君とイチャイチャしちゃって。でも、付き合っているわけだから、許して欲しいの」

「別に許すも何も……」

「あ、もしかして、私のソフトクリーム欲しかったの? 奈々子、抹茶味、あんまり好きじゃないって言っていたから、いいのかなって……」

「そんなの別にいらないし。ああ、もう二人でイチャつきたいなら、私が居る必要ないじゃない」

 そうそう。奈々子はハッキリ言って邪魔なので、さっさと帰ってもらいたいのだが、どうも由乃さんは奈々子にも一緒に居て欲しいみたいなので、グッと我慢する。


 何がしたいんだろうな、由乃さんも……奈々子をイラつかせるのは別に良いんだけど、後で俺が奈々子に何か言われる可能性が大なので、その辺はちょっとだけ考えて欲しいなって思ったり。

「今日は三人の親睦も兼ねているの。食べ終わったら、次は何処に行く?」

「えっと……三人で遊べる場所が良いですか?」

「そうね。だったら、カラオケボックスとかがいいかしら。いいわよね、奈々子?」

「うん……」

 俺は構わなかったが、奈々子はもう拒否するのも面倒になったのか、由乃さんの誘いに力なく頷く。

 元カノと今の彼女と一緒にカラオケ、しかも姉妹でという複雑な状況だが、由乃さんはやたら楽しんでおり、何を考えているのかますますわからなくなっていった。


「うーん、何を歌おうかな……あ、ドリンクは何がいい?」

「ウーロン茶が良いですね」

 カラオケボックスの室内に入り、由乃さんがドリンクを注文する。

「ほら、奈々子はこっち」

「うん」

 奈々子が由乃さんの隣に座ってしまったが、由乃さんは隅っこに居るので、俺は必然的に彼女の隣に座れなくなってしまった。

「あのー、俺、由乃さんの隣が良いんですけど」

「うーん、それは私もそうなんだけど、私も奈々子の隣に座りたいなーって」

 由乃さんが奈々子の隣に座るのは良いんだが、どっちかっていうと、俺の方を優先して欲しいなって思ったり。


 妹と彼氏、どっちが大事なんだって話じゃなくて、奈々子と隣っていうのが嫌なんだけどなあ。

「由乃さん、お願い。俺と隣に座ってくれないかなあ」

「んもう、甘えん坊さんね。そんなに奈々子の隣がいや? 二人とも付き合っていたんでしょう」

 むしろ、付き合っていたからこそ、嫌なんだけどさ……。

「私、こっちで良い」

「あん、もう……じゃあ、ここに座る?」

「はい。珍しく気を利かせたな。礼は言っておく」

「別に……」

 奈々子の方から立ち上がって、席を立ち、向かい側にあったソファーに一人で座ったので、俺が由乃さんの隣に密着して座る。


「あん、くっつき過ぎよ」

「いいじゃないですか。歌う時は離れますから」

「もう……えへへ、腕を組んでたら、歌を入力できないでしょう」

「歌なんかどうでも良いですよ。由乃さんと二人でイチャつきたいだけなんですから。あ、奈々子は歌いたきゃ勝手に歌っていいぞ」

 由乃さんの腕を組んだり、手を握ったりしながら、存分に密室でイチャつき、その様子をあからさまに不愉快そうな顔をして奈々子は見つめる。


 いやー、すっかり由乃さんとの距離も縮まっちゃったな。

 普段会えない分、こうして由乃さんとイチャつかないと、とても平日は過ごせない。

 ただでさえ、奈々子が最近はうるさいからなあ。

「二人ともいつもそんな感じなの?」

「い、いつもかなあ……何か、今日は陸翔くん、やたらと甘えてきているんで……」

「奈々子に俺達が上手くやっていることを見せてやろうと思いまして。あのー、また膝枕しても良いですか?」

「ここで? うーん、もうしょうがないなあ、あん」

 OKをもらってすぐに由乃さんの膝に頭を預けて横になる。

 うーん、柔らかくて良いなあ。このまま、ずっと寝ていたい。って、それはそれでヤバいか。


 ドンっ!

「きゃっ! ど、どうしたの?」

「お姉ちゃんに馴れ馴れしすぎて不愉快なんだけど! 私の前でよく出来るよね、恥ずかしい」

 遂に我慢できなくなったのか、奈々子がドリンクの入ったコップをドンっとテーブルに叩きつけて怒鳴る。

「もう、そんな怒鳴らないの。奈々子も付き合っている時、やっていたんじゃないの?」

「そんなのしてないし。てか、お姉ちゃんも甘やかせすぎじゃないの」

「えへへ、そうかしら。可愛くてつい」

「何が可愛いよ。私、帰るね。二人が仲良いのはわかったからさ」

「あーん、お姉ちゃんとデュエットしようよ~~」

「陸翔とやればいいじゃない」

「奈々子としたいの~~。ね、お願い~~」

 帰ろうとした奈々子にしがみついて、由乃さんがおねだりするが、出来れば早く帰して欲しいなーって。


「わ、わかったわよ。そのかわり、膝枕止めて」

「んもう、別に座っても出来るのに。陸翔君、ゴメンね。どうしても奈々子と歌いたいから。膝枕はまた後でね」

「はーい……」

「ふふ、いい子ね。ゴメンね、ちゅっ♡」

 渋々起き上がった後、由乃さんは俺の頬にキスをし、頭を撫でてくれた。

 子供扱いされているけど、悪くないなーこういうの。

 でも、奈々子は明らかにイライラしており、明日、学校で何を言われるか心配になっていた。

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