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彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


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第十九話 元カノの新たな疑惑

「うんうん、それで?」

 次の日、いつも通りに学校に行くが、教室に入ると嫌でも奈々子が目に入ってしまい、気分が穏やかにならない。

 くそ、あいつなんかにこれ以上、惑わされて堪るか。

 出来る限り、奈々子に関わらない様にはしたいが、あいつの方から、色々と俺に絡んでイビって来やがるので、何とかしなければ。

 一応、由乃さんが一言、注意しておくとは言っていたけど、あのひとは奈々子にはちょっと甘いみたいなので、期待しない方が良いかも……。


 放課後――

「はあ……今日は委員会で遅くなっちまったな」

 放課後に委員会があり、雑用を色々、押し付けられてしまい、いつの間にかこんな時間になってしまった。

 既に暗くなってしまったが、帰りにちょっとコンビニに……。

「ん? あれは……」

 駅前まで行くと、見覚えのある女子生徒がスマホを弄りながら、誰かと待ち合わせしているのが目に入る。


(って、奈々子じゃん。あいつ、誰と待ち合わせしてんだ?)

 また新しい男でも付き合い始めたのかと思ったが、仮にそうでも今の俺には関係ない話だな。

 そうそう、奈々子とはもう関わらない事に決めたんだ。

 あんな奴の事なんか無視して、帰ったら、由乃さんに電話してみようっと思っていると、

「おまたせ」

「ん?」

 奈々子の方に視線をやると、一人の男が奈々子に声をかけてきた。

 おいおい、また知らない男だぞ……しかも、あいつは何歳だ?

 何かスーツを着ているので、会社員っぽいが……。


「じゃあ、行こうか」

「あ、はい。よろしくお願いします」

「…………」

 おいおい、何だこの状況は?

 見た感じ、男は二十代後半くらいだろうか?

(まさか、パパ活とかじゃないだろうな?)

 いや、あいつが誰と付き合おうが、パパ活しようがどうなろうが、俺には関係はないんだ。


 しかし、由乃さんがこのことを知ったら……うーん、気にはなるけど、俺が行ってもどうすれば良いのか……って、もう見失っちまった。

「ちっ……まあ、いいか」

 見なかった事にしようと。

 俺の事を一方的に振って、逆切れするような女なんぞ、どうなろうか知った事ではないしな。

 そう言い聞かせて、奈々子を無視して、家に帰っていった。


「んーー、ガチャは不発だったか」

 夜中になり、最近スマホゲームのガチャを回していくが、お目当てのキャラもアイテムも出やしない。

 苦労して貯めた石もほぼ消化してしまい、不貞腐れながら、スマホをベッドに放り投げると、

「あれ? 由乃さんからか。はい」

『あの、陸翔君。ちょっといい? 奈々子、何処に行ったか知らない?』

「はい? 奈々子ですか? いえ……」

『そう……あの子、まだ帰って来なくて……もう、夜の十一時になるのに、どうしたのかしら?』

 何? まだ帰って来てないのか、あいつ?


 時計を見ると、もう十一時は過ぎているのか。

 まだ帰って来てないのは流石におかしい気がするが……そういや、あいつ、何のバイトしているんだっけ?

「いつも、何時くらいに帰っているんですか?」

『いつもは遅くても十時には帰ってくるんだけど……コンビニで最近、バイトを始めたらしいんだけど、何処のコンビニなのか教えてくれなくて』

 コンビニでバイトだあ?

 いや、それ自体は構わないんだけど、何でお姉さんの由乃さんにまで場所を教えられないんだよ。

 何かあった時に困るだろうに……いや、待てよ。


(まさか、あの会社員っぽいのとトラブルに?)

 ふとあいつが駅まで知らない男と一緒に居たのを思い出す。

 おいおい、変な男に引っかかったのか?

 自業自得といえばそれまでだけど、由乃さんに心配をかけるんじゃないよ。


『それで、何処に行ったか心当たりないかな?』

「えっと……心当たりはちょっと……」

『そう。ああ、もう……実はね。大きな声では言えないんだけど、前にもちょっと警察沙汰になった事があって……街中でナンパされた男子とトラブルになって、警察から連絡が来た事が一度あったの』

「はいっ? そんな事もあったんですか?」

『う、うん……だから、心配で』

 思っていた以上に奈々子は素行が荒れているみたいで、頭が痛くなってきた。


 付き合っている時は、そんな素振りは微塵も見せてなかったんだけど、俺が気付いてなかっただけなんだろうか。

 由乃さん、案の定、心配しているのかめっちゃオロオロしているけど、どう落ち着かせればいいのか……しっかりしろ、俺が彼氏なんだからさ。

『何かわかったら、連絡を……ん? あ、奈々子! やっと、帰ってきたのね。何処に行っていたのよ!』

 さっきの事を言おうか悩んでいた所で、奈々子が帰ってきたみたいで、一先ずホッとする。


 取り敢えず、家に帰ってきたんなら良かったが……由乃さんに心配をかけるような真似はするんじゃないと説教してやりたい。

『……もう、しょうがないわねえ……あ、ゴメンね、陸翔君。今、奈々子が帰ってきて、何かバイト先の友達とファストフード店で話し込んじゃったみたいで』

「ならいいんですけど……」

 本当なのか、かなり疑わしい言い訳であったが、後でちょっと確認してみようっと。

 いちいち、俺の今の彼女に心配を賭けさせている時点で、許せん女だが、一度痛い目でも見た方が良いんじゃないか?


『じゃあ、もう切るね。ゴメンね、遅くに電話して』

「いえ。無事に帰ってきたならよかったです」

 由乃さんが安堵したのは何よりだったのでよかったが、すかさず奈々子にも電話をかけてみる。

 あいつが出るかどうかはわからんけど、どのみち、学校で顔を合わせるんだから、早い方がいいか。


『はい』

「よう。随分と遅いお帰りだったみたいじゃないか」

『何の用よ。関係ないでしょう』

 電話を掛けると、意外にもすぐに出て来たので、拍子抜けしてしまったが、相変わらず俺には無愛想と言うか、憮然とした口調で答えていた。

「いやさ、お前がどうしようが関係ないんだけど、今、由乃さんが俺の所にまで、電話してきたんだよ。お前を知らないかって」

『ふーん。何て答えたの?』


「知らないって答えたよ。それとも、知らん男と一緒に居る話した方がよかったか?」

『何で知っているのよ。まさか、ストーカー? 最悪……お姉ちゃんと付き合っているだけじゃ、満足できず、いやがらせ?』

「ちげえよ! あのさー、あんまり由乃さん心配かけるような真似しないでくれるか? 下手すると、俺も疑われちまうだろう」

『あー、うるさいわね。今日会った男なら、ちょっとお茶しただけだから。これ以上、ストーカーしたら、マジでお姉ちゃんに言いつけるよ。じゃあね』

「は、はあ? おい、それって……」

 と言ったら、即電話を切ってしまい、その後電話をかけても通じなかった。


 ちょっとお茶をしただけって……それって、パパ活?

 あいつ、そんな事までしているのか……いや、もう俺の中でこれ以上、落ちる事のないと思った奈々子のイメージが更に落ちていき、あいつの彼氏であったことも信じられないくらいになっていた。




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