表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女をNTRれたら、彼女のお姉さんと付き合うことになって、それ以上にラブラブになりました  作者: beru


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/70

第十一話 元カノともしなかった初めてを

「何か変な光景見ちゃったね……」

「そうですね」

 奈々子と彼氏が一緒に居る場面を目撃した後、由乃さんと一緒に足早にその場から去り、二人で気まずい雰囲気のまま、街中を歩いていく。

 あいつ、あの彼氏と別れたのか、それとも二股なのか……あの様子だと、俺と付き合っていた時も他の男と二股していた可能性が……。


 もしかして、俺は遊ばれていたのか?

 くそ、奈々子にあれだけ熱を上げていた俺がバカみたいじゃないか。

「あの一緒に居た男の人……前に、奈々子と一緒に写っていた写真を見て、凄く可愛いから、紹介してって言っていたっけ……」

「そうなんですか?」

「うん。もちろん、断ったけど、どうやって知り合ったんだろう? SNSとかマッチングアプリとかかな?」

 マッチングアプリね……そういうの使っていて男を漁っていても、もう驚きはない。

 正直、神経を疑うよ。何を考えているんだ?


「陸翔君。あの子の事、本当に好きだったんでしょう?」

「え? まあ、そうですね。最初見た時から、可愛いって思っていましたし。去年、席が隣同士になった事もあるんですよ。その時も、俺に親しく接してくれて……」

 一年の時も同じクラスで、明るくて可愛くて誰にでも気さくに話しかける人気者――

 陰キャっぽい俺にもフレンドリーに接してくれて、女子に耐性がなかった俺を勘違いさせるには十分であった。


「あ、おはよう陸翔君」

「あ……お、おはよう」

 朝、教室に行くと、いつも眩いばかりの可愛い笑顔で俺に挨拶してくれた奈々子。

 思い出しただけで、あいつのあの時の笑顔はマジで可愛かった。

 そりゃ、その時は奈々子の本性など知る由もなかったし、一応、彼氏がいるらしいって噂は耳にしていたので、俺にはとても無理だなって思っていたのだ。


 だけど、どうしても想いだけ伝えたくて……去年の十一月くらいだったかな?

 ダメもとで告白してみたら……。


「あの、大倉さん! その……ずっと、君のこと、好きだったんだ。えっと……良かったら、俺と……」

 奈々子を誰も居ない教室に呼び出して、思いきって想いを告げる。

 どうせ駄目だろうなと思ってはいたのだが、結果は予想外のものだった。

「うん、いいよ。陸翔君、凄く真面目で優しそうだし」

「え? ほ、本当?」

「うん。よろしくね、陸翔」

 あっさりとOKを貰い、拍子抜けしてしまったが、それから奈々子と


 初めての彼女だったので、何をして良いのかもわからず、ネットで色々とデートスポットを検索したりして、悩んでいたが、奈々子は何処に行っても基本喜んでいた。

 だから、他の男に靡くなんて想像もしてなかったんだよな……すべてが上手く行っていると思っていて、奈々子に夢中だったからな。

(だから、あんなフラれかたをしたので、余計にショックだったんだよなあ……)

 あんな女だと知っていれば、告白なんて絶対してなかったんだけど、何という悪女。


「ねえ、陸翔君」

「は、はい? 何です?」

 と、奈々子の事を思い出している最中に、由乃さんが俺の袖を引っ張り、

「他に行きたい場所がないなら、あそこに行かない?」

「え? あそこって……?」

 由乃さんが指さしたのはカラオケボックス。

「うん。どうかな?」

「いいですね。行きましょう」

 奈々子の事も見失ってしまったし、ここでボーっとしてもしょうがないので、由乃さんと一緒にカラオケに行く事にした。


「ドリンクはウーロン茶でいい?」

 カラオケボックスに入り、ドリンクを注文し、由乃さんと並んで座る。

「えへへ、二人きりだね」

「あ……そ、そうですね。はは、緊張しちゃうなあ」

 由乃さんが隣に座りながら、手を握って、そう言うと、ここが密室であることを思い出す。

 正真正銘の二人きりで、ここならだれにも邪魔されることはない。

 まあ、監視カメラあるんだろうけど、やっぱりドキドキしちゃうな。


「奈々子、学校で上手くやっているのか、ちょっと心配になっちゃって……悪口、言われていたりしない?」

「あ、どうですかね……あんま、聞かないですけど」

 実は付き合う少し前に、とんでもないビッチだとか噂されているのは耳にした事はある。

 でも、小耳にはさんだだけなので、まさかと思っていたが……あながち、嘘ではないんだろうな。

「ふふ、ねえ。また膝枕してあげようか?」

「します」

「そ、即答だね……」

「断る理由ないですし」

 由乃さんが膝をポンと叩きながら、そう言ってきたので、遠慮なくソファーに横たわり、差し出された由乃さんの膝枕に頭を預ける。


 ああ、気持ちいいなあ……これだけでも、由乃さんと付き合ってよかったと思える。

(そういえば、下着を変えたとかなんとか奈々子が言っていたな……)

 まさか、今は勝負下着を着ているのか?

 長いスカートを履いているので、流石に下着の色まではわからないが……いくら彼女とはいえ、そんな事を聞く勇気はないから、確認しようがない。


「ふふ、甘えん坊さんだね」

「由乃さん相手なら、赤ちゃんにもなっちゃいますよ」

「もう、彼氏じゃないの?」

「そうですけど……ああ、いいですね」

 由乃さんの膝枕柔らかくて、寝心地最高なんだもんな。

 むしろ赤ちゃんに戻らせているの由乃さんの方じゃないのかね。


「あの……こんな事、聞いて良いかわからないけど、いいかな?」

「何です?」

「な、奈々子とはどこまでやったのかな?」

「はい?」

 頭を撫でながら、由乃さんが顔を赤くして、そう聞いてきたので、何のことかと思っていると、

「だから、その……に、肉体関係とかっ!」

「っ! し、してないですってっ! 本当です!」

 ストレートに聞いてきたので、ビックリして声を張り上げて、否定する。


「本当?」

「本当ですって! 健全な交際をしていましたから!」

「そ、そう……よかった……」

 肉体関係とか、そんな事は全く考えていなかったな。

 ただ一緒に居るだけで楽しかったとか……。


「じゃ、じゃあ……キスとかは?」

「してない……です」

「そ、そういうものなの?」

「いえ、他のカップルはよくわからないですけど、俺達はしてなかったですよ」

「そう……したくなかったの?」

「あー……どうですかね?」

 キスとかエッチとか、そんな事は考えていなかったというか、そういう雰囲気ではなかったというか。


「あの子の事、大事にしていたんだね」

「大事とか……まあ、そのつもりでしたけど」

「くす、ありがとう。じゃ、じゃあ私とは……どうかな?」

「え?」

「したいと思っている?」

 由乃さんが視線を逸らしながら、膝で寝ている俺にそう訊く。


 これは……したいのか?

「思っていますっ!」

「きゃっ! あ、そ、そう……」

「してもいいですか?」

「ええっ? あ、ちょっと待って……ん……」

 飛び起きて、由乃さんの肩に手をかけて迫ると、由乃さんも慌てて烏龍茶を飲む。


「じゃ、じゃあ……いいよ……」

「あ……はい」

「ん……」

 烏龍茶を飲んだ後、由乃さんが目を瞑って顔を差し出したので、俺も顔を近づけると、由乃さんの方が更に顔を突き出して、唇が触れる。

 元カノである奈々子ともやらなかった口付けを体験し、そのまましばらく唇を重ねあわせていったのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ