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詩歌集2

アスファルトのちいさなはな



あるひのしごとがえり

ほどうのまんなかのアスファルトに

ほそいひびがはいってて


そのひびのすきまに

いちりんのはながさいていた

さいているといっても

はなはまださいていない

まだまだつぼみだ


でも

つぼみのじょうたいでもわかる

さいたらきっと

このはなはとてもきれいな

はなをさかせるだろう


そのはなのことをみつけていらい

わたしはしごとのいきかえりに

そのはなをなんとはなしにみるようになった


まいにちまいにち

そのはなをみていると

だんだんだんだん

つぼみがほどけてきてて


だんだんだんだん

わたしはそのはなが

はなひらくのを

こころからまつようになっていた


しごとはつかれるしいやだけど

このはなにであって

このはなをまいにちかんさつするようになって

しごとにいくのがたのしみになっていた

しごとにいくのがたのしみというより

このはなにあうのがたのしみになっていた


あるあさのこと

そろそろきれいにはなひらいてるかなと

うきうきしながら

あのはなのもとにいそぐと


はなが

なくなっていた


わたしはあわててまわりをさがした

けど

あのはなはどこにもなくて


わたしはおちこみながらしごとへむかった

すると

そのはながさいていたちかくのおうち

そのおうちのまえに

そのはながさいていた

まっかなはなびらをぴぴんっとひらいて

さいていた


そのはなをみつめていると

そのいえのひとなのか

きひんあふれるおばさまがでてきた

きょとんとしたかおでわたしのことをみて

わたしがはなをみていることにきづくと

「ああ」

といって

そのひとはほほえんだ


「そこのアスファルトのすきまにさいていたおはながきれいで。でも、そんなみちのまんなかだといつかだれかにふまれてしまったりしそうだったから、おうちにつれてきたのよ。きれいなおはなよね」


きひんあふれるおばさまはいった


「ほんと、きれいですね」


ちいさなはちにさく

あかいはな

なまえもしらないまっかなはな


わたしはじかんをわすれて

うつくしくさくはなを

いつまでもいつまでもみつめた







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― 新着の感想 ―
[良い点] このお話を読んで、勝手に感じたことなのですが。 気品溢れた女性は、主人公の未来の姿に似てるんだろうなと思いました。 素敵な作品をありがとうございます☆彡
2024/04/18 07:12 退会済み
管理
[良い点] めっちゃ実話やと想て読ませていただきました♪ なんか、表現がリアルですね~。 ひらがなも良いですね~♪ 絵本詩ですね~♡♪(*´∀`)☆彡
[良い点] 固いアスファルトというのは僕らの表面的な何かで、小さく咲く花は人の本質的なものを象徴しているようにも感じました。 僕らの外側を覆っている何かが割れた時、小さな美しいものが現れるのかもしれま…
2024/04/17 22:34 退会済み
管理
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