第十七話愚帝の玉座(テュラントロンヌ)
第十七話愚帝の玉座
デュランからの報告を聞き俺とニコラはすぐさま共に王城に向かった。
獣化により空を舞えるが……
「たいちょへの視線が痛いっすね」
「慣れたとはいえ……堪えるものがあるのは事実だ。だがそうも言ってられんニコラ振り落とされるなよ!!」
俺がニコラを連れて王城に直行した。
王城に向かう途中で数人に狙われたが、通信魔法でデュランに奴らの居場所と消すように伝えた。
「もう少しっすよたいちょ!!」
「ああ!!」
俺とニコラは王城の謁見の塔の壁の開口部から侵入した。
なぜなら王は晩餐会を開催する際は謁見の塔で執り行われる。
俺は"毒見"のニーヴと"調理"のポーヴァルに連絡すると毒は既に仕込んでおり、あとは王が食べるだけとのことだ。
王以外の参加者には事前にポーヴァルが新作の料理に毒を仕込み食べさせて眠っている。
そして参加者に扮した俺たちの仲間が現在晩餐会に参加している。
「見てほしいっすたいちょ、食べますよ」
「……!? ニコラ避けろ!!」
「……へ?」
ドゴン!!
「あっ、危なかったっす」
ドスドスドス
「お〜臭い臭い……半獣の匂いがするなぁ、何処からだろうなぁ」
「気づいてるくせに、下手な演技すんなよ」
「ニコちゃんこんな半獣じゃなくてこっちおいでよ。おじちゃんと夜の楽しい楽しい遊びをしようではないか」
「テメェのとこに行くわけないことぐらい分かって言ってるっすよね」
「悲しいなぁおじちゃんこんな可愛い娘傷つけたくないんだけど…………来ないんだったら仕方ないねぇよなぁ、半獣殺したらニコちゃんを半殺しにしてから抵抗出来なくなるぐらい遊んでやるから楽しみにしとけ」
「今たいちょを殺すって言ったっすよね? たいちょを殺させるわけにはいかない……リオンに指一本触れてみろ私がテメェをぶち殺す!! ……っすを忘れてた」
「お熱いねぇ……この愛をもうすぐ貰えるとかおじちゃん幸せだなぁ」
コツコツコツ
「王を殺したいのなら右腕である俺を殺してからにしろ」
俺とニコラの前に立ち塞がったのは"蠱毒"のアルヴァートだ。
その後すぐアルヴァートから通信魔法が来た。
「今から毒で攻撃するが、王にしか効果が出ないよう改良してある。ある程度戦闘をして負けてくれ」と。
アルヴァートは連絡後すぐ攻撃してきた
「ワシが殺すつもりだったが、アル任せたぞ」
「この部屋を出てはなりません外も敵に囲まれています。俺がお護りいたします」
「そうかアルがそういうならワシも従うとしようかなぁ」
そして俺とニコラ、アルヴァートが戦った。
約六分後には王が眠そうにしたのを確認したアルヴァートが
連絡魔法で
「あと一分程だ」伝えられたこの言葉の通り一分戦うと王は眠った。
「ふぅ、リオン殺れ」
俺が王を殺そうと一歩近づいたその直後王は泡を吹き始めた。
「これですぐ殺せるだろ」
「ありがとうアルヴァート」
「たいちょだけに罪を負わせはしませんっす」
「ありがとなニコラ」
俺とニコラで王の首を撥ねて殺した。
そして俺たちは首の紋様が無いのを確認した。
今後は空白の玉座を俺が座ることになった。
そして場面は切り替わる
「……はぁ、はぁワシより強い影武者が死にやがった!! 早く逃げんと殺されちまう」
「あっれ〜どうしてこの国の王がこんなとこにいるんですか〜?」
「邪魔だ消え失せろ下民が!!」
ブスリ
「なっ、何をす……るげ…………み……」
「何が下民だ。忘れたとは言わせねぇぞ!! お前が強姦し殺したシェルマネの妹のキルナだ!!」
「し……ら……ねぇ」
お姉ちゃん買い物帰りにこいつに誘拐され王城の連中二十一人を相手にさせられ殺された。
お姉ちゃんを犯した連中を殺した時にはもう遅かった。
お姉ちゃんを護るために騎士になったってのに……護れなかった。
こいつだけ影武者だったと知った時には怒りの余りお姉ちゃんを犯した家族を皆殺しにした。
俺はこいつを殺したのちに自殺するその計画は終わった。
こいつが影武者にするのは自分より強いやつだ。
「……違う、この首の紋様影武者だ、クソッ!! 絶対に殺してやる!!」
このキルナが後のレスカ王国四天王の一人になるのだが、それはもう少しあとの話である。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね
次回から第二章に入ります




