第3話
突然小説家になろうに現れた者です、カクヨムでも同じ作品を投稿しています。
それからの間、僕は気を失っていた。
無理もない、頭にあれだけの衝撃を受けたのだから。
「うぅぅん...」
「大輔!」
「...ここは?」
しばらくして僕が目を覚ますと見知らぬ白い天井が見えた、僕は寝ぼけながらも上半身を起こして辺りを見渡してみると白い壁に白いカーテンに僕が寝ている白いベット、頭に巻かれている包帯、そして心配そうな顔で僕を見つめてくる霧山さんがいて理解するのにそこまで時間はかからなかった。
「保健室、大輔怪我してたし意識もなかったから...」
「そうなんだ、ごめんね霧山さん。
僕、重かったでしょ?なのにここまで運んできてもらって」
「ううん、先生と一緒に運んだから全然。
それに、あのまま放置するなんて恩を仇で返すようなことしたくないから」
聞いた話によると霧山さんは僕が気を失ったあと、わざわざ近くにいた先生を呼んでまで僕を助けてくれたみたいだ。
本当に感謝するしかない。
「ありがとう、本当に助かったよ」
「そんな...お礼を言いたいのは私の方だよ。
助けてもらったのは私の方だしこれくらい当然、それに...」
「それに?」
「嬉しかったんだあの時、大輔ヒーローみたいにカッコよくて」
「べ、別に大した事じゃ...」
「大したことだよ、普通の人は誰かのためにとっさに体を張るなんてできないもん」
僕、そんなに感謝されるようなことしたかな?
そんなことを思っていると霧山さんは僕の手を優しく両手で握ってきた、その温かいぬくもりを感じた僕は恥ずかしくなって自分でも頬が熱くなっているの感じてきた。
「あ、ありがとう...」
「それでさ、大輔からの返事まだ聞いてないけど...どうかな?」
「あっ...」
霧山さんに言われたことで僕は思い出した、そうだった、僕は霧山さんに告白されて返事をまだ返していない。
確かに今回の告白は罰ゲームだということはわかっている、けど彼女は本気でこんな自分に告白してくれた、僕を助けてくれた、それに今気が付いた、彼女と一緒にいる時間はなんだかいつもよりずっと幸せに感じることを...となれば、僕の答えは一つしかない。
「霧山さんこ、こんな僕なんかで良ければよ、よろしくお願いします...」
僕は勇気を振り絞って答えた、特に最後の方なんて声が小さすぎて聞こえていないと思われたけどそんなことはなく、僕の言葉を聞いた霧山さんは口元を両手で抑えながら喜んでいるように見えた。
「うん!こちらこそよろしくね!」
霧山さんは僕に満映の笑みを見せてくれた、その笑顔によって僕はドキッと心臓が鳴っていることに気が付いた。
「青春ねぇ〜」
「「!?」」
すると背後から女性の声が聞こえてきた、その声を聞いた僕と霧山さんはゆっくりと声のした方を見てみると養護教諭の先生がいたのだ。
「二人とも熱々ね」
「い、いつからそこにいたんですか?」
「ん〜と、返事がどうのこうのくらいのところからかしら。
声をかけようと思ったけど二人っきりの世界にいるもんだから申し訳なくて」
嘘...僕の返事とか全部聞かれてたの?その事実を知った僕と霧山さんは同じタイミングでボンって音を鳴らしながら沸騰したやかんみたいになった。
「あ、そうそう!怪我の方は多分大丈夫だと思うけど心配だったら病院で診てもらってね」
「は、はい///わかりました、ありがとうございます」
「だ、大輔///か、帰ろうか」
「う、うん///」
僕はまるでぎこちないロボットのような動きをしながらベットから起きて荷物をまとめ、霧山さんと一緒に挨拶してから玄関の方に向かった。
隣に並んでた霧山さんの動きも僕のようになっていたのは言うまでもない。